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杉山たかのり議員の討論
2013年12月19日

意見書案第28号「特定秘密保護法の強行可決に抗議し、ただちに撤廃を求める意見書」に対する杉山たかのり議員の討論


クリックで大きな写真を表示 12月市議会最終日、日本共産党西宮市会議員団と無所属議員2名(たかはし議員、よつや議員)で共同提案した意見書案第28号「特定秘密保護法の強行可決に抗議し、ただちに撤廃を求める意見書」が上程されました。採決では、政新会、公明党議員団、蒼士会、むの会が反対し、賛成少数で否決されました(退場も数人)。
 杉山たかのり議員の賛成討論を紹介します。


 


 ただいま上程中の意見書案第28号「特定秘密保護法の強行可決に抗議し、ただちに撤廃を求める意見書提出の件」について、日本共産党西宮市会議員団の賛成討論をします。

 意見書案が示すとおり、安倍内閣と与党(自民党・公明党)が強行成立させた特定秘密保護法は希大の悪法であり、中身だけではなく、その成立過程も、許し難いものでありました。
 それは、この法案を審議すればするほど、重大な問題点があらわになるからです。それは、本法案の骨格自体が、国民主権、基本的人権の尊重、平和主義という日本国憲法の基本原理を根底から覆す、極めて危険な違憲性を本質としているからであります。
 
第一に、「特定秘密」の指定が政府に委ねられ、政府が保有する膨大な情報の中から、その恣意(しい)的判断で勝手に決められることです。国民は、何が秘密かも秘密とされる社会のなかで、自分が近づいた情報の中身も分からないまま処罰されうるのです。
 政府が、いくら「特定秘密の範囲は、別表で防衛・外交などに限定されている」と繰り返しても、秘密指定の要件が「わが国の安全保障にとって著しく支障を与えるおそれがある」という広範かつあいまいなものである以上、際限なく指定されるおそれがあることは、あまりにも明白です。
 そもそもわが国の国家秘密のほとんどは、日米安保体制の根幹に関わるものです。核密約も沖縄返還密約も隠し続け、わが党が米国で公表された文書そのものを国会で示して追及しても、目の前にあるものを「ない」とウソの答弁を繰り返してきたのが、歴代自民党政府ではありませんか。しかも修正合意によって、秘密の指定期限は60年に延長されました。60年前の旧安保条約当時の非公開文書が「特定秘密」に指定されれば、120年以上にわたって国民に明らかにされないことになります。これは、まさに「永久秘密」でといわなければなりません。

 第二に、懲役10年以下の重罰と威嚇や、「適性評価」の名によるプライバシー侵害と権力の監視にさらされるのは、限られた公務員のことさらな漏えい行為だけではなく、広く国民の普通の日常とその自由であり、報道の自由だということです。
 政府・与党は「一般の国民は一切処罰の対象となりません」とか「報道機関や取材の自由は保障される」などと繰り返してきましたが、捜査機関が必要と判断するなら、逮捕勾留で身柄を拘束した密室での取り調べも、捜索差し押さえも行われうる。そのことは刑事司法を所管する大臣も総理も認めています。自白の強要や盗聴など違法捜査が横行する危険は一層強まることになります。
 しかも、その逮捕や捜索差し押さえ令状にも、起訴状や判決にも、秘密の中身は明らかにされません。これは、処罰は憲法違反ではないのかを国民が争うことを困難にする暗黒裁判にほかならない。まさに、報道機関から国会議員、広範な国民にいたるまで、捜査機関の一存で、容易に処罰することを可能とする弾圧立法そのものであります。
 こうした重罰法規は、それだけで言論・表現の自由を萎縮させ、民主主義社会をその土台から掘り崩し、日本を暗黒社会とするものです。

 第三に、特定秘密と指定されれば、情報の国会への提供さえ政府の裁量に委ねるばかりか、「秘密会」に提供された秘密を同僚議員に話すだけで重罰にかけるなど、国会の国政調査権、議員の質問権を乱暴に侵すものです。

 そして、狙いは国民の目、耳、口をふさいで、「戦争する国」づくりであります。
 米国のオープン・ソサイエティー財団は、国家の安全保障と国防に関する国民の知る権利を厳しく制限する点で、国際基準に程遠いとして「深い懸念」を表明しています。同財団の上級顧問で元米政府高官のモートン・ハルペリン氏は「21世紀に民主的な政府が検討した法律の中で最悪レベルのものだ」と批判しています。
 自民党の石破幹事長は、同法に反対するデモ活動を「テロ行為と本質において変わらない」と世論を敵視し、「特定秘密報道で人が死んだらどうなるのか」と、今度は報道機関を恫喝しました。ここに同法がまさに、国民弾圧法だということを表しています。こんな政治家と同じ立場に立ってはなりません。
 我々議員は、民主国家の議会人、政治家として、憲法違反の悪法、国民を弾圧するための悪法を断じて許してはならないし、戦争への道、暗黒社会への道を断固、阻止せねばなりません。

 日本共産党は、日本の政党の中で唯一、戦前から国民主権を主張し、あらゆる戦争に反対をしてきた政党として、特定秘密保護法の撤廃を求めるものです。
以上、日本共産党西宮市会議員団の賛成討論とします。