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まつお正秀の一般質問
2014年06月27日

西宮の農業について


 西宮市は阪神間の自治体の中では比較的に農地が多く残っており、都市農業が盛んなまちです。北部では水稲を中心に、南部では北側の主に瓦木・甲東地域を中心に、軟弱野菜の栽培などが行われており、ネギについては県下で1・2位を争う生産量を誇っています。しかし10年前と比較してみてみますと、206haあった農地は180haに減少し、特に市街化区域における減少が顕著となっています。市内423戸の農家のうち専業農家はわずか55戸で、兼業農家が148戸、自給的農家(これは耕作面積が50a未満かつ農作物販売が年間50万円未満の農家)が220戸となっており、小規模で家族的な農業が中心といえる構造がみえてきます。
 こうした現状の中で、これまで市は二次にわたって西宮市農業振興計画を策定し、農業の持続的発展を目指して取り組むとしてきました。しかし、農業が魅力ある職業として後継者に引き継がれていくのか、また地域経済活性化の一翼としての位置づけがされてきたかといえば、必ずしもそうなっていないと私は思っています。毎年3月議会では市長の行政方針が述べられますので、議事録がインターネット公表された1966年(昭和41年)からの行政方針を確認してみました。その時から事業・施策の中に農業について記述がありますからそれ以前からも触れられていたと思われます。阪神大震災の年には触れられない時もありましたが、おおむね毎年言及されていました。ところが山田市長の半ば、具体的には2005年度からほとんど触れられない、触れてもわずか二行程度が一回、河野市長に代わった2010年度からは行政方針で有害鳥獣対策は出てくるものの、農業の振興には一言も触れられていません。ここに今の市の農業に対する姿勢が表れているのでないでしょうか。
 都市農地の多面的な効能が評価され、地産地消によって生産者と消費者とが顔の見える関係でお互いが支えあい喜び合う関係を作り、生産者は経営が成り立ち希望も持てて、消費者は新鮮で安くおいしい野菜が食べられる、そんな農政が求められていると思います。その意味から、現在の農政についての課題を明らかにして、直ちに対策を行っていかないと手遅れになるような気がいたします。市長はケーキ屋や青果店をされている友人の畑の農作業の応援に行って、そこで食べた人参が大変おいしかったとブログに書かれ、こんな野菜なら野菜嫌いもなくなるのに、とも書かれており、農業にも関心は高いのではないかと想像するところです。
 市は、2005年3月に2006年度から2015年度までの第二次の西宮市農業振興計画を策定されておりますが、策定2年前から有識者なども交えた懇話会の設置、農業従事者や市民へのアンケートに取り組まれて準備されました。このスケジュールからすると、今年度にはすでに策定準備に着手する時期に来ていると思います。

そこで質問ですが、
 一点目、市長は西宮の農業について、今後の政策の中にどのように位置づけられるつもりか伺います。
 二点目、西宮における今後の農政の課題についてどのようにとらえているかお聞かせください
 三点目、第3次の西宮市農業振興計画作定準備の時期にきていると考えますが、その進捗状況についてうかがいます。