佐藤みち子の一般質問/* --項目挿入-- */?>
2011年02月25日
保育所待機児童問題と子ども・子育て新システムについて保育所待機児童を解消することは全庁あげての取り組みであると、昨年7月に保育所待機児童対策室を設置し、保育所事業グループから専任職員を2名、都市局、総務局、教育委員会からは兼任で計12名の職員が配置されました。早期の保育所待機児童解消を目指して頑張っていただきたいと思っています。 さて、保育所待機児童は年々増え続け、2009年4月は223人、2010年4月は310人。今年の1月には883人になりました。日本共産党市会議員団は、この問題を重視し待機児童解消のために空き店舗など賃貸物件の活用、民間保育所の分園だけでなく公立保育所の分園、中長期的に市有地を活用し、認可保育所の整備で待機児童の解消をと提案してきました。今年の1月初めて市庭町に賃貸物件を活用した民間保育所の分園が開設しました。今年の4月は民間保育所、保育ルームなど合わせて240人の定員増となりますが、それでも昨年4月の待機児童数を上回ると予測されています。 市長の行政方針ではさらに民間保育所の整備を進め来年度は、529名の定員増を図るように取り組んでいくとしています。 さて、民主党政権は、2010年6月「子ども・子育て新システム」の基本制度案要綱を発表し、今国会に法案を提出しようとしています。この基本要綱の背景にあるのは、経済産業省「産業構造ビジョン2010」です。「事業者が互いに切磋琢磨することで、公的助成を抑制しながら保育サービスを質・量ともに拡大する道が開ける」と保育・子育てサービスで稼ぐことが明記されています。マスコミは、幼保一体化が待機児童解消の切り札であるかのように報道していますが、新システムの真の目的はそうではなく、幼保一体化に名を借りた就学前保育・教育の一体的市場化であり、この際、幼稚園教育のところも一気に市場化してしまうことが経済界の大きな狙いです。 新システムでも保育所・幼稚園は残ります。しかし、専門家からは大きく4点のことが指摘されています。第1に、新システムでは、認可制度ではなく指定制度が導入され、企業参入を促すため、指定基準が大幅に緩和されて、保育水準がいまより低下する可能性があります。第2に、新システムのもとでは、市町村の保育の実施義務は消滅し、市町村は認定だけを行い、保護者が自分で「こども園」をさがし直接契約をすることになり、公的責任が大きく後退します。公的責任による施設整備の途が完全にとざされます。第3に保育時間単位の個人給付となり、保育料も応益負担となるため、とくに低所得世帯の子どもが「こども園」を利用できなくなります。第4に「こども園」の運営が不安定となり、保育士など保育労働者の労働条件が急速に悪化し、非常勤化や給与が減ることになり、保育の質が低下することにつながります。現行法にもとづく保育所・幼稚園ではなくまったく新しいものになります。そのため新システムの管轄は文部科学省や厚生労働省ではなく当面は内閣府におかれます。将来的にはこども家庭省を作って担当するなどと言われていますがこれは確定ではありません。長年築いてきた公的な保育所・幼稚園は実質的に消滅します。 今、子育てをしている人で幼稚園と保育所が分かれていることにどれだけの人が不便を感じているでしょうか。日本共産党は新システムに反対です。全国的に見れば短期間で制度を変えなければならない状況ではありません。保育所待機児童は、首都圏(埼玉・千葉・東京・神奈川)近畿圏(大阪・京都・兵庫)の政令市・中核市、その他地域の政令市・中核市で84.1%を占めて、都市部で多くなっています。これは保育所を増設すればすむ話です。 「『子ども手当』よりも安心して子どもを預けることができる保育所を増やしてほしい」と、子育てをしている方たちが切実に訴えています。 日本共産党は、2010年4月30日「待機児童問題を解決し、安心して預けられる保育を実現するために」と緊急提言を出しました。待機児童問題が深刻となったのは1998年からですが2008年までの10年間、全国で認可保育所がわずか571カ所しか増えていません。同じ10年間で1970年代には約8000か所増やしました。必要な認可保育所を建設してこなかったことが、現在の待機児童急増の原因です。年間10万人分の保育所建設に必要な予算は1400億円です。国がやる気になればできない金額ではありません。 西宮市では、2000年から2010年までの間で保育所分園を含んで16か所増設され、1070人の定員増を図ってきました。しかし、保育所待機児童解消にはいたっていません。 <質問>
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