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まつお正秀の一般質問
2011年12月13日

平和行政について


昨年は5年に一度開催されている世界190カ国が参加するNPT条約再検討会議、核の不拡散や核軍縮を目的にし、アメリカなど5カ国以外は核保有を認めないというもので、5年に一度その運営を検討するものですが、ニューヨークで開催されました。その5年前に行われた2005年の会議では、アメリカなどの消極的姿勢から核兵器廃絶を明記する合意が出来ず、会議は失敗に終わったと言われました。その反省から今回は、核兵器のない世界を実現し、維持するための「枠組み」をつくるためにすべての国に「特別の努力」を求めることが最終文書に盛り込まれました。この最終文書にはさらに2008年10月の国連創立記念日にパンギムン事務総長が提案された「核兵器禁止条約の交渉を含む五項目の提案に「留意する」という文言が盛り込まれ、その「枠組み」イコール核禁止条約であるということが明文化されたのです。そして、昨年の国連総会では核廃絶のための枠組みは核兵器禁止条約であるとした文書が採択され、今年の10月の総会でも可決されています。こうして国連挙げて核兵器をなくそうという本気の努力が始まっていることは、例年の原水爆禁止世界大会での国連代表あいさつはデュアルテ国連軍縮代表(これはいわゆる軍縮問題の分科会の責任者)だけであったものが、今年開かれた原水爆禁止世界大会ではパンギムン事務総長本人の挨拶文が軍縮代表によって代読されたことにも現われています。さらにパンギムン氏は各国の草の根の運動が核兵器廃絶の大きな役割を果たしていると、この間評価をされており、今年2月に呼びかけられた「全ての国の政府にすみやかに核兵器禁止条約締結のための各国の交渉を求める」新たな署名にも賛同されています。すでに昨年のNPT会議にも日本から1000万筆以上の署名が届けられましたが、今では国連の入り口にこの署名が積み上げられていることからも、署名活動などの草の根の運動の重要性が国連にも認識されているこということの証しではないでしょうか。

今日、核兵器廃絶に向けた世論が大きく盛り上がる中で、広島市長が呼びかけられた世界平和市長会議に、西宮市もついに昨年8月1日に加盟をしたことは皆さんも御承知のところですが、これはかねてから毎年度のわが党の予算要望書などでも繰り返し求めてきたものであり、その決断に敬意を表するものです。世界市長会議は昨年2月1日時点で世界の3562都市の加盟だったものが、今年11月1日時点ではすでに5053都市に急速に広がっていることからもその決断が正しかったということができるのではないかと思います。

西宮市は県下に先駆けて1983年に平和非核都市宣言を行い、53年にわたって原水爆禁止西宮市協議会による幅広い団体を巻き込んだ平和の取り組みもおこなわれており、我々もその取り組みに参加をしているところであります。そうした努力の一方で、戦争から66年経ち、原爆による被害者は全国に散らばり、顕在、潜在にかかわらず二世三世等の被害はまだ続いています。当時の被爆者は高齢化に伴い亡くなられる人たちも増え、西宮市原爆被害者の会の会員数も年々減少を続けているのが現実です。まさに生き証人といわれる原爆の被害や戦争の恐ろしさを直接語り継ぐ人たちが少なくなっていくことは、西宮市の核兵器廃絶や平和運動においても大きな痛手となっていくことになりますし、その運動をになう人たちを新たに育ててゆかねばならないということでもあります。それは子どもの時から修学旅行や世界大会に親子ツアーで広島・長崎へ行くことなどをはじめ、核兵器や平和を考える機会を日常的に提供し、大人になってからも核廃絶や平和の取り組みを実践できる人に育てていくことも自治体の仕事ではないかと考えます。
そういう意味では学校の修学旅行で被爆地や戦争にゆかりあるところを選定することも大切なことではないでしょうか。

私は、4年前の一般質問において、2008年が原水爆禁止西宮市協議会発足50年、平和非核都市宣言25年の節目であったことから、記念すべき年にふさわしい平和の取り組みを山田市長に求めたところです。昨年河野市長が誕生され、今回平和市長会議に加盟した決意を改めて議会の場で確認すると共に、再来年が平和非核都市宣言30年を迎えるところからも、来年度中には企画や予算を確定していくことになることから、その取り組みについても伺います。

<質問>
  1. 平和市長会議は2020年までに世界の核兵器をなくそうという目標を掲げています。市長として昨年平和市長会議に加盟した決意と、今後どのような役割を果たそうと考えているか
  2. 再来年の12月10日で平和非核都市宣言30年となりますが、節目の年として先ほど述べた位置づけにふさわしい取り組みが必要だと考えます。宣言20周年の時には規模を大きくした原爆展や平和の集いが開催されました。そこで30周年事業に向けた現時点での考え方をお聞かせ下さい。
  3. 30周年を機会に六湛寺公園を平和公園に位置づける考えはないか。
  4. 西宮市原爆被害者の会の方たちが、小・中学校の修学旅行の行き先については被爆地を選定するような働きかけが行われています。こうしたことも含めて教育委員会として、平和教育の現状と、今後の取り組みについてお聞かせ下さい。