9月15日本会議において、日本共産党西宮市会議員団は「国会議員の定数についての意見書(案)」を提案しました。
同意見書案は日本共産党市会議員団以外は反対し、賛成少数で否決されました。なお、西宮グリーンクラブと市民ネット・虹は退場し、採決には加わりませんでした。
杉山たかのり議員の賛成討論を以下に掲載します。
杉山たかのり議員の賛成討論
ただいま上程中の意見書案について、日本共産党西宮市会議員団は提出者でもあり、2件もいずれも採択すべきとの立場から賛成をいたします。
私からは、意見書案第44号「国会議員の定数についての意見書提出の件」について、意見を申し上げます。
国会議員の定数については、各政党はそれぞれの考え方を持っておられます。
比例定数削減については、私ども日本共産党だけでなく公明党、社民党も反対をされています。自民党の石原伸晃氏はテレビ討論で「少数政党に不利な比例部分だけを削るのは反対」と発言されていますし、みんなの党の渡辺代表も「比例だけ削減するとかいうのはダメです」と述べられています。
意見書案でも紹介されていますが、地方紙も、厳しく批判している通りです。
神戸新聞7月9日付け社説の一部を紹介します。
国会議員は多すぎるという共通認識でもあるのだろうか。多くの党が議員定数の削減を公約に掲げ、その数を競っている。
民主党は、衆院比例を80減、参院は40減を掲げる。たちあがれ日本も衆参ほぼ同じ削減幅で計600とする案を示す。
自民党は、6年間で衆参全体を3割減らし計500に。みんなの党は衆参計400とし、将来的に一院制を目指す。新党改革は国会議員の半減を訴える。
公明党は、衆院に「新しい中選挙区制」を導入するなどの選挙制度改革を定数削減の前提とした。その点では、小選挙区制度廃止をとなえる改革、衆院を中選挙区制に変えるたちあがれの主張とも共通する。
削減論に対し、「少数会派の切り捨てにつながる」などと正面から反対するのは、共産、社民両党ぐらいだ。
いまでも、日本の人口に対する国会議員数は主要国と比べてけっして多い方ではない。
財政再建が争点化する中、有権者の厳しい視線を意識して、政治家が「自ら身を切る」姿勢をアピールするのは結構だ。だからといって、一斉に減数競争に走るのは、あまりに短絡的ではないか。
国会議員の数は、選挙制度や二院制のあり方、国会の機能強化を議論する中で決まる。こうした議論が尽くされていない中で人数を減らしても、一人一人の質が高まる、という保証はどこにもない。
いま各党が切磋琢磨(せっさたくま)すべきは、国会審議の活性化や議員の質を高める方策だ。国会が放置してきた「1票の格差」の早期是正も当然、視野に入れなければならない。
衆院比例の削減は、特に慎重な議論を要する。当選者が1人の小選挙区制は、多くの「死に票」が出る。それを補うための比例代表が削減されれば、小政党が懸念するように「多様な民意」が削られるという結果になりかねない。
国会議員が本気で「身を切る」つもりなら、議員特権の返上、歳費の大幅カット、政党交付金の縮減など、公約に掲げなくても、手だてはいくらでもあるはずだ。
私も、まったくその通りだと思います。この意見書案も基本的にはこのことも示しています。
国会議員の定数削減そのものが、民意を削ることになるのですが、比例定数のみの削減となると、同時に、少数政党を排除し、比較第1党が4割程度の得票で、議席の3分の2以上を衆議院で占めることになります。このとのは、仮に参議院で否決された議案でも衆議院で再議決することができる。つまり、事実上、比較第一党が、形の上ではどんな法案でも通すことができる。国民が反対する法案でも通せる政治状況を選挙制度で作り出すことになります。それを現在の第一党がやろうということです。
まさに、民主主義の危機であります。
昨日、民主党の代表選挙も終わり、菅首相が代表に選出されましたが、引き続き民主主義にとって大きな障害になるでしょう。
民主主義を擁護するよいう意味で、この意見書は直ちに採択するべきであります。
以上、日本共産党西宮市会議員団の賛成討論といたします。