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上田さち子の反対討論
2014年09月17日

「公共施設保全積立基金条例」について


 ただいま上程中の、議案第467号 西宮市公共施設保全積立基金条例制定の件につきまして、日本共産党西宮市会議員団として、原案についての意見及び修正案についての反対意見を申し上げます。

 今回の条例案は、今後、計画修繕や改築の時期を迎える公共施設が増える中で、公共施設白書に記載された箱ものを対象に、補助対象とならない施設の修繕・改修に係る事業に対応するため、6億円を今後50年間、毎年積み立てる特定目的基金を設置しようとするものです。
 6億円の根拠は、今後50年間の修繕・改修に必要な財源をシュミレーションし、総額589億円として割り出したということです。基金との差額は、毎年当初予算において、基金とは別に上限で7億5000万円を予算化すると説明がありました。
 日本共産党市会議員団は、基本的には公共施設の修繕・改修費用について、これまで通り毎年の当初予算で手当てすべきものと考えており、必ずしも新たな基金の設置が必要という立場には立ちません。しかし、一定額の基金をもつことについても反対するものではないことから、本条例案については賛成です。
 次に、修正案についての反対意見を申し上げます。修正案は、原案の第2条第1項で積み立てる額を「規則で定める額以上の額」とあるのを、「毎会計年度において、一般会計の歳入歳出決算上生じた剰余金から、翌年度に繰り越した歳出予算の財源に充てるべき金額を控除した額の20%に相当する額、又は6億円のうち、高い方の額」に修正しようとするものです。
 例えば、25年度決算を例にとると、剰余金47億5700万円から、翌年度に繰り越すべき財源2億8200万円を控除した額は44億7500万円。この20%に相当する額となると、8億9000万円・約9億円となって、6億円より約3億円上回ることになります。つまり、高い方の額となれば9億円を基金に積み立てるという修正案です。
 修正案の質疑の中で、提案者に目標額をお聞きしましたが「目標額はなし」とのことでしたが、原案を修正しようとする場合、積立て目標額の根拠が示されてしかるべきではないでしょうか。また、規則で積立金は6億円とするのは不十分であり、条例で金額を明記することが必要とも説明されました。
 果たして、毎年の決算剰余金の20%もの一般財源を、この新たな基金のみを突出させて、根拠もなく増やし続けていくことが必要でしょうか。西宮市には多くの行政課題があり、決算剰余金は有効に市民のくらしや福祉、子どもたちの教育環境改善にこそ活用すべきであります。例えば、長寿ふれあい基金が枯渇してきたので、高齢者の外出支援などに活用される「高齢者交通助成事業」を縮小見直ししようとしていますが、このような事業にこそしっかりと予算を振り向けて、本格的な高齢化社会に向き合うべきです。
 以上のことから、日本共産党西宮市会議員団は、修正案には賛同できません。
 以上討論といたします。