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2015年01月29日
今村市長の「今後の市の報道機関対応について」の撤回を求める申し入れ西宮市長 今村 岳司 様 日本共産党西宮市会議員団 団長 杉山たかのり 今村市長は1月23日、市長定例記者会見において、「UR借上げ市営住宅返還問題の偏向報道を受けての今後の報道機関対応について」と称するコメントを発表した。 これは、さる1月15日、テレビ大阪「ニュースアンサー」が放映した阪神淡路大震災20年にかかわるUR借上げ市営住宅についての番組において、「誤解を生じ、偏向報道と受け止められる放送がなされました」として、番組を制作したテレビ東京に抗議し、今後の報道対応について、@取材を受ける際は、市民の誤解を招かないために、市として市民に伝えるべき内容を提示して、確実に報道してもらうよう要望する、Aテレビ取材を受ける際は、広報課が立ち会い、ビデオ撮影を行う、B複数の報道機関による過熱取材となる場合には、個別取材による対応ではなく、レクチャーの場等を設定して対応する、C報道機関が偏向報道と受け止められる報道を行った場合は、文書または口頭での抗議を行い、その旨を市の広報媒体で発信するとともに、改善されない場合は、当該報道機関からの取材は、一切応じないこととする、の4点を基本にするとした。 この報道対応は、テレビ報道に市が介入し、「偏向報道」の基準を、市が決め、判断し、検閲をする、気に入らない報道機関は排除するということに他ならない。 放送法には、表現の自由、放送の自律がうたわれており、守られるべきである。しかし、今回のようにテレビ報道に行政が介入することになれば、表現・報道の自由を萎縮させ、ひいては国民の知る権利を奪いかねない。これは、民主主義に逆行するものあり、断じて許すことはできない。 この今村市長の報道対応に対して、「報道が公平・公正かどうかはあくまで市民が決めるもの。公的機関自らが判断するのは民主主義に反し、思想統制にもつながるおそれがある」(1月23日神戸新聞、大石泰彦・青山学院大教授)、「声明文を出すことは口頭で発表する以上に重く、メディアの萎縮につながりかねない。市に不都合な悪や疑惑を暴くのが難しくなる」「市民の知る権利を制限する可能性がある」(1月27日朝日新聞、岩渕美克・日大教授)など、批判の声がある。また、「市民の声」やインターネットからも抗議の声があがっている。 今村市長が「偏向報道」とした番組が取り上げた、UR借上げ市営住宅問題は、西宮市が入居者に対し、入居決定時に借上げ期限を通知するという事前通知を怠るとともに、他の自治体が高齢者、障害者等に対し継続入居の支援策を示す中で、西宮市だけが全員転居の方針をとっており、この間各報道機関もそのことを視聴者に伝えている。番組では、市のとっている施策も一定伝えられており、偏向報道との指摘はあたらない。逆に、市は事前通知を怠っているのにもかかわらず、番組の中であたかも実施してきたかのような虚ともいえる説明をしている。「偏向報道」とする一方で、報道機関を都合よく利用している今村市長と西宮市にこそ問題がある。 1月26日、今村市長は「偏向報道」の表現と「取材拒否」については撤回したものの、「趣旨は変わらない」と説明しており、その姿勢はなんら改まっていない。 よって、「今後の報道機関対応について」は、ただちに撤回するとともに、今後このようなことがないよう、強く抗議し申し入れるものである。 以上 |