2011年3月議会/* --項目挿入-- */?>
2011年03月22日
「食肉センター指定管理者指定に関連する3議案」に対する杉山たかのり議員の反対討論
3月22日、3月定例会最終日、本会議で各議案が採決されました。食肉センターの指定管理者指定に関連する3議案について、日本共産党は、市民に寄与しない食肉センターへの一般会計からの繰入とともに、指定管理者の事業者そのものが、ふさわしくないことをあきらかにして、反対をしました。日本共産党市議団と市民ネット・虹以外は賛成したため、採択されました。
以下、杉山たかのり議員の反対討論を紹介します。
「食肉センター指定管理者指定に関連する3議案」に対する反対討論
ただいま上程中の諸議案のうち、議案552号2010年度西宮市食肉センター特別会計補正予算(第2号)について、日本共産党西宮市会議員団は反対をいたします。
同議案は、この後、日程第4で上程される、議案第571号指定管理者指定の件(西宮市食肉センター)、議案第572号指定管理者指定の件(西宮市食肉地方卸売市場)と関連する議案です。この2議案についても、日本共産党西宮市会議員団は反対をしますので、ここであわせて理由を述べたいと思います。
この3つの議案は、西宮市が、西宮市食肉センターおよび、食肉地方卸売市場を、指定管理者制度で運営し、存続させるものです。
食肉センターについては、市民になんら寄与しない事業にもかかわらず、毎年多額の一般会計からの繰り入れを行い、これ以上の市の財源投入はするべきではないとの理由から、兵庫県への移管、完全民営化、それができない場合は廃止するという検討委員会の「提言」が、市当局も議会与党会派も、いつの間か、後景に追いやり、存続、指定管理者制度の継続という流れが作り出され、キャンフォラを3年間指定管理者として指定する内容となっています。補正予算では、債務負担行為の2011年度から2013年度の期間、7億3800万円の指定管理料限度額が盛り込まれています。
食肉センターは、設置から長期間たっているため、起債の償還額は少なくなっているものの、老朽化による施設更新やその他施設継続による新たな整備など、多額の整備事業費が、この間、毎年のようにつぎ込まれています。
新年度以降、存続して、一般会計から財源を繰り入れること自体を認めることはできません。日程第2で2011年度西宮市食肉センター特別会計予算に反対をしています。
同時に審査の中で、指定管理者そのものについても、問題アリだといわなければなりません。
指定管理者に指定された事業者は、キャンフォラです。すでに、2008年度から3年間、指定管理者となっています。キャンフォラは、利用業者が出資して設立した会社です。
今回の選定では、公募にしなかった理由として、「利用業者が設立した会社であるので、と畜場及びと畜業務に精通しており、単に効率だけを求めるだけではなく、施設の設置目的にかなった適切な維持管理と運営に努めることが大いに期待できる」としています。また、選定理由についても、「施設を利用してきた利用業者が出資し設立した会社でもあるので、施設の特殊性について十分な理解をしており、その理解を踏まえたうえで、施設の適正な管理運営にのぞむ姿勢がうかがえ、公平な利用、周辺との関係、個人情報の取り扱い、情報の公開など公の施設を運営するうえで、基本的な方針も適切である」としています。
簡単にいえば、施設を利用しているものが管理するのだから、施設の事をよく知っているので大丈夫だということです。
さて、包括外部監査の結果報告で、食肉センター使用料の滞納があるということが報告されています。議案審査のため、これについて調査をしました。
1事業者が昨年1月から3月までの3ヶ月間に約546万円を滞納、半年後の10月から10回での分割納付をしています。
滞納のあった2009年度の使用料徴収業務は西宮市に、2010年度からは指定管理者の業務となっています。
その間、約9ヵ月間、なんら利用に対する制限はありません。一般市民なら、どんな理由があったとしても、滞納期間や滞納額によっては、市は許しません。市営住宅家賃を滞納すると退去させられます。水道料金では水を止められます。国民健康保険料では人間ドック助成を受けられません。なんらかの制限を課すのが市当局のやり方です。ところが、なんら制限を課すことがなかったのです。
この利用者は、食肉センターの最大の利用者で、キャンフォラの出資者の一人です。
わずか3か月で550万円近い滞納がでているのに、現場での判断にとどめ、担当課に報告があったのは出納閉鎖期間になってようやく、とのことでした。
つまり、食肉センターは、多額の使用料を長期間、払わなくても、問題にもならない施設であるということになります。市は利用業者を特別扱いしているのです。非公募と選定の理由として、さきほど明らかにしたように、利用する側と管理する側は、事実上一体、市当局の使う言葉で言いますと、利用業者と指定管理者は、一心同体、ですから、このような事態が生じるのです。
営利目的の利用業者がその施設を管理する。これでは、市は野放し、利用業者はやりたい放題ではないですか。
このような事が知らないところで起こっているのに、どうして施設の管理を任せることができるでしょうか。
しかも、厚生常任委員会で、指定管理者選定委員会に内部委員として審査した市職員にこの選定委員会ではこのことについてどんな審査をしたのか聞くと、「このような事実は初めて知った」と、指定管理者として、あきらかに妥当性がないことを示す事実を隠して、キャンフォラを選ぶという、市の姿勢は大問題です。
そもそも、食肉センターを指定管理者制度で存続させることが、問題なのに、指定管理者もそれにふさわしい事業者とは言えません。
よって、議案第552号2010年度西宮市食肉センター特別会計補正予算(第2号)、および、日程第4の議案第571号指定管理者指定の件(西宮市食肉センター)、議案第572号指定管理者指定の件(西宮市食肉地方卸売市場)についても、あわせて日本共産党西宮市会議員団の反対討論とします。