佐藤みち子の一般質問/* --項目挿入-- */?>
2010年09月02日
児童虐待問題について2009年度の全国の児童虐待件数は、4万4210件となり、虐待件数はこの10年で4倍になっています。 2009年度の西宮市の児童・母子支援グループが対応した相談件数は1088件、県子ども家庭センター、学校、幼稚園、保育所、親族等から相談や通報があるとのことです。そのうち虐待相談件数が542件です。その中身は、身体的虐待180件(33%)ネグレクト(育児放棄)240件、心理的虐待117件(22%)性的虐待5件(1%)となり、虐待件数が全相談件数の50%、全国同様ネグレクトが多くなっています。市では、2007年447件、2008年475件と年々虐待件数が増えています。 虐待の対応は、県の西宮子ども家庭センターと児童・母子支援グループの両方で行っています。通報があった場合兵庫県では、24時間以内に子どもの安否確認をすることになっています。困難度の高いケースや保護を必要とするケース等を子ども家庭センターが対応し、比較的軽い在宅での援助が適当と判断されるケースについては、要保護児童対策地域協議会を活用して援助する仕組みになっており、2009年度は、80回の検討会議が行われています。児童・母子支援グループには3人の家事相談員が配置され、子どもや親への援助、福祉支援のコーディネート、今後の支援について対応策を考える等の仕事をしています。 また、保建所では、乳幼児健診未受診者に虐待やその恐れがある人が多いと言われているため、4か月、1歳半、3歳児健診で未受診者を対象に訪問活動をしています。 子ども虐待に係る全国レベルの調査や多くの重大事例の検証報告などで、子ども虐待が生じる家庭背景には多くの共通要因が存在して虐待にいたることがわかってきました。基本的な要因として、生活の継続的困窮、家族の社会的孤立、親の精神・人格的未熟性があります。そこに、連れ子再婚、ひとり親家庭、夫婦不和、育てにくい子等の付加的要因が重なり、密接に絡み合って虐待がおこると言われています。この10年間で虐待が4倍にもなっているのは、日本社会に虐待を発生させやすい要因が広がっていると考えられ、ただ単に子育て支援を強化すればいいというものではありませんし、親の個人的責任や虐待している親を厳罰化にしてすむ問題ではありません。 西宮市では、7月から中学3年生まで医療費が無料になり、公立高校の授業料が無償になりました。高すぎる保育料や幼稚園の就園奨励の拡充、義務教育の無償化等など教育や保育費の軽減。親の長時間労働をなくし、経済的に不安的な非正規雇用をなくしていく、待機児童を解消していく等、社会的に子育てを支援していく体制をつくることが政治や行政に求められています。 今年の7月末、大阪市西区のマンションの1室で、3歳と1歳の幼い姉弟が死亡するという痛ましい事件が起きました。逮捕された母親は昨年5月に離婚。風俗店で働きながら子育てをしていましたが徐々に子育てが嫌になりネグレクト(育児放棄)に陥ったと報道されていました。通報を受けた大阪市の児童相談所の対応がどうだったかが問われているところです。 この事件もあり、厚生労働省は、8月26日に全国児童相談所長会議を開いています。虐待を疑う通報を受けた場合「子どもの安全を確認する」ことを強調しました。関東地方の児童相談所長は、「早期の安全確認は大事だ。ただ、相談件数が多く物理的に難しい。児童福祉司の増員など体制整備が必要」と話しています。法整備が進んでいますがそれに見合った条件整備が追いついていないことが問題です。 <質問>
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