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杉山たかのりの一般質問
2013年09月04日

「あらためて、原発に対する市長の見解を問う」


クリックで大きな写真を表示東日本大震災での東京電力福島第1原発の重大事故から、2年半が経過しようとしていますが、事故収束のメドどころか、いまや危機的な事態になっています。
原子炉建家などの地下に、1日400トンもの地下水が流れ込み、汚染水が増え続けて、東京電力の場当たり的な対応が次々と失敗し、地下水から海へ流出した放射性物質のストロンチウム90とセシウム137の量は、推定で30兆ベクレルと試算されています。その後、新たに300トンもの高濃度放射能を含む汚染水漏れが発覚しました。地上タンクから流出した高濃度汚染水は、その多くが側溝を通じて海に流れ出したことが明らかになっています。
地元福島県の佐藤雄平知事は、「国家としての非常事態」だと指摘しました。まさにその通りだと思います。8月28日には、原子力規制委員会は、トラブルの深刻さを示す国際原子力事故評価尺度を「レベル1」(逸脱)から「レベル3」(重大な事象)に引き上げると発表しました。
その後も、新たなタンクから高線量を確認、さらに値が上昇し、配管からも汚染水がもれるなど、汚染水をめぐる状況は危機的状況です。国内外から厳しい批判が沸き起こっています。
このような事態を招いた最大の原因は、安倍首相が、民主党・野田政権当時に出された「収束宣言」を撤回せず、真剣な対策を講じてこなかったことにあります。「収束宣言」により、再稼働や輸出を優先する動きが加速され、汚染水対策は東電まかせとなったのです。
日本共産党は、この事態に「これまでの世界の原発事故でもなかった、人類が初めて直面する非常事態、危機的状況」だと指摘をし、4つの提起をしました。
  1. 事故の「収束宣言」を撤回し、非常事態との認識のもと、事故対策を抜本的に改めること

  2. 政府が全責任を負うという立場に立ち、東電にあらゆる手立てを講じさせる

  3. 「原発再稼働・輸出」方針をきっぱり撤回する

  4. 原子力規制員会が事故対策を再優先し総力を挙げる

昨日、政府は汚染水対策の基本方針を決定しましたが、「抜本的対策」といいながら、地下水の海洋放出を明記し、内容は東電が作成した従来の対策の延長にすぎず、「技術的説明は難しい」「リスクはある」と、技術的裏付けも、実現性の保証もない計画だといえます。
昨年12月議会一般質問で、環境局長は、「再稼働はやむを得ない」との河野市長の見解を示していますが、東京電力が事故対策についての当事者能力を欠いていることは明らかであり、それにもかかわらず政府は「東電任せ」の姿勢を続ける状況で、安全よりも電力会社や財界の利益を優先する状況で、「再稼働はやむを得ない」と本当に言えるのでしょうか。この2日には大飯原発3号機が定期検査のため停止、15日には4号機も停止し、再びすべての原発が停止する事態のもと、原発についての市長の見解をあらためて問うものです。

質問
  1. まず、福島第1原発の現在の危機的事態について、認識をききます。

  2. 市長は、「市民の安全が最優先されることを前提に、再稼働についてはやむを得ない」との見解を示していますが、福島の現状を見れば、安全よりも利益を最優先する政府と東京電力は、事故対策にあまりにも無責任ではないでしょうか。このような事態ならば、「再稼働はやむを得ない」という見解はあらためるべきではないですか。

  3. 市長として、市民の安全を最優先するために、国に、「収束宣言」の撤回、再稼働や輸出はやめるよう、意見を言うなど、脱原発の姿勢を明確に打ち出すべきではないか。