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野口あけみの質疑
2014年09月09日

子ども子育て支援新制度関連議案に対する本会議議案質疑


 議案第473号以下、478号まで6本の議案が、子ども子育て支援新制度関連議案ですが、うち、おもに、議案476、477、478について質疑をおこないます。

 新制度は就学前の子どもたちを対象にしたこれまでの保育所、幼稚園の制度を大きく改変するものです。施行は目前ですが、保育を市場化する改革をベースに、幼稚園との一体化や、教育制度の改革も目標とされ、さらに関係者や国民の運動も反映して、制度自体が大変複雑でわかりにくいものとなっています。
 新制度の特徴を私なりに整理し、述べます。
  1. 異なる基準の多様な保育・教育が併存することになる。
    施設型給付として、0歳から5歳までを対象とする従来の保育所、4種類の認定子ども園、幼稚園。幼稚園は新制度の移行しないこれまで通りの私学助成を受ける幼稚園も残ります。本市ではほとんど新制度に移行しません。地域型保育給付として、主に0,1,2歳児を対象にした小規模保育A型、B型、C型、家庭的保育、事業所内保育、居宅型保育があります。これらは施設ごとに、施設基準や保育者の資格要件など認可基準が違い、格差が生まれます。
    新制度では、これら保育に係る給付以外に13種の地域子ども・子育て支援事業もあり、今後具体化されます。

  2. 新制度では利用の際に市町村が行う1号、2号、3号という「保育の必要性」の支給認定を受け、2号、3号認定の子どもは「保育の必要量」の認定を受けるしくみとなっています。

  3. 最大の特徴ともいえるが、原則、施設利用は保護者と事業者の「直接契約、直接入所」にかわるということです。保護者は応能負担での自己負担分以外を公費から給付費を受け、施設が代理受領をします。しかし、これには例外があります。後で質問します。
    原則「直接契約・直接入所」ですが、実務上はすべての施設について、市が申し込みを受け、利用について調整、あっせん、要請を行い、形の上ではあまり変わらないことになりそうです。


 来年4月から実施するためには、この秋から具体的な手続きが進められなければなりませんが、国からの省政令も遅れに遅れ、多くの自治体で関係条例が提案され決定されるのは、9月議会。保育料設定や事業計画はさらに先になります。準備が十分であるとは言えません。
 消費税増税を財源とするとしているため今後の財源確保も不安定なままです。また、行政対応の遅れもあり、制度の当事者である保護者や保育・幼稚園関係者にほとんど新制度のことが知らされていないなど、新制度は大きな問題を抱えています。

 以上を前提に、聞きたいこと疑問点はたくさんありますが、しぼって、保育所、幼保連携型認定子ども園、地域型保育給付の3項目について、それぞれ何点かずつ質問します。

  1. 公立・民間保育所について
    1. 原則「直接契約、直接入所」の例外が、公立・民間保育所です。児童福祉法24条1項が残ったことにより、市町村の保育実施義務がこれまでどおりあります。その内容についてお答えください。

    2. 1・2歳児の保育士配置について条例上は、6:1としている。しかし運用の面では、公立民間とも5:1としている。それぞれいつから、どういう目的で、また実施根拠をどこにおいて行っているか。

  2. 幼保連携型認定こども園について
    1. 山田議員への先日の答弁で、「公定価格の水準が低く抑えられたことや施設の収容能力の問題等により、認定こども園は大きく増加する状況にないが、私立幼稚園の認定こども園への移行を促進することは、待機児童解消の手段として有効だ」とされていました。
      待機児童の大半は0歳から2歳です。一方で、認定こども園での0歳から2歳の受け入れは任意となっている。0歳から2歳の3号子どもを受け入れる認定こども園でなければ待機児童解消にはつながらないが、どうか。

    2. 前年度の厚生常任委員会では木村委員長のもと、幼保連携型認定こども園の基準についてを施策研究テーマの一つにあげ、研究、議論してきました。そこでは10人中8人の委員が、「1・2歳児の保育士配置を5:1とすべき」との意見をのべられたところです。「保育・教育の質の確保」「低年齢児に事故が多いため」などの理由からです。ところが、議案第478号の条例案では6:1の国基準の提案となっています。多くの委員の意見が取り入れられず、残念です。幼保連携型認定こども園の1・2歳児の保育士配置は5:1とすべきです。お答えください。

  3. 家庭的保育事業等の地域型保育給付について(議案477号で新たに条例化。家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準を定める条例)
    1. 国の基準にかかわらず、保育の質を確保するためには、家庭的保育事業、小規模保育B型、C型、ならびに事業所内保育事業において、保育補助者も含め、すべて保育士資格とすべきと考えるが、どうか。

    2. 食事の提供については条例案の16条などで自園調理としているが、一方、17条等で外部搬入を認めている。現在の状況と、今後は実際にどうなるか。

    3. 条例案の7条等で連携施設の確保がいわれている。特に、家庭的保育事業(保育ルーム)や小規模保育は主に0,1,2歳を対象としているため、3歳以降は保育所を移る必要がある。その受け皿が連携施設だ。今後の取り組みは

*その他、
*上乗せ徴収、実費徴収については基準を作るべきだがどうか。
*障害のある子どもの入所について
*特定教育・保育施設(認定こども園、幼稚園)(家庭的保育事業等は?)では、「支給認定保護者からの利用申し込みを受けた時は、正当な理由がなければ、これを拒んではならない」としている。「正当な理由」について基準が必要ではないか。