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佐藤みち子の一般質問
2012年09月05日

いじめ問題について
 −子どもの命が守られる学校に−


クリックで大きな写真を表示2011年10月、大津市の中学2年生の生徒が自宅マンションから飛び降りて自殺した事件が起こりました。生徒の自殺後、学校が行ったアンケートにより同級生によるいじめがあったことが明らかになりました。この事件についてはいじめと自殺の関連が強く疑われる状況でしたが、早々に調査を打ち切った学校や教育委員会、被害届を3回にわたって受理しなかった警察の対応など重大な問題がありました。学校が2回目に行ったアンケートの中に「葬式ごっこ」などの回答があったにもかかわらず事実確認、真相解明が不十分であり、真相隠し・責任逃れではないかとの批判が全国から寄せられました。そんな中、警察による学校や教育委員会への強制捜査が行われ、大津市では、市長が自殺の原因がいじめであったことを前提に第3者委員会を立ち上げ調査が始まりました。
自殺した生徒は、日常的な暴力や金銭を要求される等、深刻ないじめにさらされていました。他の生徒からもいじめを受けているとの通報がありながら、学校がこれを早期に発見し防ぐことができませんでした。
今後、このようなことが2度と起こらないように子どもの命が守られる学校にすることが求められています。学校や教育委員会がなぜいじめを把握することができなかったのか、子どものサインをなぜ見逃したのかなど等徹底的に検証を行う必要があります。
 今から6年前の2006年に全国でいじめにより児童生徒が自殺をするという事件が相次いで起こり社会問題になりました。当時、本会議でも私を含めて3人の議員がこの問題で一般質問をしています。市教育委員会は、「いじめが起こるのは、子どものなかでの人間関係、教師と子どもたちとの人間関係、家庭内での親子関係、さらに大人社会のさまざまな問題などが複雑に関係し、子どもたちの心にひずみを生じさせていることが原因である。そのために、子どもたちが自ら心のひずみを乗り越えることのできるたくましい力を身につけていくことである。」と道徳教育や命や人権を大切にする心の育成、人間関係を築く能力の育成等など、心の教育が大事だと強調されていました。しかし、心の教育だけでいじめを止めることできないことは明らかです。
 先日、中学校の先生に話を聞きました。「今の子どもたちは、幼い時から遊びが足らないので人との係わり方がわからない」「親の生活も余裕がなく家庭環境から安心感を得られない子どもが増えている」とのことです。
 また、「教師は、長時間過密労働で、授業、職員会議、学年会議、クラブ活動、テストの採点、教材研究やそれ以外の雑務に追われて子どもと向き合う時間が取れない」「一人ひとりの子どもとしっかり向き合って信頼関係をつくっていくことが困難であること」そんな中で、「子ども同士がふざけていてもいじめかふざけているのか、判断がむずかしく、いじめを見落としているかもしれない」との話でした。「子どもがいればいじめは避けられないけれど、早期に発見して何らかの手立てをとることがいじめの長期化を防ぐことになる」「少人数学級で一人一人の子どもを大切にすること。正規教員を増やすこと。また、学習のスピードをもっとゆとりあるものにし、誰もが授業を理解できる学習内容にすること等が大切」とのことでした。「教育の目的は人格の完成にある。もっと子どもをゆったりていねいに育てたい」この言葉はすべての教師の願いだと思います。長時間過密労働の中で、教師は子どもを理解するために全力で日々奮闘しています。
 過度な競争教育、上から押さえつける管理教育、教師や学校を評価する教員や学校評価制度等、新自由主義の教育の元で教師も子どもも大変な思いをしています。
今の日本では、「いじめはどの学校においても起こりうるものとして取り組むべき課題」になっています。今こそ、教育委員会、教師、保護者、市民、当事者である子どもも含めて、いじめを未然に防止するためには何をしなければならないかを大いに論議すべき時です。


質問します。
@2011年大津市で起きた中学2年生の自殺について、事実確認、真相解明が不十分であり、真相隠し・責任逃れではないかと学校・大津市教育委員会の対応に全国から批判があります。市教育委員会の見解をお聞きします。
A西宮市の2011年度いじめの報告件数は。また、どのような種類のいじめが報告されているのかお聞きします。そのいじめは現在解決したのですか。状況をお聞きします。
Bいじめを発見した場合、教師、学校はどのように対応し、解決を図っているのですか。いじめられている子、いじめた子へのケアは、どうしているのか。
C教師は平日、11時間を超えて勤務し、土日も出勤して仕事をしています。長時間過密労働です。教育は一人ひとりの子どもとしっかり向き合って信頼関係をつくることが大切ですが雑務に追われ子どもと向き合う時間がありません。有給休暇も取得できない等教師の勤務実態は劣悪です。また、定員に対し、小学校で約8.6%、中学校で15.6%の教員が臨時講師です。定員についてはすべて正規教員にすべきではないですか。また、教師の長時間過密労働を改善すべきではないですか。
D現在、国の制度で小学校2年生、県の制度で小学校4年生まで35人学級になっています。いじめの対応については、早期発見、早期対応が大切だと考えます。現在の40人学級では、教師が一人ひとりの子どもを把握するのは困難になっています。現場の教師から少人数学級を望む声が出されています。そのために、小学校5,6年生、中学校も少人数学級にすべきです。県、国に要望するとともに、実現するまでの間、市独自でも少人数学級を進めるべきではないですか。