HOMEへ
佐藤みち子の一般質問
2013年06月27日

公立幼稚園問題について


 市内には公立幼稚園が21園、園児数が1396人、私立幼稚園は40園あり園児数が7839人で2013年5月1日現在、公立・私立合わせて9235人です。
 現在、「西宮市幼児教育・保育審議会」で就学前施設と幼児期の教育・保育について全市的な視点で審議が進められています。2012年7月に出された「中間答申」で公立幼稚園は「当面小ブロックごとに原則1か所配置」との方向が示されました。
 市は公立幼稚園の役割は、私立幼稚園が存在しない地域において補完することが公立幼稚園の大きな目的であり補完する役割を終えつつあるとの考えです。
 しかし、直近3年間の公立幼稚園の4歳児の応募状況を見ると募集定員の30人を超えている公立幼稚園が半分を超えています。入園を希望しても入れない状況であり、公立幼稚園を減らすべきではありません。
 保護者へのアンケートを見ると、公立幼稚園利用者は、@公立幼稚園に入園させたかったが66.8%、A保育料が妥当であった51.4%B2年保育を希望した34.8%です。私立幼稚園利用者は@3年保育を希望した62.1%、A立地条件や保育サービスの内容が良かった48.8%B教育・保育内容が良かった39.9%となっています。
 また要望では、公立幼稚園の保護者の要望は@通常の保育時間の延長A預かり保育です。私立幼稚園の保護者の要望は@公立での3年保育A給食の実施を望んでいます。
 幼稚園は就学前の子どもたちが安全で豊かな環境の中でのびのびと遊び、自主の芽生えを培い遊びの中で友だちとかかわり、共同・協力する態度を身につけていく教育施設です。  
 公立幼稚園に子どもを預けている保護者は若い先生からベテランの先生まで揃っていて実践の積み重ねがあり、地域でのびのび子どもを育ててくれる公立幼稚園を信頼しています。
 私立幼稚園は、キリスト教系、仏教系、大学の付属幼稚園等様々あり、他に英語教育や水泳、読み書きの指導等々、公立とは異なる独自性があります。
 保護者はこうした特色、付加価値で私立幼稚園を選んでいるのです。基本的な公立の幼児教育を選ぶのか独自性のある私立の幼児教育を選ぶのか保護者の選択肢が保障されていないといけません。

質問
 アンケートの結果から、保護者は保育内容や保育料、立地条件等を考えて幼稚園を選択していることがわかります。また、公立幼稚園では私立幼稚園と同様に3年保育、預かり保育を希望しています。公立幼稚園でも3年保育、預かり保育を実施すべきと思うが市の見解は。

次に臨時的措置についてです。
 教育委員会は、阪神淡路大震災後の児童急増に伴い、地域により4歳児が公立・私立幼稚園のいずれにも入園できない状況が発生したため、2004年度から一部の公立幼稚園で単年度限りの「臨時的措置」として、4歳児1学級30人定員に30人を加えた2学級60人の募集を行ってきました。
 幼児数の減少や周辺の私立幼稚園での受け入れが可能となったことで、2013年10月募集(2014年4月入園)よりすべての公立幼稚園4歳児学級の募集定員を1学級30人とし、「臨時的措置」を廃止するとしました。
 現在、大社、高木幼稚園が「臨時的措置」の対象幼稚園ですが、2013年10月募集に限り、4歳児の応募者が60人を超えた場合は、2学級60人で受け入れますが、その後は「臨時的措置」を廃止するとしました。
 しかし、2011年度から3年間の募集状況を見るといずれも60人を超えています。2013年度4歳児募集では、大社幼稚園では79人が応募、18人が落選、高木幼稚園は91人が応募、30人が落選しています。「臨時的措置」があっても多くの子どもたちが入園できていない現状です。今後とも「臨時的措置」を継続する必要があるのではないか。