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上田さちこの一般質問
2011年12月09日

盤滝トンネルの早期無料化について


西宮市議会は9月議会最終日本会議で「西宮北有料道路(盤滝トンネル)の早期無料化を求める決議」を、全会一致で採択しました。井戸兵庫県知事は今年度中にも無料化の時期についてコメントするとしています。西宮市の南部と北部を結ぶ、市民にとってはなくてはならない生活道路である盤滝トンネルの無料化は、いま大きな世論となって動きはじめました。

経過を振り返りますと、兵庫県道路公社によって総事業費81億円で建設された盤滝トンネルですが、その15%・12億1500万円を市が無利子で貸し付け、償還は料金徴収期間満了時としました。その後兵庫県は、甲寿橋付近の渋滞解消を理由に、南伸事業を無理やり盤滝トンネル事業と合体させ、「北有料道路」として総事業費を128億円に増額変更、この全額の償還が終わらなければ、盤滝トンネルは無料化しないということにしてしまったのです。生活道路であるにもかかわらず、高い通行料を日々払い続けなければならない市民の負担は、非常に大きいものです。

日本共産党市議団は9月22日、兵庫県県土整備部及び兵庫県道路公社の方々と懇談してまいりました。2010年度決算では、128億円の総事業費に対し、償還準備金は約105億円(うち償還済みは42億円)になり、毎年の料金収入の10%を積み立てる損失補填引当金は、19億8500万円になっている。このことを前提に、私たちは損失補填引当金を償還財源に活用すれば、2011年度の償還金積立予定額とあわせて、130億円を超すことから、今年度中にも償還が完了し、盤滝トンネルは無料化できると主張しました。これに対し公社の方は「この際、無料化までに最新式の設備を備えたトンネルの大規模修繕が必要だ」「その財源は、毎年の料金収入を当てたい」「損失補填引当金は償還財源にはできない」と述べられたのです。主張が大きくすれ違っていることを痛感した懇談でした。

西宮市議会も、また西宮選出の県会議員も「早期無料化を」と動き出している時に、大規模修繕を理由にして、その時期をいたずらに後ろへ引き延ばすことは認められません。西宮市長をあげて、9月議会「決議」の立場に立ち、1日も早い無料化に全力を尽くすべきです。

<質問>
  1. 県との協議は現時点でどうなっていますか。知事がこの今年度末にも、無料化の時期を明らかにするとしていますが、この動向についてもお聞きします。
  2. 盤滝トンネルの維持修繕は、毎年の収入から一定額を活用して必要な工事がされているはずです。100歩譲って、何らかの修繕が必要となったとしても、県道路公社は、最新式の技術を取り入れた大規模改修を予定しているようですが、修繕の範囲と規模、財源などについての公社の考え方と、それに対する市の見解を聞く。
  3. 「損失補填引当金については、償還財源に充てることはできない」と県道路公社の主張があります。根拠は、平成12年3月1日発行の有料道路事業研究会の文書です。しかしこの中には、償還財源に充てられないとは一切書いてありません。市はこの点について県道路公社とどのように協議するのか見解を聞く。