2012年度当初予算編成に対する申し入れ/* --項目挿入-- */?>
2011年08月30日
都市局
- 東日本大震災は、改めて自然災害に対する自治体の責任の重さを示した。まず命が守られるまちづくりがあってこそ、文教住宅都市や環境学習都市としての施策がいきてくる。街づくりにあたっては、あらゆる建築物の耐震化や津波避難場所の確保、災害時の避難路などの確保を計画的に行い、災害に強い防災の街づくりや、自然再生エネルギーを効率的に地域で活用する仕組みとして、スマートグリッド等が導入可能かも含めて検討し、低エネルギー型のまちづくりを、関連部局と連携してすすめること。
- この間、西宮市は児童数の増加による対策として、「開発事業等におけるまちづくりに関する条例」や「教育環境保全のための住宅開発抑制に関する指導要綱」で、一定の開発抑制策をとってきたとしているが、効果がなく後退している地域すらある。
政府が今後行なうとしている少人数学級が進められれば、教室不足はさらに深刻となる。その抜本的対策をはかるために、以下のことに取り組むこと。
- 早急に教育委員会と連携し、義務教育全期間の30人から35人学級に対応できるよう、マンション開発を規制する「教育環境保全のための住宅開発抑制に関する指導要綱」を条例にするとともに、2011年4月に浜脇小地域で行われた規制緩和を元に戻し、市全域を実質開発抑制となっている「準受け入れ困難地区」以上に規制強化すること。
- 一定規模以上の開発については、他市で実施しているように公園や緑地の提供とともに、開発によって市に整備が求められる、教育施設などの公共施設整備のための協力金の拠出を求めること。
- 開発指導について
- 「開発事業等におけるまちづくりに関する条例」(以下開発条例という)に基づく事業者による住民協議に対しては、引き続き市として市民の立場に立った指導を徹底すること。
- 開発区域への進入路が6m未満の場合の開発が条例で規制されたが、わずかな戸数制限にしかつながらず不十分である。条例をさらに見直し、開発を認めないよう誘導すること。
- 500?未満の開発は近隣協議の対象とはならないことから、同一事業者が開発時期をずらし、結果的に500?以上の開発を行うなどの「開発のがれ」の事例がある。昨年10月に開発条例の規則改正が行われたが、開発業者の思惑から必ずしも規制につながっていない面がある。全体空地(開発区域)を一体のものとして指導対象にするなど、さらなる対応策を早急にたてること。
- 地球温暖化対策の緊急な取り組みが求められている。既存住宅などの建て替えのときには、太陽光パネルへの助成制度や再生資源エネルギーの重要性を啓発し温暖化対策に対応した街づくりに誘導するとともに、マンションなど共同住宅への太陽光パネル設置などへの助成制度拡充を進めること。また、今年度より雨水貯留施設や浸透枡設置に市の助成制度が創設されたが上限金額が低い。集合住宅などでは助成金額の上限を引き上げること。
- 生産緑地は都市部での緑地の保全だけでなく、災害時の避難場所等の多面的役割を果たしている。この間、相続税を払えないなどの理由で生産緑地の解除が進んでいる。
一度こわした農地を元に戻すのは大変であるとともに、緑地の減少にもつながる。生産緑地の保全を営農家だけにまかせるのではなく、市としても都市政策の立場から、生産緑地拡大にむけて基準面積縮小などの手立てを取ること。
- 阪急西宮北口・球場前線の高松町交差点については、踏切と連動した信号機設置が試行されている。早急に信号の本格設置に移行するとともに、歩行者の安全のために踏み切り沿いの横断歩道を設置すること。
- JR甲子園口駅北側は、歩行者、自転車、バスが交錯し、大変危険な場所である。ロータリーの改善策などを講じること。
- 阪神甲子園駅以東で連続立体交差事業が進められている。工事中は踏切横断距離が長くなり、安全確保のためにガードマンを配置しているが、十分に安全を確保すること。
- 阪神甲子園駅のバリアフリー駅舎改築及び駅周辺整備については、今年度秋から着手の予定となっているが、東側のエレベーターの設置が、西側設置から二年以上遅れるという問題点が指摘されている。駅東側に仮設のエレベーター設置を求めると共に、阪神電鉄(株)任せではなく、十分地元の意見を聞いて進めるよう市としても責任をもって関与すること。
- 阪神甲子園駅東改札口から、高架トンネルに向かう駅沿いの歩道に屋根を設置すること。
- JR西宮名塩駅の改札口までに、下りエスカレーターを設置するよう、引き続き関係機関にはたらきかけること。
- 阪神久寿川駅については早期にバリアフリー化をすすめること。
- 市民生活を支援するためにも、公共交通の充実をはかることが早急に求められているが、遅々として進んでいない。地域交通の柱となるバス交通について、以下の項目に本気でとりくむこと。
- 市内交通不便地域が明らかにされたが、地元自治会の盛り上がりがないことなどを理由に、市としてのやる気が見えない。交通不便地域解消に向けて阪急・阪神バスなどに市がいうべきことを言えないまま、一方で、みなと観光バスが夙川駅まで延伸することとなった。また、今年4月から西宮市の南東部地域では、大阪市の運送会社が社会貢献の一環として「お出かけバス」も走らせている。交通不便地域解消に向けた現状調査などをさらに実施し、市として主体的に取り組み方針を明確にすること。また、地元の財政力のありなしで、交通不便地域全体のバス交通の実施可否を決めることがないようにすること。
- 北部の住宅開発地区では、高低差があることと合わせ高齢化が進んでいる。交通問題についてこの間、塩瀬地区で順次実態調査がおこなわれ、生瀬地区では住民によるデマンドバスの実験的運行が行われている。地域住民まかせではなく、市が主体性をもってコミュニティバス運行等を進めること。
- 南北バス(さくらやまなみバス)については、導入時の経過から平成27年度までの運行は約束されているが、その後の方向性については平成24年度から検討されることになっている。バス会社の採算にかかわらず、市が責任をもって運行を継続すること。
- 西宮市の南部と北部を結ぶ盤滝トンネルは、北部地域の市民の生活道路として重要な幹線道路である。1991年に西宮北有料道路として供用開始後21年経過したが、通行量は当初計画の2倍になり、通行料収入も計画を大幅に上回っている。南伸事業を含む総事業費128億円に対し、2010年度公社決算では償還準備金と損失補填金をあわせ償還財源は124億8600万円になっており、その差は3億1400万円である。これは、2011年度中に償還が可能となる。市貸付金の12億1500万円の償還と通行料無料化に向け、7月19日から始まった兵庫県道路公社との協議の場で、早急に結論をだすこと。
- 都市再生機構による浜甲子園団地の建て替え事業が行なわれているが、市のまちづくりに対する主体性が見られない。以下の点を取り組むこと。
- 浜甲子園団地建て替え事業の全体像がいまだにわからない。全体事業計画を明らかにさせること。また、幼稚園・保育所・集会施設等の耐震化や建て替えなどのめどがたっていない。早期に結論が出せるよう都市再生機構と協議をすること。
- 新しくなったまちは、建物、住宅の欠陥、来客用駐車場不足、グランドの騒音など、多数の問題を抱えているにもかかわらず、住民の要望、意見が取り入れられていない。住民の意見が反映されるようにすること。
- 戻り入居者にとって、高くなった家賃負担は深刻である。家賃の引き下げを都市再生機構に求めること。
- 市営住宅について
- 「地域主権改革」一括法による市営住宅の条例改正が日程にのぼってきている。
その際、入居資格を厳しくしたり家賃を引き上げないこと。
- 今後の市営住宅について、市は現在の約10000戸から減らす方向で「西宮市営住宅整備・管理計画」を策定し、9月議会に所管事務報告をするとしている。貧困と格差」が広がり、不況が追い打ちをかけるなか、年々市営住宅への入居希望者は増大している。福祉的観点からも南部の市営住宅統廃合計画は撤回し、さらに市営住宅を増設して市民の期待にこたえること。
- 復興借り上げ住宅については、借り上げ契約期限が迫り住民に大きな不安を与えている。副市長は「なによりも住民の皆さんに不安を与えないようにしたい」と発言しており、市が買い上げ、あるいは継続して借り上げを行うこと。
- 市営住宅の管理については、北部地域は民間会社が指定管理者となっているが、入居者の様々な要求や相談に、迅速かつ責任ある対応ができていない。指定管理者制度における総務省通達も踏まえ、個人情報の保護や福祉の観点等から、南部の都市整備公社の指定管理とあわせ、直営に戻すことを検討すること。
- 空き家募集の際、多回数落選者優先制度を復活させること。
- 階段型市営住宅のエレベーター未設置住宅には、市が責任をもって早急に設置すること。その際、エレベーターの電気代(年間、1機当たり約6万円)については、個々のドアまでは公共空間という観点に立ち、電気代徴収をやめること。
- 一般と改良住宅で住宅改修の考え方は一定改善されたが、まだ一部残されている。入居者が快適な日常がおくれることが目的であることを踏まえ、市として明確な同一基準をつくり実施すること。
- 風呂の補修や入れ替えについては、入居時に自ら設置したケースや復興基金を活用して設置した場合は自己負担で行わなければならず、入居者の大きな負担となっている。風呂も標準仕様という観点に立ち、改修や入れ替えについては市の費用で行うなど早急に改善すること。
- 不正入居者、住宅明渡し義務者に該当する高額所得者については、市が主体性を持って期限を切って明け渡しを迫るなど、断固とした態度で対処すること。公務員で該当する者については早期に退去させること。
- 市営住宅の共益費徴収について住民間のトラブルのもととなっている。市が責任を持って徴収すること
- 名義継承は配偶者に限るようにとの国の通知(指針・ガイドラインとして)があるが、低所得者の追い出しにつながり、新たな住宅困窮者を生み出すことになる。引き続き慎重に対応すること。
- 市営住宅団地自治会の運営費や、駐車場管理費の問題をめぐるトラブルが多く発生している。市は適切な運用に責任をもって対応すること。
- 特定優良賃貸住宅制度は国が推進した施策であることから、補助制度の拡充と期間延長を強く国に求めること。
- 青年や高齢者をはじめとする低所得者層での住宅困窮者に対しては、市営住宅や特定賃貸住宅の空き家で対応しようとしているが、倍率が高くさらに高額な家賃などから現実的対応とはいえない。市として、民間賃貸住宅家賃補助制度を創設し、支援すること。
- 県の耐震診断と耐震補強についての補助制度とともに、市の補助制度が上乗せされた。しかし、東日本大震災からも全国で地震災害が相次いでおり、住宅の耐震化が求められている。個人住宅の耐震化を一層進めるためにも、さらに拡充すること。
- 堀切町市営住宅跡地利用について、住民要望をとりいれ早急に全体を公園として整備するとともに、堀切川沿いの市道の拡幅も行うこと。