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佐藤みち子の一般質問
2012年03月05日

市営住宅問題について


 市営住宅建替え、借り上げ住宅問題です。
市は、2006年に制定された「住生活基本法」2007年に制定された「住宅セーフティネット法」によって、公営住宅が低額所得者、高齢者等住宅確保要配慮者の居住の安定を確保する中核として位置付けられたことを受けて「西宮市営住宅整備・管理計画」を策定しました。(以下整備・管理計画)この計画は、2012年度から2021年度までの10年間の計画とし、当初5年間を前期、あとの5年間を後期として位置付けています。
2001年4月1日には、9,964戸あった市営住宅は、木造やテラス住宅等の解体で、2011年3月末現在で、管理戸数は9,609戸、そのうち普通市営住宅が6,799戸で全体の7割以上を占め、改良住宅が1,717戸で約2割となっています。また、災害公営住宅として借り上げた住宅が5棟447戸あります。
「整備・管理計画」では、甲子園9番町団地、甲子園春風町団地、特別賃貸東町団地の3団地を現地建替え団地と位置付け、古川町団地等6団地の廃止で計9団地を2017年度までに945戸を735戸に集約し、後期では、一ヶ谷町、上ヶ原4番町を含む北部の6団地の建て替えの検討を予定しています。10年後の目標管理戸数を約8,600戸と現在の戸数を約1,000戸も減らす計画になっています。
中核市の中では、人口当たりの管理戸数は2.1%、世帯当たりでは、4.7%となり平均の2倍近い戸数であること、また、1戸あたり約30万円の歳出超過負担になっているなどを戸数を減らす理由としています。
しかし、2010年度の応募では、募集260戸に対し総応募数が3,755件、総応募倍率が14.4倍です。エレベーター有りの募集が151戸に対し総応募数が3,152件、総応募倍率が20.9倍で高倍率となっています。市営住宅に応募する理由として「収入と比較して民間住宅の家賃が高すぎる」が1番多く全体の53%になります。市営住宅を希望する人に比べて戸数が足らないのは明らかです。このことからもむしろ戸数を増やすことが必要です。
さて、阪神淡路大震災後「災害公営住宅」としてURから借り上げた5団地計447戸については借り上げ期間が20年間です。シティハイツ西宮北口は2015年9月末、他の4団地については、2017年度中に借り上げ期間が到来するので、「整備・管理計画」ではURに返還することを前提にしています。市は今後、返還を基本として入居者に対するアンケート調査やヒアリング等を細かく実施するとしています。
日本共産党市議団は、この問題について2011年1月24日、「市営住宅として買い取り、または借り上げの延長などを行い、引き続き入居できるように」と市に申し入れをしました。本井副市長は「基本は入居者に不安を与えないようにしたい」と発言し、当時の森田都市局長は「借り上げを延長しても高額な負担である。買い取れば市の資産となる。6月か9月頃には方針を出したい」と前向きな発言があり、私たちは「入居者の安心のためにできるだけ早く結論を出してもらいたい」と要望しました。しかし、2011年9月議会で返還を基本とした「整備・管理計画」が報告されました。そのため、市会議員団として2012年2月14日、「市営住宅として買い取り、または借り上げの延長などを行い、引き続き入居できるように」と、再度市に申し入れをしました。本井副市長は「前回不安を与えないようにと言ったのは、引っ越しの際の梱包の不安、コミュニティの不安を言った。家賃補助について、20年間で100億円以上つぎ込んでいる。1戸あたり2,000万円以上の補てんになる。方針は見直すつもりはない。不安には、こまめに対応していきたいと思っている」と発言しました。借り上げ住宅の65歳以上の高齢化率は47.5%で、他の市営住宅の高齢化率41.87%を上回っています。ルゼフィール西宮丸橋町の災害公営住宅では、住民が自ら入居者にアンケート調査を実施しています。50世帯の内45世帯から「入居し続けたい」との回答です。この思いは他の4団地に住む方も同じではないでしょうか。

<質問>

1、「市営住宅整備・管理計画」では、現在の管理戸数約9,600戸から10年後の目標管理戸数を8,600戸と決めていますが、今後、高齢化社会をむかえさらに公営住宅が必要になってきます。むしろ増やすべきではないのですか。

2、URから借り上げた復興住宅について、市は返還を基本としていますが、高齢者が多く、転居することがむずかしいと思われます。震災後、仮設住宅から復興住宅に入居した後、コミュニティ不足で孤独死が問題になりました。住まいは人権という立場で市として買い取りを基本としてURと交渉すべきではないですか。

3、建設当時、当時の住宅都市整備公団は国の補助金を活用して住宅を建設していますが、整備に準ずるような補助を国に要求し、国に対して市が買い取る場合の支援を求めるべきではないですか。