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まつお正秀の討論
2012年12月20日

議案224号指定管理者(青木町住宅ほか28施設)について


ただいま撤回を表明されました議案224号指定管理者の件(青木町住宅ほか28施設)について、日本共産党西宮市会議員団として撤回は当然だと考えますが、この件については意見を申し上げておきます。
 西宮市の市営住宅の管理は、平成20年4月より、市内を北部・南部の二地区に区分し、北部地区を日本管財株式会社が、南部地区は都市整備公社を5年間指定管理者として選定して運営されてきました。今回の議案は来年3月にこの指定期間が満了することから、来年度から5年間の指定管理者を選定するに当たり、市内を北部・中部・南部と3地区に区分し、中部については都市整備公社を非公募として選定する一方で、北部と南部は公募とし、北部については株式会社東急コミュ二ティを、南部を日本管財株式会社に選定して管理するというもので、北部については議案224号、中部を議案225号、南部を議案226号として提案されたものです。
 ところが今回北部に選定された株式会社東急コミュニティにおいて、今年4月、職員によるこの会社が管理するマンションの管理組合費の使い込みが過去3年間にわたって行われていたということが判明し、その選定に疑義が生じました。その調査の中で更に二年前にも別の職員による同じ案件の不祥事が起きていたことも判明いたしました。その被害についてはすでに会社が弁償しているとのことではありますが、このような業者を選定するにあたり十分な調査がされたのかどうかが問われています。この議案の取り下げに当たり、建設常任委員会で本井副市長は、「指定候補者において発生した事案に関して、詳細な調査・分析や事案の再発可能性の見極め、有効な再発防止策の検討など、市営住宅の管理者として指定するに当たり、さらに慎重に検討調整すべきと判断したため撤回させていただきたい」と述べられました。宝塚市においてもこの12月議会で市営住宅の管理において、西宮市と同じく株式会社東急コミュニティを選定する議案が提案されていましたが、産業建設常任委員会において否決され、昨日の最終日の本会議でも否決されたところであります。このような業者を候補者として提案してきた市の責任が問われているものです。
また、この際申し上げておきますが、今回の3議案も含めて、今議会には他にも多くの指定管理者選定に関する議案が提案されていますが、わが党の他の委員会に所属する委員からの話によりましても、指定管理者選定にかかわる資料が、評価点と選考理由のみの記載で大変不十分であったという話を聞いております。たとえば今年の3月には公契約条例プロジェクトチームの報告書が提出されました。その今後の方向性についての指定管理者制度における部分について、報告書の内容を紹介しておきます。ここでは「適切な労働条件等を指定管理者の選考基準に加え、その旨募集要項で明示するとともに、事業計画書には、雇用関係、給与体系、勤務体制、勤務条件、社会保障等、従事する労働者の労働条件に関する記載を求める」とあります。たぶん市としては、その資料の提出を求め、チェックも行われているとは思いますが、委員会に提出された資料においてはこのような内容がほとんど反映されておらず、議会軽視ととられても仕方のない対応ではなかったかと思います。当局におかれましては今後こうした資料についても十分提供されるように要望して意見表明といたします。