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2015年度当初予算編成に対する申し入れ
2014年08月28日

防災危機管理局


  1. 2015年1月、阪神淡路大震災から20年を迎えるが、震災から時間が経過し防災に対する意識も薄れていた中で東日本大震災が起き、日常的な防災啓発の大切さをあらためて教えた。市としてあらゆる角度から啓発を行い、住民の命を守るという点でさまざまな情報提供を行うとともに、災害が起きた時には迅速に対処できる準備をしておかねばならない。南海トラフ巨大地震において、国・県の被害想定の見直しを受けて現在西宮市でも地域防災計画の策定が進められているが、見直しに当たっては住民の意見も反映し、実際の災害では季節や時間帯などによって被害状況が変わることも含め、住民にわかりやすい計画とすること。


  2. 地震や津波に対しては情報をいかに早く伝えるかが肝心である。現在普及されている「さくらFM緊急告知ラジオ」は、災害時に電池による電源が自動的に入り災害情報を最大音量で聞くことができる。また、緊急的なライトの役割も兼ね備えている。現在市が購入費の約半分を補助し普及をしているが、このラジオの効用や補助制度についての広報を幅広く行い、さらに普及をはかること。


  3. 国は今後想定される南海トラフ巨大地震では最大規模をマグニチュード9.1とし、西宮での津波は最大5メートルとしている。今後配布されるハザードマップについては、津波被害ではレベル1とか2の場合、あるいは防潮門扉の開閉状況など、あくまで仮定であることをわかりやすく掲載すること。また、実際の災害では市民がハザードマップだけによる判断をするのでなく、自分の命は自分で守ることができるように、臨機応変の対応が大切であることもあわせて記載すること。


  4. 従来の地震・津波想定(M8.4、3m高)では問題なしとされている防潮堤だが、新たな国の推計による最大津波高は5メートルと想定されており、高さも構造も根本的な見直しが必要になっている。県は国の指針をもとに見直しをしたが、県による整備の優先順位待ちでは西宮市の場合は10年以内の整備となる。防潮堤については早急に点検を行うよう県に求め、必要があれば県に要請の上、早期に整備を行わせること。


  5. 津波避難ビルについては、さらに協力を求め増やすと同時に、建物へのわかりやすい表示を行うなども含めて、住民に周知をはかること。


  6. 甲陽園地域など勾配のきつい地域においては「避難所はたどり着くまでが困難」などの住民の意見がある。現在の避難所の配置や箇所数が適切か検討し、民間施設などの協力を求めたうえで、増やす方向で取り組むこと。


  7. 東京電力福島第一原発事故によって、今なお12万近い人たちが故郷を追われて避難生活を送り、除染の見通しもたっていない。大飯原発再稼働中止を求める住民訴訟において、福井地裁の判決では250キロ圏内に及ぶ影響があることに言及し、経済性よりも生存権を含む人格権を優先させるべきとの判断を下した。しかし、政府は安全神話にもとづいて川内原発再稼働に向けて動き出し、海外に原発を売り込もうとさえしている。現在一基の原発も運転されていないにもかかわらず、電力が足りない状況にはなっていない。したがって、次のことに取り組むこと。
    1. 政府に対し、原発の再稼働の中止とともに原発からの撤退を求めること。また、汚染水対策などにもしっかり取り組むよう求めること。

    2. 福井県の原発が事故を起こせば兵庫県にも多大な影響が出ることが明らかになっている。また、琵琶湖が放射能で汚染をされると市民の飲み水にも大きな影響が出る。この際関西電力に対し、原発の再稼働をやめるように申し入れること。

    3. 「脱原発をめざす首長会議」に加入し、脱原発の世論を広げる役割を果たすとともに脱原発の運動の先頭に立つこと。


  8. 最近の異常気象による局地的豪雨で、各地で土砂災害が相次いでおきている。県とも連携して危険個所を洗い出し、早急な対策を講じること。


  9. 2014年8月31日に芦屋市潮芦屋をメイン会場として行われる兵庫県・阪神地域防災訓練には、県知事の要請により突然米軍が参加することとなり、関係自治体に戸惑いと困惑を与え、市民からも抗議の声があがっている。在日米軍は本来、海外派兵を目的とした軍隊であり、実際の災害時に救援分担ができるかどうかわからない不安定な組織を訓練に組み込むことはふさわしくない。米軍が防災訓練に参加したという実績をつくり、国民の中にある米軍に対するアレルギーを緩和しようとする国・県のもくろみは明白である。県に対し、今後の訓練については米軍参加要請を行わないよう申し入れること。