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佐藤みち子の反対討論
2014年09月29日

教育委員会委員任命の反対討論


 ただいま上程されております議案第493号西宮市教育委員会委員の任命について同意を求める件について、日本共産党西宮市会議員団は反対をします。
 以下、討論をします。

 市長は、任期満了となる井ノ元由紀子教育委員の後任に西川淳氏を任命、選任したいと議会の同意を求め、提案されたところです。
 行政委員会制度は、戦後の行政改革のなかでうまれました。地方政治でいえば、教育や警察、選挙など、首長が支配することが望ましくない分野などに行政委員会が設けられました。教育委員会、選挙管理委員会です。そこでは首長がことを決するのではなく、一定の手続きをへて選出された複数の非常勤を中心とする委員たちが合議してことを決します。委員一人ひとりには権限はなく、委員会としてはじめて権限をもつしくみ、合議制執行機関と呼ばれています。教育行政を行政委員会としたのは、戦前の軍国主義教育の反省から、教育の自主性を尊重し、教育内容への政治介入を避けるためです。
 ところが、教育委員会制度を見直す地方教育行政法の改正案が自民、公明、生活の3党の賛成多数で可決され2015年4月から施行されることになります。この法案は教育委員会制度について2つの点を改悪しています。1つはすべての自治体に教育の基本計画である「大綱」の策定を義務付け、その策定の権限を首長に与えています。もう一つは教育委員長を廃止して「新教育長」に権限を統合し、首長の直接任命としたことです。しかし、最高意思決定機関は教育委員会であるという制度は変えることができませんでした。このことは政治介入を許さないために意味を持つものとなりました。

 さて、教育委員任命にあたって、西川淳氏は市長が自ら専任した人物であり、市長の知り合いだとお聞きしています。市長の任命理由として、西川淳氏は金融機関に勤務した後に、民間中学校、高等学校において教諭、教頭、校長を歴任し、2014年4月、その経営能力が認められ、学校法人の経営企画部長に就任。教育現場での豊富な経験とともに、民間企業での勤務経験を有し、経営についても高い見識を有する。適任であると述べました。
 教育者でありながら経営能力が認められとはどういうことなのか、違和感を感じます。
 経歴を見ますと西川淳氏は、昭和56年4月から私立甲子園学院の教諭として勤務し2002年(平成14年)4月に同中学校・高等学校の教頭に就任。2008年(平成20年)校長に就任しています。インターネットで検索すると、多数の記事がでてきます。西川淳氏が教頭に就任した年から、高校2年の修学旅行で靖国神社をコースに組み入れました。生徒は授業で靖国史観にたった日本の近現代史を学び、靖国神社の歴史に関する事前研修を受けた上で訪問。靖国神社を昇殿参拝し、軍事博物館である遊就館も見学しています。
 靖国神社は戦後、信教の自由や政教分離を厳格に定めた日本国憲法のもと、一宗教法人となりました。しかし、日本の行った戦争は正義の戦争だったとする特異な戦争観を持っています。1986年に同神社の付属施設遊就館が再開、日本の過去の侵略戦争を美化・正当化する「靖国史観」の宣伝センターの役割をしています。このような考えは日本のごく一部の勢力だけに通用する話であり、世界に通用する話ではありません。平和教育にもっともふさわしくないのが靖国神社であり遊就館です。
 市の中学校では「東京書籍」が発行している歴史教科書を使っています。戦争については、満州事変、中国侵略から始まり、第2次世界大戦まで11ページにわたって記述しています。植民地と占領地の記述では、多数の朝鮮人や中国人が意思に反して日本に連れてこられ鉱山や工場で劣悪な環境で働かされていたこと。動員は女性にもおよび、戦地で働かされた人もいた。日本語教育の押しつけ、各地で抵抗運動がおこり日本軍が厳しく弾圧し多くの犠牲者が出たこと等の記述があります。歴史の史実に基づき戦争の悲惨さや2度と戦争はしてはいけない。このことが教科書から読み取ることができ、靖国史観とは相いれないことは歴然としています。

 また、2007年(平成19年)1月14日に開催された「教育再生民間タウンミーティングin神戸」で同時、教頭だった西川淳氏は「日本は戦後、経済的には再起したが、精神的にはどうか。戦後教育は日教組(日本教職員組合)や全教(全日本教職員)に牛耳られ、いじめや自殺、校内暴力の小学校への広がり、不登校、不純異性行為などの問題に現場教師も右往左往の状態だ。一日でも早く、日本古来の伝統を守り、学校教育・家庭教育を立て直すよう、その一助となれば幸いである」と述べています。
 子どもを人間として尊重することを忘れ、学校を人間味の薄い形式的な場にしてきたのは歴代の自民党政権が作り出してきたものです。日教組や全教ではありません。むしろ困難なことが多い学校現場で奮闘しているのが教師です。このように教師を敵視する考えの持ち主が果たして市の教育委員にふさわしいのでしょうか。
 子どもを人間として尊重することを忘れ、学校を人間味の薄い形式的な場にしてきたのは歴代の自民党政権が作り出してきたものです。日教組や全教ではありません。むしろ困難なことが多い学校現場で奮闘しているのが教師です。

 今回の教育委員人事では「新日本婦人の会西宮支部」「全教西宮教職員組合」「兵庫県高等学校教職員組合西宮支部」「西宮の子どもたちの教育を考える会」から、西川淳氏の教育委員の任命は問題ありとする申し入れが各政党、会派にありました。このようなことも異例です。
 以上、日本共産党西宮市会議員団の反対討論とします。