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佐藤みち子の一般質問
2015年06月29日

むつみ・芦原保育所の合築問題について


 今年の4月の保育所待機児童数は厚生労働省の定義で数えると76人ですが、実際の待機児童数は469人になり、昨年より160人増えています。依然として保育所を必要としている人が増え続けています。
 さて、むつみ保育所は定員90名で1970年に建設され私も参加しました。築45年、芦原保育所は1980年建設、築35年になります。当初は2015年にむつみ保育所の建替え、2016年に芦原保育所の耐震補強の工事を予定していましたが、それぞれに仮設園舎が必要、むつみ保育所は建ぺい率の関係で現在と同規模の建物が建設できないとの理由で計画を変更しました。市の計画では老朽化が進んでいるむつみ保育所・むつみ児童館、芦原保育所を、「みやっこキッズパーク」西側にある市有地に移転し、新たな統合施設として整備、耐震化を図るとしています。保育所については、公立保育所として求められる長時間保育や休日保育、障がいのある児童に対する支援など特別保育を充実させ、セーフティネットとしての機能強化を図ります。併設する児童館部分についても、隣接する「みやっこキッズパーク」を活用した運用を行い、子どもたちの活発な成長を支える拠点的な児童館として幅広い事業展開を行い、新たな施設を中心として、「西宮市立子育て総合センター」や「西宮市立こども未来センター」との連携を進めるとのことです。施設内容は1・2階は保育所、3階は児童館、保育所定員は210名、建築事業費として約13億円を見込んでいます。この計画については2015年1月に両保育所の父母の会に説明され、3月議会で予算が通っています。
 保護者は、合築して大規模保育所になれば子どもの安全やひとりひとりの子どもを大切にする保育が守られるのかと、説明会で当局に質しましたが納得のいく答えがないとのことで、2015年3月議会に父母の会から、@計画を急いで進めるのではなく、保護者や保育関係者の意見を聞き、安心して預けられる保育所の整備をしてほしいA芦原保育所の簡易耐震化は早急に行ってほしいと、合築計画についての請願が出され全会一致で採択されました。
 5月15日、この問題でパブリックコメント(以下パブコメと言う)を実施することについての所管事務報告が厚生常任委員会で開催されました。委員から「子どもが210人、子どもの掌握ができるのか」「大規模保育所の安全面についての不安が少しも払しょくできない」「配置図だけで入口も窓も何も示していない、イメージもわかない中でパブコメをすることに疑問を感じる」「パブコメは延期すべきだ」との厳しい意見が相次ぎました。
 両保育所の保護者に向けて5月24日から6月24日まで実施されるパブコメについての説明会が5月23日に開催され私も参加しました。保護者からは「配置図だけでイメージできない」「保育士全員が210人の子どもを把握できるのか」「合築に反対意見が多かったらどうするのか」等々、ここでも厳しい意見が出されました。
 こんな時期にパブコメをすること自体が間違っているし、計画についても見切り発車すべきではありません。

質問
  1. 合築で200人規模の保育所では、一人一人の子どもの気持ちに寄り添った保育ができるのか、子どもの安全が守られるのか、と言う保護者の疑問に当局は何ら答えていない。保護者の不安をどう解消するのか。お聞きします。

  2. 歩道の拡幅、入口の二重化、駐車場・駐輪場の確保などのために敷地を使うことになり園庭はかなり狭くなる。移転統合するメリットはないが当局の考えをお聞きします。

  3. 長時間保育や休日保育、障がいのある児童への特別保育等に取り組むとしているが、これは全公立保育所の課題であり、統合とは関係ない。これらの問題は統合しないとできないのか。お答えください。

  4. 当局の説明では2つの保育所を合築した場合の建設費は約13億円。現地でそれぞれ建替えた場合は約15億円かかると説明している。過去に建て替えをした鳴尾東保育所は本体工事で2億7,592万6千円、現在建替え中の学文殿保育所は3億7,272万7千円です。この差は何か。お聞きします。

  5. 希望する保育所に入所できない子どもが469人になっている。また小規模保育所から2歳、3歳で認可保育所に転園等の問題もあり認可保育所はまだまだ必要である。芦原・むつみ保育所は現地で建替え、合築を予定している場所に定員90人〜120人規模の保育所、児童館を建設し保育所の定数増をすべきと思うがどうか。お聞きします。