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佐藤みち子の一般質問
2010年09月02日

保育所待機児童解消について


西宮市の今年4月の保育所待機児童は、昨年より87人増の310人でした。5月は353人、6月405人、7月463人、8月503人と毎月40人?50人増えており、このまま推移すれば来年の3月末には、待機児童が800人?900人になると思われます。
日本共産党市会議員団に、大阪に住んでいる女性から「息子夫婦のことで」と相談がありました。「小学生と1歳の子どもがいる4人家族。息子の給料が月額18万円、民間マンションの家賃が10万円で生活が大変。市営住宅に入れないだろうか。また、1歳の子どもを保育所に入れたい」と、切羽詰まった相談ですがどちらも今すぐには解決できません。一人ひとりの家庭事情は深刻です。
日本共産党市会議員団は、保育所待機児問題を重視し毎議会、保育所の増設を繰り返し質問してきました。今年度は、国の「安心こども基金」で、新たに賃貸物件を活用しての保育所の増設も盛り込まれましたが、未だに実現に至っていません。喫緊の問題として健康福祉局まかせでなく全庁あげて取り組むよう再三求めてきましたが、この7月ようやく都市局、教育委員会、管財課、健康福祉局でプロジェクトチームができたとのことです。
さて、民主党政権は、地域主権改革と称して、国が定める保育所最低基準を地方条例に委ね、保育所を増やさないで今よりもさらに子どもを詰め込むことによって、待機児童解消を可能にする方向を打ち出しました。このことを前提に2010年6月、「子ども・子育て新システムの基本制度要綱」を決定、幼稚園と保育所を「こども園」に1本化する新しい制度をつくろうとしています。このシステムは、現行保育の公的責任を全部なくすものです。
この制度になれば、市町村は保育の必要量の認定と保育サービスの利用料補助をするだけになり、保育所整備義務もなくなります。保護者は自分で「こども園」を探し、直接契約を結ぶ方式に変わります。保育料も収入に関係なく、保育時間が長いほど保育料が高くなり、滞納すれば退所させられる恐れがあります。保育料を徴収するのも事故の責任を負うのも、個々の「こども園」です。
新システムの狙いは、保育をお金で買う商品に変え営利企業を参入させようというものです。菅内閣は「子ども・子育て新システム」を来年の通常国会に法案を提出しようとしていますが、保護者・保育士等の保育関係者からは、「公的保育制度の戦後最大の危機」と大きな批判の声があがっています。
今国がしなければならないことは、待機児童を解消するために保育所の整備計画をつくり、地方自治体に財政を支援し認可保育所を増やすことです。

<質問>

  1. 8月1日現在の待機児童は、0歳児113人、1歳児185人、2歳児122人となり、3歳児は76人になっています。昨年、3月の待機児童は963人で98%が2歳以下でしたが、今年度は3歳児の待機児童が増えています。この原因は何でしょうか。

  2. 今年度も夙川地域の待機児童が、8月1日で100人となり、地域別では1番たくさん待機児童がいますが、住所地との関係はどうなっているのでしょうか。

  3. 6月議会杉山議員の質問で、市は「9月議会に保育所待機児童解消計画を報告する」と答弁しました。計画の中身についてお聞きします。

  4. 2011年4月には、保育所定員を浜町で60人、津門川町で60人、賃貸物件を活用して60人、待機児の多い夙川地域で90人、当初予算、上大市地域で120人合計390人整備するという計画ですが、この計画の進捗状況はどうなっているのでしょうか。
    津門川町の新設保育所整備では、住民さんとの話合いがまだできていないと聞きますが、現在どうなっているのでしょうか。また、今津港町の保育所整備については、6月議会で改めて検討していると答弁がありましたが、その後どうなっているのでしょうか。
    交通公園内にある建物を活用しての分園整備はどうなっているのでしょうか。

  5. 今年度は、2か所分園が整備されました。今年度は、年度途中でも開園可能になる賃貸物件を改修しての分園も計画されていますが、思うように進んでいません。この原因はなんでしょうか。

  6. 市は、公立保育所の分園整備は多額の一般財源を必要とすることから無理だとの答弁を繰り返しています。これは2004年に公立保育所の運営費が一般財源化されたことにあります。短期間で待機児童解消のために保育所を早急に整備しようとすれば民間任せでは進みません。保育所待機児童を早期に解消しようと考えるのなら市の一般財源で公立保育所の分園を具体化するのが1番早い方法だと思います。市長の見解はどうでしょうか。