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上田さち子の反対討論
2011年12月09日

学童保育所の公募による指定管理者選定議案について


ただいま上程中の
  • 議案第42号・指定管理者指定の件(西宮市立香櫨園留守家庭児童育成センター)

  • 議案第43号・指定管理者指定の件(西宮市立上ヶ原南留守家庭児童育成センターほか1施設)

  • 議案第44号・指定管理者指定の件(西宮市立鳴尾留守家庭児童育成センター)

以上3件につきまして、日本共産党西宮市会議員団は反対します。

西宮市の留守家庭児童育成センター(以下、学童保育所といいます)については、2006年度より指定管理者制度を導入、2008年度より「公募」による選定が始まりました。現在、公募により、社会福祉協議会が瓦木・津門・広田・瓦林・平木・今津の各学童保育所の指定管理者に、財団法人神戸YMCAが用海・浜脇学童保育所の指定管理者となっています。

今回提案されたのは、新たに公募により、上ヶ原南と段上西学童保育所を社会福祉協議会が、香櫨園学童保育所を財団法人神戸YMCAが、鳴尾学童保育所を社会福祉法人三光事業団がそれぞれ指定管理者に選定されるというものです。
学童保育所は単なる施設の管理ではなく、子どもたちの放課後や、夏休みなどの長期休暇中、指導員のもとで、健全な育成をはかることを目的に設置された施設です。日々発達する子どもたちに向き合う大切な事業であることから、日本共産党市会議員団はこれまでから、指定管理者制度はなじまないと指摘し、ましてや4年毎に事業者が変わり、そのために指導員ががらりと総変わりしてしまうことにより、保護者や子どもたちを不安にさせる「公募」は認められないと反対してきました。

今回は、議案審査とともに、陳情第9号 留守家庭児童育成センター事業を指定管理者制度から外す事への陳情書も合わせて審査しましたが、公募の対象となった鳴尾学童保育所の保護者会から「春からどこが運営することになるのかわからない」「指導員の先生が全員入れ替わってしまうかもしれない」「親も子供も大変不安な状況に陥ります」と、切々と訴える内容でした。

質疑では、公募によって保護者や子どもに不安を持たせることや、非公募の学童保育所であっても、次は公募になって指導員ががらりと変わってしまうのではと、常にドキドキ感を与え続けることについて質問しましたが、当局は「公募により、保護者の不安、子どもの影響もある」と率直に認める答弁がありました。また、「公募は進めるべき」とする委員も、指定管理期間をもっと長期にするようにと、くるくる指定管理者が変わることへの懸念を表明したり、「親や子どもの不安な気持ちは理解できる」としつつ、指定管理者公募の議案に賛成、保護者からの陳情に反対されました。

2年に一度実施される、公募による指定管理者選定に際し、多くの市民を混乱させていますが、当局は、2006年度から進めてきた指定管理者制度のメリットやデメリットを分析し、子どもたちの放課後の保育を行う学童保育所の運営の在り方について、このまま保護者や子どもたちに負担をかけ続ける指定管理者制度、取り分け公募を続けていいのかどうか、ぜひ真摯に検討を行うべきだと思います。そのことを強く要望し、先の3議案についての日本共産党西宮市会議員団の反対討論、及び、陳情第9号 留守家庭児童育成センター事業を指定管理者制度から外す事への陳情書の賛成討論とします。