2011年度予算要望書/* --項目挿入-- */?>
2010年08月26日
環境局
- 地球温暖化抑止の取り組みについて
昨年12月のCOP15(国連気候変動枠組み条約第15回締約国会議)での「コペンハ
ーゲン合意」にも明記されたように、地球温暖化の被害が取り返しのつかないレベルになるのを避けるには、産業革命前にくらべて2度以内の気温上昇にとどめることがカギである。
ところが、政府は、温室効果ガスの中期削減目標を、途上国を含む主要国が大幅削減に同意するという前提条件をつけ、それがなければ目標の設定も施行もしないとしている。これでは地球温暖化防止をリードするどころか、押しとどめることにもなりかねない。
温暖化抑制に有効なルールを設定し、それにもとづいて中長期的な取組みをすすめることが必要です。いまこそ、温室効果ガスの排出量を減らしながら発展する経済社会への転換が求められている。自治体もできることは全て取り組むべきである。
以下の点について、早急に取り組むこと。
- 日本が積極的役割を果たすよう、国に対して、温室効果ガス排出量を2020年までに1990年比で30%削減することを中期目標とするよう求めること。
- 地球温暖化抑止について本市は、「持続可能な地域づくりECOプラン?西宮市地球温暖化対策地方公共団体実行計画」や「第2次西宮市地球温暖化対策実行計画」等に基づいて取り組んでいるが、目標や計画そのものが不十分であり、抜本的に改めること。
特に、日本の温室効果ガス総排出量の8割を占めるといわれている産業界の削減がカギである。市内最大の事業者として市が実施状況を公表し、温暖化対策をアピールすることによって、市内の事業者にも計画の策定と実行を求めること。
- 市として自然エネルギーの導入について、積極的にすすめること。特に、実効性の高い太陽光発電システムについては、学校施設をはじめ、公共施設への設置計画を策定し、実行すること。民間企業にも導入をはたらきかけること。
- 今年度創設した住宅用太陽光発電システム設置補助制度の利用を促進するとと
もに、より設置を増やすために、設置住宅には固定資産税の減免をするなど、全庁的な推進施策をとること。
- この間取り組まれている庁舎の屋上緑化や緑のカーテンも室温を下げるなどの一定の効果があることから、他の公共施設についても実施すること。環境学習都市西宮としてのリーダシップを発揮し、事業者としての取り組みを強化し、民間企業にも協力を求めること。
- 公共交通の利用を促進し、自動車利用を抑制すること。毎月20日のノーマイカーデーについても、実効性がないので、もっと強力に推進すること。自転車利用も促進すること。
- CO2排出量を非公開している近隣の大規模排出事業所の情報開示と削減の義務付けなど国・県に求めること。
- 政府の高速道路無料化に向けた社会実験が取り組まれているが、この間の研究結果や実態調査からも公共交通の利用減、CO2排出量増などは明らかである。高速道路無料化を実施しないよう、国に求めること。
- 店舗の看板や店内照明については、過剰な電光の使用を抑制するよう指導すること。
- ごみ問題については、大型焼却炉によるごみの“焼却中心主義”から脱却し、これまでの大量生産・大量消費・大量廃棄型社会から、資源循環型社会への本格的な移行が求められている。この間取り組まれている、分別、リサイクル、ごみを出さないなど、ごみの減量化を推進していかなければならない。
以下のことに取り組むこと。
- ごみの発生を設計・生産段階から削減するためには、自治体と住民に負担を押しつける現行制度を、OECDも勧告している「拡大生産者責任」の立場で抜本的に見直すことが必要であり、ひきつづき国に求めること。
- 粗大ごみや家電4製品の不法投棄が多い。特に、家電4製品の不法投棄を誘発する「家電リサイクル法」についてリサイクル料金等の製品価格への内部化を義務づけるよう国に求めること。引き続き不法投棄のパトロールを強めること。
- ごみ減量化を名目にした家庭用ゴミ収集の有料化については、実施に踏み出した他の自治体では、かえってゴミが増えている。ゴミ減量につながらず、市民に負担を強いる有料化は絶対におこなわないこと。
- 事業系などのゴミ処理手数料等が有料化され、零細な事業者にとって負担となっている。中小零細業者への軽減措置をとること。また、介護・老人福祉施設など入所施設について、市は、福祉的観点から処理手数料の控除を行っている。通所・通園の施設についても拡充すること。
- ゴミ収集の業者委託は、国道2号線以北の地域まで行われており、その業者選定は、競争入札になっている。委託を受注したい業者は、少しでも入札価格を安くするために、労働者の人件費を切り下げ、結果として、ワーキングプアを生み出している。労働者の労働条件切り下げにならないよう、賃金・労働条件を保障する「評価基準」を設けた総合評価型入札制度にすること。
- ゴミ減量、再資源化には徹底した分別が必要である。その他プラスチック製容器包装の分別収集については2012年度内実施を予定している。市民の協力をえて、早期におこなうこと。その際、直営、委託地域とも同時に実施開始できるようにすること。
また、ビン類の分別収集を早期に実施するとともに、ビンなどのリターナブル化等も促進すること。
- にこやか収集について、条件を緩和し、対象を拡大すること。
- 燃やさないゴミ等の収集に利用しているコンテナの軽量化を直ちに取り組むこと。
- スーパーのレジ袋減量化に取り組んでいるが、効果はこれから状況である。引き続き、参加事業者を増やすこと。市がリーダーシップを発揮し、コープこうべが取り組んでいるレジ袋の有料化を全市で取り組めるようにすること。
- ごみの焼却、埋め立て処分をしないという点で、コンポスト化の推進も必要である。現在実施している、生ごみ処理機への購入補助を引き続き推進するとともに、市としてコンポストセンターを整備すること。
- 2011年7月のテレビの地上デジタル化により、アナログのテレビ、ビデオ・DVDプレイヤーなどが大量に廃棄されることが予想される。徹底した不法投棄対策をとること。同時に、継続使用の働きかけ、再利用化など、必要な手立てをとること。その際、国の責任を明確にし費用負担を求めること。
- 有害物質対策について
- アスベストについては、対策法の認定基準を緩和するなど、全ての被害者・家族により充実した補償と救済を行うよう、国に要望すること。解体による飛散防止策をより強化するとともに、解体業者への飛散防止費用の助成制度を新設するよう国・県に引き続き働きかけること。市内の公共施設、駅舎など民間施設を含め、現状把握と安全な除去も含め、引き続き対策を講じること。
- PCB、ダイオキシンなど有害性化学物質による、健康被害と環境汚染が懸念される。西宮でもマンションに使用されていたPCB廃棄物の処理事故、化学物質による土壌汚染などの問題が起きている。環境被害調査や健康調査、情報公開、被害補償など、具体的な対策をとること。
また、民間マンションのPCB廃棄物については、国に処理費用助成策を求めること。それができるまでは、市として助成すること。
- 大阪空港について、西宮市は、「航空機騒音防止対策、環境整備の促進等をはかること」を目的としていた11市協(大阪国際空港周辺都市対策協議会)に属し環境・安全対策を求めてきた。しかし、11市協は利用者利便の確保や空港周辺地域の活性化等を強調する中で、ジェット機の増便を求めるなど実態としても変質している。11市協を脱退し、航空の安全、騒音問題、環境整備等について、引き続き国に求めること。また、現在大阪府や兵庫県が環境対策や空港の維持管理費用の一部を負担しているが、市に求められた場合は拒否すること。
大阪空港は、「欠陥空港」であり。安全面からも早期の撤去を求めること。
- 幹線道路の騒音・公害防止について
- 大気汚染常時監視測定局は、現在、11局ある。測定局を増設し、観測態勢を強化すること。その測定結果については、市民に積極的に公表すること。
- 微小粒子状物質PM2.5による健康被害が懸念される。環境省は今年9月に環境基準を告示したが、西宮市には測定器がない。新年度には必ず整備すること。
- 国道176号線は、依然として交通量が増大し、渋滞に伴う環境悪化も懸念されている。ただちに環境対策をとること。
- 快適な市民生活を確保するために、以下のことを実施すること。
- 「快適な市民生活の確保に関する条例」を抜本的に改正し、環境面での市民の要望、相談にこたえられるようにすること。具体的には、24時間営業の店舗に対する規制等、組み入れること。
また、焼肉店など、臭気、騒音、光などの苦情に応え、指導できるようにすること。
- 花火などの騒音や生活騒音におけるトラブルが増えている。特に花火については、条例に基づき、パトロールを実施しているがなお市民からの苦情が後を絶たない。パトロールの予算を増やして回数も増やし、時間も延長するなど厳正な指導を行うこと。
- 依然として産業廃棄物の不法投棄があとを絶たない。引き続き監視カメラの設置や徹底した立ち入り調査が必要である。直ちに取り組むこと。不法投棄のルートと関与者を解明し、違反者はもちろん、排出者の責任で撤去させること。
- 食肉センターは、市民にとってメリットはない。ところが市は、2008年度から3年間の指定管理者制度を導入し、公設民営化を推進し、これからも際限なく市民の税金を投入する道をひらこうとしている。2004年の「食肉センター検討委員会の提言」どおり、新年度は、指定管理者の継続はせず、完全民営化ができなければ、直ちに施設を閉鎖すること。
- 阪神間で唯一残された自然海浜である甲子園浜、香櫨園浜の浜辺は、鳥獣特別保護区もあり、野鳥や水生生物の観察、市民の貴重な憩いの場ともなっている。県によるヘドロ調査や実証実験施設をつくっての水環境再生実験もおこなわれたが、その結果も生かし、県と共に、ひきつづきヘドロの排出や養浜、浜をつなぐ海流の復元に取り組むなど、干潟、自然浜、海の再生をはかること。
- 公園整備について
- この間、公園整備は進んでいない。特に、街なかに公園を新たに確保すること。また、公園を整備あるいは改修するときは、利用者の意見を取り入れること。
- 西宮浜北護岸と御前浜を総合公園として一体整備する計画は、2015年度以降の整備予定である。地域住民の声も反映させ、早急にすすめること。暫定開設されたスケートボード場は本格整備し、ナイター設備を早急に設置すること。
- 地域住民の要望にこたえ、早急に堀切町市営住宅跡地全体を公園整備すること。
- 公園の維持管理について
- 緑の確保、環境保全、市民の憩いの場、また緊急避難所として公園は重要な役割を果たしている。市民参加を大切にしながらも、公園の維持管理についての予算を大幅に増額し、最終的には管理者である市が責任を持って管理すること。
- 全市的に公園の傷みがすすんでいる。老朽化した遊具やベンチ等でのケガを防止するため、おもいきって予算を増やし、一斉改修を行うなど、公園の再整備をすすめること。特に、必要なところは、新しいものと取り替えること。
- トイレについても順次改修し、要望のあるところでは、設置すること。身障者用のトイレも整備すること。清掃回数を増やすなど「きれいなトイレ」をめざすこと。
- 滑り台やブランコについては、雨で水溜りができないよう定期的に対応すること。また、子どもが増えていることから、安全で衛生的な砂場が確保すること。