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野口あけみの反対討論反対討論
2011年09月21日

西宮市市税条例等の一部を改正する条例制定について


ただいま上程中の諸議案のうち、議案第12号 西宮市市税条例等の一部を改正する条例制定の件について、日本共産党西宮市会議員団は反対いたします。以下、その理由を述べます。

この条例案は、地方税法の改正に伴い条例改正するもので、寄付金控除の見直しや、申告書不提出等に対する制裁罰強化、具体的には不申告過料金の上限引き上げとともに、上場株式にかかる配当所得・譲渡所得に対する特例措置、いわゆる証券優遇税制を延長しようとするものです。私どもはこの証券優遇税制の延長に反対をするものです。

株を所有することによって得られる配当所得や、売買での譲渡所得に対し課税されている税率は、2003年(H15年)から本則20%(国15%、地方5%)を、譲渡益に対しては2007年末まで、配当益に対しては2008年3月末まで軽減し、国7%、地方3%の計10%と半減させてきました。特に譲渡益に対する税率は2002年までは本則26%だったものが引き下げられたものです。その後、これらの優遇措置は延長が繰り返され、このたびまたぞろ、H25年(2013年)末まで延長されることになったものです。

税金というのは、本来、負担能力に応じて徴収するというのがどの国でも原則です。先進諸外国でも上場株式の配当益、譲渡益に課税されていますが、フランスでは28%、アメリカ23%、ドイツ19%、イギリスでは配当益に23%、譲渡益には33%の税率がかかっています。これに比べて、日本では、本則の20%でさえ低水準なのに、さらに、自民公明政権、民主党政権が進めてきた優遇策で、10%と著しく低いものになっています。その結果、高額所得者の税負担が逆に軽減されるという、応能負担に逆行する現象が起き、格差拡大を助長しています。

さて、市の歳入に対する影響額です。市税分は、本則3%が軽減後は1.8%と1.2%分が市にとって減収です。軽減措置が延長されるH24年25年の2年分では、これまでの実績から4億7900万円の減収が見込まれるとの答弁でした。H16年から軽減策が取られていますから、25年までの10年間でいえば、ざっと24億円もの減収になります。これは大変貴重な財源です。

今、日本では、民主党政権も、自公勢力も、復興や社会保障の財源と言えば、消費税増税など庶民に負担を求める主張ばかりです。しかし欧米では、財政危機打開の財源として、富裕層や大企業の経営者自身が「われわれに課税せよ」と声をあげています。

少なくとも、高額所得者へのバラマキ減税であるこの優遇税制はただちに廃止すべきです。また、大企業へのゆきすぎた減税や低所得者にほど重い負担を負わせる消費税増税方針もやめるべきだということを申し上げて、日本共産党西宮市会議員団の議案第12号への反対討論といたします。