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2014年度当初予算編成に対する申し入れ
2013年08月30日

環境局


  1. 脱原発をめざし自然エネルギーへの転換を
    東京電力福島第1原子力発電所の事故において、2011年12月、当時の民主党野田首相が「事故収束宣言」をおこなったが、放射能汚染水が増え続け、海洋へ流出しているなど、少ない報道の中でも収束どころではない非常実態が明らかとなっている。
    そうしたなか、安倍政権は原発の再稼働をもくろんでいるが、世界でも有数の地震国、津波国である日本に、もはや原発は共存できないことを認識し、脱原発の立場にたった再生可能なエネルギー政策への転換を進める決断を行うべきである。

    1. 再生可能エネルギーへの転換を促進するために、現在策定中の新エネルギー・省エネルギー推進計画のなかに具体的な取り組みを大胆に盛り込むこと。特に太陽光発電の公共施設への大幅な設置計画をつくり、太陽光発電以外の取り組みの研究・検討も盛り込むこと。
      また、民間企業にも積極的導入を働きかけること。その前提として、公共と民間をあわせた発電能力の実態と可能性を調査すること。

    2. 個人住宅用太陽光発電システム設置補助制度の利用が促進されているが、さらに設置を増やすため補助金の増額を進めること。また、飯田市などの先進事例に学び、自己負担なしで太陽光発電システムを設置できる制度に取り組むこと。

    3. バリアフリー法で共有部分にも補助がでることになったマンションにも太陽光発電設置の助成を行い、合わせて設置住宅等への固定資産税の減免をはかること。

    4. これまでの電力の使用の見直しが求められる。市としても節電対策に取り組んでいるが、さらに、民間事業者や市民にもアピールして、一層の節電取り組みを強化すること。

  2. 地球温暖化抑止の取り組みについて
    厳しい干ばつや大洪水など、地球温暖化の影響とみられる異常気象が世界各地で頻発している。気象庁によれば、日本国内の大気中の二酸化炭素(CO2)の平均濃度は、2013年4月すべての観測地点で400PPMを超え、最高値を記録した。地球温暖化は私たちが思っている以上に急速に進んでいる。世界で第5位の温室効果ガス排出国である日本が削減の国際的責任を果たすのは当然であり、それに見合う対策を国も、また市も果たすべきである。

    1. 日本が積極的役割を果たすよう、国に対して、温室効果ガス排出量を2020年までに1990年比で30%削減することを中期目標とするよう求めること。

    2. 地球温暖化抑止について本市は、「持続可能な地域づくり ECOプラン−西宮市地球温暖化対策地方公共団体実行計画」や「第2次西宮市地球温暖化対策実行計画」等に基づいて取り組んでいるが、脱原発を踏まえた目標や計画に抜本的に改めること。また市内最大の事業者として市が実施状況を公表し、温暖化対策をアピールすることによって、市内の事業者にも計画の策定と実行を求めること。

    3. この間取り組まれている庁舎の屋上緑化や緑のカーテンも室温を下げるなどの一定の効果があることから、他の公共施設についても実施すること。また、施設によっては「すだれ」や「よしず」などの設置の効果がある。これらについても、まだまだ進んでいない。積極的に取り組み、民間企業にも協力を求めること。

    4. 店舗の看板や店内照明については、過剰な電光の使用を抑制するよう指導すること。市庁舎内の自動販売機を減らすこと。また、市内の自動販売機は基本的に電気照明を消すよう市独自の節電指導を行うこと。

  3. 分別、リサイクルなど、ごみの減量化推進のために、以下のことに取り組むこと。

    1. ごみの発生を設計・生産段階から削減するためには、自治体と住民に負担を押しつける現行制度を、OECDも勧告している「拡大生産者責任」の立場で抜本的に見直すことが必要であり、ひきつづき国に求めること。

    2. 粗大ごみや家電4製品の不法投棄が多い。特に、家電4製品の不法投棄を誘発する「家電リサイクル法」についてリサイクル料金等の製品価格への内部化を義務づけるよう国に求めること。引き続き不法投棄のパトロールを強めること。

    3. 家庭用ゴミ収集について、ゴミ減量化を名目にした市民に負担を強いる有料化は絶対におこなわないこと。

    4. ゴミ収集の業者委託は、国道2号線以北の地域まで行われており、その業者選定は、指名競争入札になっている。委託を受注したい業者は、少しでも入札価格を安くするために、労働者の人件費を切り下げるダンピング合戦ともなり、結果として、ワーキングプアを生み出している。業務委託契約書で労働関係法令の順守の義務付けがあっても、労働者の労働条件切り下げがないとはいえない。賃金・労働条件を保障する「評価基準」を設けた総合評価型入札制度にすること。

    5. その他プラスチック製容器包装の分別収集については、2013年4月から全市で本格実施されているが、目標値にはまだ至っていない。いっそう周知を図り再資源化を進めること。ビン類の分別収集も早期に実施するとともに、ビンなどのリターナブル化等も促進すること。

    6. 小型廃家電の収集についても早急に具体化すること。

    7. ごみ減量・再資源化を促進するうえでカギを握るのは事業系一般廃棄物や産業廃棄物である。この分野での再資源化を強化すること。

  4. 有害物質対策について

    1. アスベストについては、疾病の認定基準を緩和するなど、全ての被害者・家族により充実した補償と救済を行うよう、国に要望すること。

    2. PCB、ダイオキシンなど有害性化学物質に加え、放射能汚染による健康被害と環境汚染、植物汚染が懸念される。西宮でもマンションに使用されていたPCB廃棄物の処理事故、化学物質による土壌汚染などの問題が起きている。環境被害調査や健康調査、情報公開、被害補償など、具体的な対策をとること。また、民間マンションのPCB廃棄物については、国に処理費用助成策を求めること。それができるまでは、市として助成すること。

  5. 大阪空港は「欠陥空港」であり、安全面からも早期の撤去を国に求めること。西宮市は、「航空機騒音防止対策、環境整備の促進等をはかること」を目的としていた11市協(大阪国際空港周辺都市対策協議会)に属し環境・安全対策を求めてきたが、経営統合で11市協は利用者利便の確保や空港周辺地域の活性化等を強調し、ジェット機の増便を求めるなど活性化へと変質している。
    伊丹空港廃止を主張する大阪市は11市協から脱退した。市も脱退すること。

  6. 大気汚染対策について

    1. ぜんそくやがんなどを引き起こすといわれている「PM2.5」(微小粒子状物質)については2009年9月に環境基準が設定されたが、全市的に測定局を増やし、観測態勢も一層強化すること。また市民への広報にも努めること。

    2. 国道176号線は、依然として交通量が多く、渋滞に伴う環境悪化も懸念されている。ただちに環境対策をとること。

  7. 快適な市民生活を確保するために、以下のことを実施すること。

    1. 24時間営業の店舗や焼肉店など、臭気、騒音、光などの苦情に応え、指導できるように「快適な市民生活の確保に関する条例」を実効ある内容に抜本的に改正し、市民の要望にこたえられるようにすること。

    2. 花火などの騒音や生活騒音におけるトラブルが増えている。特に花火については、条例に基づき、パトロールを実施しているが、なお市民からの苦情が後を絶たない。特に香櫨園浜や甲子園浜などでの、夜間の花火禁止を条例に盛り込むこと。

  8. 依然として産業廃棄物の不法投棄があとを絶たない。引き続き監視カメラの設置や徹底した立ち入り調査が必要であり、直ちに取り組むこと。不法投棄のルートと関与者を解明し、違反者はもちろん、排出者の責任で撤去させること。

  9. 西宮浜北護岸と香櫨園浜を総合公園として一体整備する計画が、2015年度以降具体化される。地域住民の声を反映させ、暫定開設されたスケートボード場やマウンテンバイク場などを本格整備し、ナイター設備も設置すること。

  10. 緑の確保、環境保全、市民の憩いの場、また緊急避難所として公園は重要な役割を果たしているが、市の公園施策は十分とは言えない。以下とりくむこと。

    1. この間、公園整備はほとんど進んでいない。民有地や遊休市有地等を活用して街なかに公園を新たに確保すること。また、公園を整備あるいは改修するときは、利用者の意見を取り入れること。

    2. 公園の清掃について市民参加をすすめることは当然である。しかし、例えば瓦林公園など花の名所公園で花の手入れが十分行われていなかったり、樹木の剪定なども行われていないため、市内の多くの公園が荒れた印象を与えている。これは清掃の範囲を超えた市の責任である。必要な予算を確保し、改善すること。

    3. 老朽化した遊具やベンチ等でのケガを防止するため、おもいきって予算を増やし、一斉改修を行うなど、公園の再整備をすすめること。特に、撤去した遊具の更新を早急に行うこと。

    4. トイレについても順次改修し、要望のあるところは設置すること。その際、身障者用のトイレも整備すること。また、清掃回数を増やすなど「きれいなトイレ」をめざすこと。