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2012年度当初予算編成に対する申し入れ
2011年08月30日

市民局



  1. 窓口業務および証明書発行業務について、市民が利用しやすいよう以下改善すること。

    1. 本庁窓口業務におけるワンストップサービスの充実が進められているが、さらに業務範囲を拡大し、市民サービスの向上を図ること。

    2. 住民基本台帳ネットワークは、個人情報保護にたいして不安が多く残されている。拡大、推進に当たっては、個人情報保護を最優先にしながら慎重にすすめること。始まった「コンビニ交付」については、個人情報管理の上で問題が起こらないよう、厳格、慎重に対応すること。

    3. アクタ西宮ステーションについては、現在、平日の時間延長、休日開設をしている。取り扱える業務を拡大すること。

  2. 地域の集会施設について

    1. 地区市民館や共同利用施設は、エレベーターの設置、トイレの改善(男女分離)など障害者なども含めて誰もが使いやすい施設となるよう改善を進めること。老朽化により、そのままでは施設改善ができない施設については、大規模改修や建替えも含め、改善計画をたて、すすめること。

    2. 甲陽園市民館は、日曜日開館の要望がある。地元との話し合いを重視しながら、地区市民館開館日と開館時間を、全市同一基準で運営されるよう、市当局のイニシアチブを発揮すること。

    3. 地域集会所の設置要望は強く、現在15団体が、市の設置助成の要望を出している。しかし、西宮市地域自主管理集会施設整備助成要綱では、工事費の3分の1を自己資金として確保しなければならず、地域集会所の設置がすすんでいない。助成要件を緩和すること。
      あわせて、すでに設置された集会施設の増改築も考慮し、予算を増額すること。

  3. 労働問題とセーフティネットの体制強化について
    1. 貧困と格差が広がり、年収200万円以下の「ワーキング・プア」といわれる労働者が、1000万人を超えるようになっている。しかも、違法・無法な「非正規切り」や工場閉鎖にともなう強制配転や退職強要など、急激な「円高」ともあいまって、雇用情勢は、ますます深刻の度を深めている。いま、「人間らしく働ける」ルールの確立が求められる。市は、国に対して、労働者派遣法の改正にあたっては、抜け穴のない製造業派遣と登録型派遣の原則禁止、派遣労働者の保護をもりこんだ改正法となるよう抜本的な改正を求めること。また、「サービス残業」を含む長時間労働の是正、最低賃金については大幅な引き上げ(1000円以上)を求めること。

    2. 失業者に対するセーフティネットが有効に働いていない。その要因は、適用対象者が限られていることと、その不十分な制度さえ周知がされていないことである。セーフティネットの拡充を国に求めること。政府関係機関などとも連携しながら、労働問題にも対応できる総合的な労働相談窓口を市に設置し、就労支援活動を強化すること。

    3. 雇用創出にも活用できる国からの交付金が、雇用に使われていない実態がある。交付金が「雇用」に活用できるようにしておくこと。

  4. 中小企業勤労者福祉共済は、市内で事業を行っている常用従業員が300人以下の事業所を対象にパートタイマーも加入できるようになっているが、未加入事業所が多く残されている。300人超の事業所についてもパートタイマーについては加入できるようにすること。また、市の予算を引き上げ、共済事業の内容を魅力あるものにするなど、加入を促進すること。

  5. 勤労会館、青少年ホーム、サンアビリティーズの3施設は、直営を堅持するとともに、受付を一元化すること。また、勤労会館の空調設備は特に悪く、改善すること。

  6. 消費者行政について
    消費者運動が進む中、消費者庁、消費者委員会が2009年9月発足、この間、西宮市でもとりくみが強化されてきた。しかし、一方では、消費者被害は増え、食の安全もおびやかされている。よって、次の点について取り組みを強化するよう要望する。
    1. 消費生活センターそのものについての広報活動を強化するとともに、情報提供をより充実させること。相談内容の複雑化や多様化、さらに、関係法令のさまざまな改定により、窓口業務と相談員の業務が量においても質においても増大している。消費者環境が悪化しているという客観状況に対応できるよう相談員を増やすなど、体制をいっそう強化すること。

    2. 原発事故の影響もあり、食の安全がおびやかされている。保健所とも連携を強め、消費者へのすばやい情報提供をすること。

    3. 改正貸金業法が昨年6月施行され、多重債務者や被害が減少してきている。自治体でも、この変化に応じた、多重債務問題へのとりくみの拡充が必要である。市では、独自の相談窓口や「対策協議会」が設置されているが、とくに、公共料金の徴収や各種相談をつうじての多重債務者の発見を重視し、各部局との連携を強化し、問題解決にその機能を十分発揮できるようにすること。

    4. 教育委員会とも連携し、学校での体系的な消費者教育をすすめること。とくに、高校教育のなかで、多重債務問題の学習や各種セーフティネット案内など、実施できるように働きかけること。社会教育活動として、地域の住民や団体を対象にした自主的な消費者教育・運動への支援をすすめること。

  7. 公的医療制度のある国では、窓口3割負担は日本だけである。OECD30カ国のうち15カ国が窓口負担が原則無料、2カ国が少額の定額制となっている。国の制度として、少なくとも75歳以上の高齢者と、中学校卒業までの子どもの医療費負担を無料化するよう求めること。また、県に対しても、同様のことを要求すること。

  8. 福祉医療費の助成制度について
    1. 2009年7月から改悪された県の福祉医療助成制度を、改悪前の元に戻すよう県に求めること。また、あらたな行革による重度障害者・乳幼児等・こども医療助成制度の「所得合算」による制限強化をしないよう県に求めること。

    2. 市が実施している中学3年生までの子ども(乳幼児等)医療助成制度は、所得制限をなくすこと。

    3. 75歳以上の高齢者の医療費窓口負担を無料にするための福祉医療助成制度を市として創設すること。

    4. 老人医療費助成制度は、一部負担金が限度額を超えると申請により払い戻され高額償還払いとなっている。限度額を超える部分について、窓口での支払いを不要とする受領委任払い制度について、医療機関の協力も求めて実施すること。

    5. 後期高齢者医療制度が廃止されるまで、75歳以上の人間ドック(総合健康診断)受診費用に対する市助成制度を実施すること。

  9. 廃止が先延ばしされた後期高齢者医療制度に変わる「新制度案」は、75歳以上の大多数を国民健康保険に加入させ、都道府県単位の制度とする内容となっている。これは、後期高齢者医療制度の中身を温存させるもので、高齢者の割合が増え、医療費が増えれば保険料が値上がりする制度であり、なんら変わらない。現行制度を直ちに廃止し、一旦旧制度の老人医療保険制度に戻し、高齢者が安心して医療にかかれる制度を検討するよう、市民の意見・要望等を集約し、国に働きかけること。

  10. 国民健康保険制度について
    国民健康保険制度は、「社会保障及び国民保険の向上」を目的とし、国民に医療を保障する制度である。ところが、高すぎる保険料により、今や国民生活に追い打ちをかけ、人権や命を脅かす事態になっている。国が果たすべき責任を縮小、放棄してきたために起きている。政府は、その責任をいっそう縮小するために、国保の広域化を推進しようとしている。誰もが安心して医療にかかれる国民健康保険制度をめざし、以下のことに取り組むこと。
    1. この間減らされている国民健康保険への国の補助率を元に戻すよう働きかけるとともに、県の独自助成を増額するよう求めること。

    2. 西宮市の国民健康保険料は、住民要求を受け入れ、2008年度から、年間2億5000万円の一般会計からの繰り入れなどで一定程度抑制されている。しかし、今年度は基金を取り崩しても、平均3%の保険料引き上げとなった。今後も高騰が予測される。保険料抑制及び減免拡充のための一般会計からの繰り入れを継続するとともに、「払える保険料」まで引き下げることをめざして、繰入額を増額すること。

    3. 現在の保険料賦課計算では、滞納見込み分をあらかじめ納付見込み分に上乗せするため、保険料が割高になるしくみとなっている。滞納分は納付者の責任ではない。その分は一般会計からの繰り入れで補てんすること。

    4. 保険料の減免制度を以下のように拡充すること。
      1. 所得激減減免を前年所得金額の5割以下から7割以下とすること。

      2. 09年度から低所得者の保険料について、所得の2割を超えた分の4分の1を減免することにしたが、所得の2割を超えた分については全額減免とすること。

    5. 窓口一部負担金の減免制度は利用しやすいよう条件を緩和し、医療機関を含めさらに周知徹底を図ること。

    6. 保険料滞納者は人間ドックの受診費用に対する助成対象から排除される。分納誓約履行者については、助成対象とすること。また、現在、中央病院、健康開発センター、北口保健福祉センターの健診に限定されている助成対象を、それ以外の医療機関に拡大すること。

  11. 地域経済の活性化と中小零細企業(業者)対策について
    1. 地域経済を守り発展させるために、市内業者の意見や要望を十分に反映させた地域経済振興条例を早期に制定すること。今年度末策定の「産業振興計画」も実効性あるものとすること。

    2. 大型店の出店や退店にたいして、商業調整ができるよう、大規模店舗立地法の抜本改正を国に対して求めること。県に対して、「大規模集客施設の立地にかかる都市機能の調和に関する条例」の強化を求めること。

    3. 商業施設の開発についての「要綱」がつくられたが、用途地域によれば事実上床面積で青天井を許すような内容となっており、都市計画の特別用途地域とも整合性がない。ららぽーと、阪急ガーデンズなど市内各地で大型商業施設が出店し、小規模商店や商店街は不況ともあいまって、打撃を受けている。市内にこれ以上大規模商業施設は必要ない。この要綱は抜本的に見直し、規制を強化すること。

    4. 商店・市場の振興策としての共同施設・設備などの新設・改修に対する補助を、小規模施設については1000万円に引き上げるなど、小規模小売業者の意見も聞き、振興策をひろげ充実させること。

    5. 現在実施されている中小企業を対象にした融資制度について、無担保、無保証人融資の限度額の引き上げ、利率の思い切った引き下げ、信用保証料の市負担分について融資額300万円を500万円に引き上げるなど、借り入れ希望者が容易に借りられるよう制度の改善を図ること

    6. 市内の中小零細事業所の営業状況は、引き続き深刻である。営業を続けていくために、無担保・無保証人・限度額500万円の市の直接融資制度を早期に創設すること。また、仕入れなどにも緊急利用できる小口(30万円まで)の直貸し制度を早急に創設すること。

    7. 産業振興の観点からも、市内業者の仕事起こしとして、マンションを含む自宅・店舗の修繕・補修・改修・外壁塗装などの工事をする市民に対し、市内業者を利用した場合に工事費の一部を助成する「住宅リフォーム助成制度」を早急に創設すること。

  12. 地域農業を破壊し、日本経済にも多大の悪影響を及ぼすTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)参加に反対し、日本の農業を守る立場に立つこと。

  13. 都市型農業の育成について
    1. 74%の市民が「地産地消を推進していく必要がある」と答えている。しかし、市内で生産している軟弱野菜は、ほとんど地元で消費されずに市場などを通じて他市に出荷されている。学校給食を中心に農産物の地産地消を進めるとともに、食材提供農家に対し市場出荷分に見合う価格保障を行うこと。

    2. 引き続き、南部で直販所を開設するよう取り組むこと。また、小規模直販農家の情報を市民に提供すること。

    3. 各自治体で特色ある産物づくりが進められつつある。西宮でも鳴尾イチゴが注目されたこともあるが、農業振興や後継者づくりという点からも特産品の開発や支援を行うこと。

  14. 農業への理解・関心を高め、農地を存続させるためにも、耕作放棄地の活用も含め、希望が多い市民農園を拡充すること。

  15. 西宮市において「同和」と称する事業は無くなったが、改良住宅と一般市営住宅との間で逆差別とも言うべき実態がなお残されている。また、逆差別を残す「同和」行政や啓発はやめるべきことであり、それを「人権」と称して「継承・発展」させることは時代逆行であり、「人権」に関する啓発は、それ自体独自の重要問題として、あらゆる分野と場面で強めること。また、行政当局において「地区」「地域」という表現や扱いが残っている。ただちに是正すること。