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上田さち子の一般質問
2010年09月06日

小・中学校の少人数学級への動きと開発行政について


7月26日、文部科学省の中央教育審議会初等中等教育分科会が「今後の学級編成及び教職員定数の改善について」と題した提言を発表しました。この提言は、個々の子どもに応じたきめ細かな指導の必要性、生徒指導の課題の複雑化などをあげて、学級規模を小さくすべきとして「30人または35人に見直すべきとの意見が大勢」であることから、小学校低学年については一層の引き下げをと求めています。これを受け文科省は、来年の通常国会に関連法案を提出する予定と報じ、8月24日には、2011年度からの8年間で教員定数を約2万人純増させる方針を決め、11年度予算の概算要求に初年度分の人件費を盛り込みました。日本共産党国会議員団は8月4日、来年度予算編成に学級規模の引き下げを「30人学級」への移行として盛り込むことを提案しましたが、自民党やみんなの党が、「教員の政治活動の全面禁止」をかかげ、「これをのむかどうかが、少人数学級実現の前提条件」と、筋違いの攻撃で国民の願いである少人数学級の流れをとめる動きがあることは、とんでもないといわなければなりません。
いま、長年の国民の要求が実るかどうかの節目を迎えています。現在、兵庫県では小学校4年生まで35人学級を実施しており、今回の義務教育全期間を通じ、少人数学級を実施することで、さらに子どもたちの教育環境が大きく改善されることを強く期待するものです。
さて、西宮市は依然として人口増が続いており、児童・生徒増による教室不足がいまでも深刻な事態です。6月議会の市長の所信表明でも、子どもたちに質の高い教育を提供し「夢はぐくむ教育のまち西宮」の実現をめざすと力説されましたが、西宮市にとって中教審の提言通りに進めば、少人数学級対策は待ったなしで求められます。この西宮市の教室不足という特殊な状況を招いた根本原因は、震災後に実施したマンション開発の規制緩和にあることは、この間、日本共産党議員団が指摘してきた通りです。保育所の待機児童解消問題については、先に佐藤議員が取り上げたとおりですが、このたび保育グループが作成した資料では、保育所待機児の多い住所地域と教室不足を生じている地域、そしてマンション開発との関連が、大きく関係していることが明らかとなりました。

<質問>
  1. 今回の中教審提言についての評価と、その実現への期待について教育委員会の見解をお聞きします。

  2. 提言通りに進めば、西宮では教室不足はどうなるのでしょうか、また、その対応策についてはどうか。

  3. 今回、保育グループが作成した資料によると、待機児が集中している住所地は香枦園・浜脇地域が顕著となっています。少人数学級の実施に齟齬のないよう、また、保育所待機児の状況も分析し、マンション開発規制の強化は、直ちに実施すべきと考えるがどうか。