HOMEへ
まつお正秀の一般質問
2015年07月01日

UR借り上げ市営住宅問題について


 ただいまより、日本共産党西宮市会議員団を代表して、私、まつお正秀が二つのテーマで一般質問を行わせていただきます。傍聴の皆様ご苦労様です。

 では一つ目のテーマはUR借り上げ市営住宅問題について。
 今回の借り上げ住宅問題についての質問は、一つは市の借り上げ期限がこの9月末に迫った青木町のシティハイツ西宮北口(以下シティハイツ)での市の対応について、もう一つは借り上げ住宅返還をめぐる市とURとの合意書及びその後の対応についてと、二つに分けて行います。

◎まず、借り上げ住宅問題における今回の質問を行うにあたって、その前提の話として、阪神大震災後に改正された公営住宅法において、新たな仕組みとして出来た借り上げ住宅制度では、自治体は当初恒久住宅という位置づけをしていながら、最近になってURと市との借り上げ期限が20年ということで住み替えを求めています。我が党議員団はこのことにおいて、公営住宅法における市の義務違反を一貫して追求してきたところです。その内容は、この住宅は入居が決定した人に対し二つのこと、一つは借り上げ期限のある住宅であること、もう一つは借り上げ期間の満了時に当該公営住宅を明け渡さなければならないこと、この二つを借り上げ当事者である自治体が、入居が決定した人に通知することが義務であるにも関わらず、それがなされないままこの間、住み替えを半ば強要しているという問題です。当時改正された公営住宅法の解説書では、この入居決定通知書とともに、入居者保護の観点から、入居募集パンフレットに同内容を記載しておくことがさらに好ましいともかかれてます。ところが、市側は入居通知書で二つの内容の記載を怠ってきたことの責任を認めようとせず、入居募集パンフレットにその旨を記載していたことをもって、事足れりという姿勢を続けていることについて、わが党は市の姿勢を批判し続けてきました。 
 また、兵庫県や神戸市でも同様の住宅があるにもかかわらず、年齢では85歳以上、また、重度の障がい者、介護者のいる世帯も移転困難者として継続入居を認めるとしていますが、西宮市だけが全員転居の冷たい方針を取り続けています。そしてその市の責任をあいまいにしたまま、市の借り上げ期限が9月末に迫った青木町のシティハイツ住民に対し、期限までに明け渡しをしないと法的手続き、すなわち裁判をおこすという脅しの文書を送りつけ、繰り返し移転住み替えに応じるように訪問も行われています。そうした中で住民の方たちは、長年培ったコミュニティは転居先で一朝一夕にはできない、そして命にかかわる問題だと、やむを得ず弁護士さんに頼らざるを得なくなり、市が追い出しに向けた裁判を起こすのであれば受けて立とうと借り上げ復興住宅弁護団と、現時点で7世帯が委任契約を結ぶに至っています。
 委任契約というのは、弁護士が代理人となるわけですから、話し合いについては弁護士を通じて行わなければいけないというのが、民法での一般的解釈です。ところが委任契約を受けた弁護団から市に対してそのことの通知がされていたにもかかわらず、この5月には住民に対して弁護士を通さず市の職員による個別訪問が行われていたことが明らかになりました。

 この件での質問ですが、
 一点目、URと市との借り上げ期限がこの9月と迫ったシティハイツの住人に対して、期限後も入居されている人たちに対し、市は一昨年まで無理に転居していただくことはできないと答弁されてきました。しかし。期限の半年前となるこの3月には法的手続きを取るという文書が送られています。本当にそんなことができると考えているのか。
 二点目、弁護士からの委任契約の通知がいつ届いたのか。そして、市として委任契約に対してどのような認識を持ち、市の顧問弁護士はどのような認識だったのか。
 三点目、弁護団と委任契約をしておられる世帯を訪問した日時と、訪問した件数をお聞かせください
 四点目、委任契約をしておられる住宅で戸別訪問をしたお宅には謝罪をすべきではないのか。

◎借り上げ住宅問題ではもう一つ、ルネシティ西宮津門二号棟(以下ルネシティとします)の借り上げ期限前の返還合意、さらにシティハイツで既に行われている空家の返還前工事について質問します。
 この2月、ルネシティで改装工事が行われている住戸がありましたので、何の工事か調べてみますと、借り上げ期限が現時点であと2年5ヶ月後の2017年11月であるにもかかわらず、空き家をURに市が返還したために入居募集のために改装工事を行ない既に2戸に入居がされています。
 この間党議員団は議会において、借り上げ住宅問題で繰り返し質問を行ってきましたが、市側は他市との違いについて、すべてが棟借りだという答弁をしてきました。現に平成25年の6月議会で、この時も私が質問していますが、当時の河野市長は「本市は棟借り、いわゆる建物ごとでございますが、県及び神戸市は、棟――建物借りと、建物の一部の住戸借り、いわゆるバラ借りの二種類でございます」と答弁されています。このことは、西宮の場合は棟借りだから,バラ借りはない、すなわち借り上げ期限で棟ごと返還しないといけないから希望者だけをバラ借りで継続入居させることはできない理由として答弁されてきたものです。市が借り上げた5棟URとの協定書では、唯一ルネシティだけが住戸借り上げと書かれています(お手元に資料があると思います)。その契約書の内容を一部読み上げますが、第4条、この借り上げ住宅の賃貸借期間は、借り上げ住宅の使用開始日から5年間とし、甲乙、すなわちURと市は、その一方から申し出のない限り、同一条件で以降一年毎の自動更新とする。ただし、賃貸借期間は20年を限度とする、とこのようになっています。ですからルネシティに限っては、バラ借りで全住戸を借りるが5年間までで、以降はどちらかが申し入れをすれば契約内容を変更することが可能だったということです。そうであるなら、ルネシティも含めて5団地すべてが2011年1月1日から公募停止されていますから、その時点で空き家をURに返還することは市が申し入れさえすれば可能だったということになります。であれば、少なくとも公募停止以降は空き家の家賃を市がURに払い続けなくてもよかったということです。また、青木町のシティハイツ西宮北口は20年間棟ごとの借り上げであるにも関わらず、既に空家の改修工事が行われており、本当にこの工事が市の責任で行わなければいけないのかという疑念も生まれています。この間当局は、URからの借り上げ住宅を期限で返還する理由の最も大きな一つが、財政負担の問題であり、市民から見て借り上げ住宅にだけ多大な税金を投入することは公平性の観点からもできないと答弁をされてきました。そうであるならば、早く返還できるにもかかわらず、カラ家賃を払い続けて税金を投入し続けたことが、あたかも借り上げ住宅に多大な税金を使っていると市民に思わせるための理由にされてきたといっても過言ではないと思います。

 そこで質問ですが。
 一点目、まず、住戸住棟借り上げと棟借り上げの内容の違いについての説明をお願いします。
 二点目、現在行われているルネシティの住戸返還はどのような経過で、またどのような契約条項に基づいて行われているのか。また、この一月にURと結んだ合意書の内容も含めてお答えください。
 三点目、なぜ公募停止をした時点で空き家の返還申し出をしなかったのか。
 四点目、公募停止を行って以降、空き家をURに返還していたら市の負担はいくら削減されていたか。
 五点目、バラで住戸を返還できるにもかかわらず、カラ家賃を払い続けてきたことについて、税金の無駄遣いという認識はあるか。
 六点目、青木町のシティハイツは20年間の棟借りであるにもかかわらず、すでに空き家室内の工事がこの9月の返還に向けて順次行われています。それはどのような契約、あるいは合意に基づいたものか。