2012年度当初予算編成に対する申し入れ/* --項目挿入-- */?>
2011年08月30日
総務局
- 自民党政権時代の「地方分権改革」に続く民主党政権による「地域主権改革」では、自治体の自己決定や自己責任を原則にし、自治体に自主性・主体性を持たせようとするといわれているものの、財源措置が十分されないなど課題が多い。(総合企画局1、を参照のこと)
- 「一括交付金化」しようとしている、いわゆる「ひもつき補助金」の圧倒的部分は、法律で国の負担が義務付けられている福祉・教育関係費である。福祉や教育に対する国の責任を後退させず、かつ、必要な財源を保障させること。
- 地域主権改革一括法によって、これまで法で規定してきたものを、改めて自治体の条例で規定する必要が生じている。その際には少なくともこれまでの内容を後退させないようにすること。
- 政府は、震災復興を理由に庶民増税を画策し、その一方で大企業や大金持ちには減税を行おうとしている。また、「社会保障・税一体改革」で2010年代半ばまでに消費税を段階的に10%にまで上げる方針を発表した。これらが強行されれば、今でも深刻な市民の生活がいっそう破壊される。国に対し反対の意思を示すこと。
- 長引く不況で、ひきつづき失業や中小業者の廃業も増え、市民生活がますます厳しくなっている。以下の項目に取り組むこと。
- 市の財政は、税収が減っても地方交付税等で一定補てんされるしくみとなっている。むだ使いをしなければ安定した財政であり、財政健全化を理由に市民サービスの切り捨てを強行しないこと。
- 市独自の市民税減免措置を拡充すること。
- 税を軽減するため、障害者控除や寡婦控除などの該当者に対し、確定申告を積極的に周知徹底すること。特に、年金から介護保険料や後期高齢者医療保険料の天引き対象となっている高齢者で、税の軽減対象になる人には、確定申告を促すよう文書を送付すること。
- 固定資産税についても支払いが困難な市民が増えている。自己使用の住宅について、他市では就学援助金を扶助とみなし固定資産税を減免している事例もある。市でも減免制度を創設すること。
- 戸建住宅であれば、私道でも固定資産税減免の制度がある。一方、分譲マンション内の同様の通路には適用がなく不公平な扱いとなっている。公道につながる敷地内通路を公衆用道路あつかいとし、免除対象とするなど課税の見直しを行なうこと。
- 都市計画税は、市民生活に直結する都市基盤整備のための目的税であるが、西宮市は都市基盤整備が一定整っている街といえる。都市計画税については、負担軽減へ税率の見直しを行うこと。
- 公共工事に限らず、業務委託や指定管理者による施設の維持・管理などで、低価格で受託する事業者が増え、そこに働く労働者が、低賃金でしわ寄せを受けている。公共事業において、「ワーキングプア」を作りだし、「安かろう、悪かろう」がまかりとおってはならない。公共工事・サービスの質の向上とともに、従事労働者の適正賃金など処遇の改善が求められている。その際には公共サービス基本法第11条や2010年12月の総務省通知(総合企画局2、(2)参照のこと)の立場を踏まえ、以下に取り組むこと。
- 市では「公契約条例」プロジェクトチームがつくられ調査・研究が始まり、2012年3月までに「公契約条例」の可否について判断するとしているが、早期に条例を制定すること。
- 一般競争入札に総合評価方式が導入されているがその評価項目や、指定管理者指定の際の評価にも「労働者の賃金など労働条件確保」などを取り入れること。
- 市発注の公共工事は、市民生活の向上はもちろんのこと、あわせて地元中小零細企業の育成=仕事づくりという観点から取り組まれるべきである。不況の下で、特にその期待は高まっている。引き続き、市内の中小業者に優先して発注できるよう、努めること。
- 市発注の一定金額以下の修繕工事等に、市の競争入札参加資格のない市内業者に直接発注する「小規模修繕契約希望者登録制度」が2006年7月導入された。年々、件数・金額とも増加しているが、さらに制度の活用を広く庁内に徹底し、中小零細業者の仕事づくりを進めること。また、金額については、09年4月より1件50万円未満に引き上げられたが、さらに150万円未満に引き上げること。
- シルバー人材センターに対しては、地方自治法施行令第167条の2第3号を適用し、随意契約を行っているが、その他の高齢者や障害者を雇用する団体は競争入札で仕事が減り、従事者の給料も減額されている。シルバー人材センターだけでなく、他の団体も配慮すること。
- 土地開発公社の健全化を図るとして、2011年度に市はいわゆる塩漬け土地を一気に買い取った。購入した土地の一部は福祉施設に活用されるが、その他の土地についても有効活用を図ること。
- 公務員削減がおこなわれ、人員不足で休暇もとりにくい状況が広がっている。また、西宮市でも職員の3分の1が、臨時、嘱託など非正規雇用となっている。市全体で超過勤務が増えているが、正規職員を増員すること。
また、嘱託調理員、嘱託介助員、嘱託看護師、老人ホーム嘱託職員、嘱託司書などの常勤的非常勤職員は、労働時間数に違いがあるだけで労務内容は正規職員と変わりがない。同一労働・同一賃金の原則を取り入れること。
- 職員人事について
- 職員の昇任・配置については、能力や指導力に応じて適材・適所、公平・公正に行なうこと。
- 初めて局長級に女性管理職が誕生したが、女性の管理職登用率は5.82%と、依然低い。働きやすい勤務環境をつくり、女性管理職登用率を引き上げること。
- 障害のある人の雇用については、毎年継続して取り組んでいるが、視力障害者の採用についてはまったく積極性にかけている。早急に職域の開発を行うこと。
- 技術職などの人材育成を進め、市民サービスに影響が出ないようにすること。
- 長期にわたる病気休業が見受けられる。特に、メンタルケアの必要なケースが多くなっている。職場環境の点検や人的配置、人事管理を適正に行なうこと。また、職場への復帰支援も十分におこなうこと。
- 市では男性の育児休業取得率が低い。職員を増員する等、男性も女性も育休をとりやすい職場環境をつくること。
- 市施設について
- 多くの施設が建築から相当年が経過し、計画的な維持補修工事や建て替えなどが必要になっている。一方で、事業費の抑制も求められているとして、全庁的な「公共施設全体の最適化」―公共施設マネジメントを推進するとしている。すなわち、施設の長寿命化、機能再編、利用の効率化をはかり、改修等での財政負担も平準化しようとするものである。その第1段階として「西宮市公共施設白書」が作成され、公表された。今後、2012年度から13年度にかけ基本方針を検討し、以降具体的な計画を検討するとしているが、その際には、各所管局や住民・利用者の意見を十分聞き、特に、公民館や市民館等の施設再編(統廃合)は強行しないこと。
- 高齢者や障害のある人も施設を利用している。エレベーターの設置をはじめ、スロープや手すりの設置など、全ての施設のバリアフリー化を早急に取り組むこと。
- 市役所庁舎の北東の出入り口(国保、年金等の窓口の近く)は、一階では唯一自動ドア未設置となっている。利用者の利便性を考慮して早期に改善すること。
- 東館公共駐車場について、現行30分無料だが窓口での待ち時間も長く、市役所利用者には短すぎる。少なくとも1時間は無料とすること。
- 松山市では、子ども連れで市役所に来る人のために、保育士を配置した「キッズルーム」が庁舎内に設置されている。議会傍聴者も利用できるようになっている。保育所の入所申し込みなど、子連れの人も多くなっている。他都市の状況も研究し、庁舎内に「保育施設」を設置すること。