HOMEへ
野口あけみの賛成討論
2014年12月16日

請願第46号、神鋼神戸石炭火力発電所増設に関する請願について


 請願第46号、神鋼神戸石炭火力発電所増設に関する請願について、採択すべきとの立場で、日本共産党市会議員団の討論を行います。
 本請願は、阪神淡路大震災後のどさくさの中で、石炭火力発電所を建設稼働させた神戸製鋼所が、新たに140万キロワット規模の石炭火力発電設備を増設し、280万キロワットの国内で2番目の大きな石炭火力発電所となることについて、神戸製鋼所に対し、増設をやめること等を求める決議を、西宮市議会としてあげるよう請願したものです。
 石炭はCO2やばいじんなどの大気汚染物質や、水銀などの有害微量物質を大量に排出する火力発電の中でも質の悪いものです。高水準の環境対策設備をつけても有害物質の100%除去は不可能です。
 請願団体の調査によれば大気汚染物質の多くは東に拡散されます。兵庫医科大学の島正之教授による、国道43号線を通行する車の排ガスが西宮、芦屋、尼崎の43号線周辺に住む小学生の喘息発症率を高めているという調査結果が公表されていますが、石炭燃焼による排出物質も車の排ガスと同等であり、西宮住民へのさらなる健康被害が懸念されています。先進国では、同じ火力発電でも石炭燃料は廃止の方向で動いており、温排水利用などの高効率火力発電への移行が進んでいます。
 また、原発が現在1基も稼働していない中で、電力が足りていることは周知の事実であり、関西電力も認めているところです。
 これらを総合的に勘案すれば、新たな石炭火力発電設備の増設は不要であることは明らかではないでしょうか。
 請願者が今稼働中の石炭火力発電についても懸念を抱いておられることは推測されますが、請願の趣旨は、これ以上の増設はやめてほしいという切実なものであり、ぜひとも採択されるよう求めるものです。
 以上、日本共産党西宮市会議員団の賛成討論とします。