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2016年度当初予算編成に対する申し入れ:市民文化局
2015年09月01日

市民文化局


  1. 地域の集会施設について

    1. 2013年度より設置された公共施設適正配置審議会からこの6月に答申が出され、公民館、市民館、共同利用施設などの統廃合の方向が示された。こうした施設については施設数や稼働率だけでなく、それぞれが持つ固有の機能についても充分に検討し、広く市民に活用されている現状があることからも、機械的な施設の切り捨てはしないこと。

    2. 共同利用施設については設置された歴史的経過も踏まえ、安易に有料化をしないこと

    3. 上ヶ原や甲陽園地域は起伏も激しい上に市民集会施設が不足している。早急に増設すること。また、広田小学校区の国道171号線以北については、公共施設適正配置審議会からも集会施設がないという指摘がなされている。この地域で新設すること。

    4. 地区市民館や共同利用施設は、身体障害者トイレの設置や男女共同トイレの分別とともに、洋式化(温水洗浄便座)等、使いやすい施設に改善を進めること。また老朽化による大規模改修や建て替えも含め、全施設の改善計画を策定しすすめること。

    5. 地域集会所の設置要望は強いが、工事費の3分の1を自己資金として確保しなければならず、新設や改修が進みにくい。市の予算を増額し補助率を引き上げること。


  2. 国民健康保険制度について

    国民健康保険制度は高すぎる保険料により、人権や命を脅かす事態になっている。 
    その大きな要因は国庫負担の大幅削減など、国が果たすべき責任を縮小・放棄してきたためである。その上、政府はその責任を一層縮小するために、2018年度から国保の広域化を推進しようとしている。誰もが安心して医療にかかれる国民健康保険制度をめざし、市として以下のことに取り組むこと。

    1. この間、減らされている国民健康保険会計への国庫負担率を元に戻すよう強く働きかけるとともに、県にも独自助成を増額するよう求めること。

    2. 市は、市民の声を反映させ、2012年度から保険料抑制のためとして3年連続一般会計から10億円の繰り入れを行なってきたが、2015年度は繰り入れを3億円減額し7億円とした。一方で、基金は23億円にもなっており、せっかくの繰り入れが保険料抑制のために使われていないことが明らかとなっている。引き続き、保険料抑制及び減免拡充のための一般会計からの繰り入れを増額するとともに、基金の活用も行い、さらに1世帯あたり約1万円の引き下げを実現すること。

    3. 現在の保険料賦課計算では、滞納見込み分をあらかじめ納付見込み分に上乗せするため、保険料が割高になるしくみとなっている。滞納分は納付者の責任ではない。その分は一般会計からの繰り入れで補てんすること。

    4. 保険料の減免制度を以下のように拡充すること。
      (1)所得激減減免を前年所得金額の5割以下から7割以下とすること。
      (2)2009年度から低所得者の保険料について、所得の2割を超えた分の4分の1を減免することにしたが、所得の2割を超えた分については全額減免とすること。

    5. 窓口一部負担金の減免制度の基準が厳しすぎるため、2013年度の利用は1人、2014年度においてはゼロとなっている。利用しやすいよう条件を緩和し、医療機関を含めてさらに制度の周知徹底を図ること。

    6. 保険料滞納者は人間ドックの受診費用に対する助成対象から排除されているが、分納誓約履行者については助成対象とすること。

    7. 分納誓約者については,突然差し押さえの通知が送られるケースが増えている。
      年に一度はおこなうとされている分納相談において、財産調査をすることもあることなど、ていねいな説明を行うこと。


  3. 相次ぐ医療制度の改悪によって市民の負担限度を超え、病院へ行くことができず手遅れで命を落とす人が増えている。公的医療制度のある国の中で窓口3割負担は日本だけであり、世界の主要な国では窓口負担原則無料や少額の定額制となってきている。国の制度として、少なくとも75歳以上の高齢者と、中学校卒業までの子どもの医療費負担を無料化するよう強く求めること。また、県に対しても、同様のことを要求すること。


  4. 福祉医療費の助成制度については、この間の県「行革」により重度障害者・乳幼児等、こども医療助成制度の「所得合算」による制限強化により福祉医療助成制度から外された市民が多数にのぼる。制限強化を撤回し、所得制限そのものをなくすよう県に強く求めること。


  5. 市が独自で実施している中学3年生までの子ども(乳幼児等)医療助成制度は、子育て世代に歓迎され高い評価がある。この際、福祉医療助成制度の枠からはずし、子育て支援策としておこなうこと。また、就学前までの所得制限撤廃(一部負担金あり)は2015年度行われたが、所得制限撤廃は市長の公約でもある。中学3年生までの所得制限をただちに撤廃し、中学3年生までのすべての子どもの医療費無料化を行うこと。


  6. 後期高齢者医療制度を廃止し、一旦旧制度の老人医療保険制度に戻し、高齢者が安心し医療にかかれる制度を検討するよう、市民の意見・要望等を集約して、国に働きかけること。


  7. 「西宮市参画と協働の推進に関する条例」が制定されたが、実効ある制度とは言い難い。特に、意見提出手続き(パブリックコメント)に意見が少ない実態が続いている。さらに研究し、条例見直しを行うことも含め、参画がより進むよう方法や対象などを検討すること。


  8. 2015年は戦後70年、被爆70年の節目の年となった。あらためて非戦の誓いをしなければいけない時に、政府はこれまで一貫して認めてこなかった集団的自衛権の行使を行うためなどの法整備を行おうとしている。先の大戦で地方自治体は戦争遂行のための下請け機関にさせられた反省から、日本国憲法92条で地方自治体の主体的役割が大きく位置づけられた。平和非核都市宣言をしている西宮市として、こうした国の危険な動きに対して地方自治の精神で国に対して意見を表明するとともに、市が築いてきたこれまでの平和行政をさらに発展させるために、次のことに取り組むこと。

    1. 憲法を遵守するのが公務員の役割・義務である。悲惨な先の大戦の反省のもとにつくられた憲法を時の政権の思惑で勝手に解釈を変えることは許されない。集団的自衛権の行使をはじめ、自衛隊が海外で武力行使をするような法案に反対すること。

    2. 西宮市は県下に先駆けて「平和非核都市宣言」をおこない、平和首長会議にも加盟し核兵器廃絶の取り組みを行っている。平和非核都市宣言をまだ行っていない兵庫県に対し宣言を行うよう求め、非核三原則の法制化を国に求めること。また、市として日本非核宣言自治体協議会に加入すること。

    3. 平和首長会議が取り組んでいる「『核兵器禁止条約』の交渉開始等を求める要請」署名については、今後とも、さまざまな機会を通じて市としても積極的に署名活動をすすめること。また、署名について市として集約できる仕組みをつくること。

    4. 毎年開催されている市の原爆展は平和啓発に重要である。今年、鳴尾で行われた灯ろう流しの一環でミニ原爆展が開催されたが、被爆の実相を伝えるこうした取り組みをさらに強化すること。

    5. 西宮市では1945年5月から8月6日までの間、米軍から計5回の空襲で全市の18.4%にわたって被害を受けた。空襲を経験した人が「語り部」として体験を語っているが年々高齢化している。市として戦争体験を記録する方法を検討すること。
      また、広島では被爆体験を語り継ぐ人を認定して育てている。西宮でも高齢化で被爆者が亡くなる現状の中、戦争体験とともに被爆体験の語り部を育てるような取り組みをおこなうとともに、悲惨な体験・実相などを映像や音声でも記録で残すこと。

    6. 平和資料館(川添町)は移転も含めて早期に拡張すること。展示内容については、日本の近現代史についての関心が大きく高まっている現状からも、戦争に至った経過、日本の加害の事実や戦時下での市民の不自由な暮らしなどが小・中学生にもわかるよう改善すること。

    7. 市役所前六湛寺公園の名称あるいは愛称を、”平和公園”とすること。


  9. 長年、わが党議員団が求めてきた防犯灯の直営化については、2016年度から直営化されることになった。今後、私道に設置されている防犯灯については公道に移設するという方針のもとで、移設が可能かどうかや市が管理を続ける必要があるかなどの調査を行うこととなっている。また、自治会の同意が得られない場合の管理方法などについての詳細が詰められていない。他の自治体の例なども参考に、早急にこうした課題の解決に努力すること。 


  10. 防犯カメラの設置要望が多くなっている。県の設置補助事業とともに、2016年度から市の助成制度で設置もできる方向となった。住民の意見・要望を十分聞いて積極的に設置を進めること。その際、カメラが設置されていることをわかりやすく明示し、プライバシーの保護にも留意すること。


  11. 男女共同参画センター(ウェーブ)は男女共同参画社会の実現に向けての学習や交流の場として定着しつつある。その運営について次の点については改善すること。

    1. 毎年取り組まれている「ウェーブいきいきフェスタ」は登録グループ等で構成する「いきいきフェスタ実行委員会」に委託実施されている。参加する講座や講演会も増え、盛況を示しているが、その予算はあまりにも少ない。思い切った増額を行うこと。また、実行委員会の取り組みの主体性を損なわないこと。

    2. DVや児童虐待が増えている。また、職場での差別、パワハラ・セクハラなど複雑な問題に対応するには、専門職の力量が必要である。昼・夜とも電話相談や面接相談に対応できる体制に充実させること。


  12. 市民だれもが自由に文化を創造し享受できるよう市が主体性を発揮し、次のことに取り組むこと。

    1. 文化振興についての予算を大幅に増額し、文化・芸術鑑賞への助成制度の拡充を行うこと。

    2. 市民が気軽に利用できる小規模ホール、器楽練習場など文化施設を増やすこと。


  13. 市民のスポーツ要求に応えるため、以下のことに取り組むこと。


    1. 民間スポーツ施設が市内に増えているが、料金も高く利用できない市民も多い。サンアビリティーズのような、低料金で手軽に利用できる公的スポーツ施設を抜本的に増やすこと。

    2. 市立中央体育館は現地建替えの予定である。早急にすすめ、市民要望の強い温水プールを整備すること。今後の計画では市民要望の強い多目的広場(野球場)が廃止されることになる。他に代替を確保すること。