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野口あけみの一般質問
2013年12月11日

リゾ鳴尾浜について


3、リゾ鳴尾浜について
 「リゾ鳴尾浜」は1992年、鳴尾浜臨海公園内に、市内唯一の大型屋内温水プールや屋内外の大小プール、温泉、フィットネスクラブなどが併設された総合アミューズメント施設です。
施設はまた、隣接する東部総合処理センターの焼却熱の有効活用も前提とされていましたが、1997年東部総合処理センターの建て替え事業により蒸気供給が休止、以来、今年4月に蒸気供給が再開されるまでの15年6カ月間は、灯油ボイラーによる代替運転となりました。
 同施設の運営は、市が40%出資し、阪神電鉄など民間企業との第3セクターである(株)鳴尾ウォーターワールドが行っていますが、2006年度に経常損益が赤字となって以後、年々その額は増大し、2010年度末の累積赤字は1億2720万円となっていました。
 2009年度に設置された西宮市第3セクター等検討委員会から、同社の損益悪化の原因分析と、それをもとにした具体的な経営改善策がしめされ、2011年度から2013年度までを第1ステップとして、報告書を踏まえた対応策が実行されているところです。
 その結果、2011年度は149万円、2012年度395万円と、わずかではあるが2期連続の損益黒字となっていると、今年8月26日開催の厚生常任委員会で、報告がありました。
 休止していた15年6カ月間の、蒸気と灯油の価格差累計、3億4200万円は、損益悪化の要因の一つとされ、顧客確保の一層の努力はもちろん不可避ではあるものの、蒸気提供が再開されれば一定経営は安定するものと認識していました。事実、そのように報告されていたと思います。
 ところが、今議会に上程されている報告監第15号(株)鳴尾ウォーターワールドに対する出資団体監査結果報告では、新しい事実が明らかになっています。その部分を読み上げます。
 「なお、蒸気供給については、東部総合処理センターで発生する蒸気を発電にも利用するため、従前供給されていた蒸気と供給量・水質が変更となり、会社の既存施設の更新・改修が必要となっています。施設・設備の更新・改修にあたっては、省エネ機器への更新をすることとし、H28年度までに順次行われ、当該設備更新が完了すれば、蒸気供給休止前の水光熱費負担と同程度になるとしています」
 つまり、東部処理センターからの蒸気供給を受けるために設備更新改修工事が必要となり、H28年度(2016年度)までの3年間は100%供給とはいかず、余分な光熱費負担があるというのです。
 先に述べた8月26日開催の厚生常任委員会では、施設・設備補修工事の2010年度から2019年度までの10か年計画なるものが報告されましたが、東部総合処理センターで発生する蒸気の有効利用のために設備更新工事が必要となったという報告は一切ありませんでした。


 そこで質問です。
 1、監査報告で言及されている「蒸気を有効利用するための設備更新工事」とは具体的にどういうものか。
 2、その工事の必要性が認識されたのはどの時期か。どんなに遅くとも東部処理センターの供用開始時にはわかっていたと思うが、なぜ8月の厚生常任委員会で報告しなかったのか。
 3、東部総合処理センターの蒸気をリゾ鳴尾浜で活用するのは、既定の方針だと理解していた。そうであるなら東部処理センターの再整備にあたっては当然そのことを前提にした仕様にすべきではなかったか。あるいはそれができず、どうしても蒸気活用のための更新工事が必要であるなら、経営改善計画の中で整合がとれるようにすべきではなかったか。
 4、西宮市第3セクター等検討委員会では、2013年度、今年度までの第1ステップに取り組んだ結果、経営改善が図れない場合は第2ステップとして民営化、民間売却、指定管理者制度の活用を検討すべき、これらがなしえない場合は会社の清算や施設の廃止もとまで言われています。
 第1ステップでの同社に対する各種支援策の内、阪神電鉄が行ったロイヤリティー(営業収入の1%。2010年度実績で約370万円)と、派遣社員の人件費負担(年間約1500万円)をそれぞれ免除するという支援は、昨年と一昨年の2年間で終わっており、この上に、蒸気が100%活用できず光熱費負担が予定より余分にかかるとすれば、今後の経営見通しはどうか。