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2016年度当初予算編成に対する申し入れ:健康福祉局
2015年09月01日

健康福祉局


  1. 2014年6月に成立した「医療・介護総合法」で、2015年度から第6期介護保険事業計画がスタートした。その中身は国民の願いとは裏腹に(1)要支援者を介護保険給付から締め出す(2)特養ホームの入所資格を要介護3以上に限定(3)個人の所得160万円以上(年金収入280万円以上)は制度開始以来はじめて2015年8月から利用料を1割から2割へ2倍に引き上げ(4)低所得者が介護施設を利用する場合の食費・居住費を軽減する「補足給付」の打ち切り、縮小等である。介護制度の大改悪がいっそうすすむことになった。市は保険者としての責任を果たし、必要なサービスが提供できるよう次のことにとりくむこと。

    1. 介護保険サービスを利用するには介護認定を受けなければならない。しかし、現状は認定に約1か月もかかる。職員を増員し必要な介護保険サービスが早期に利用できるよう認定作業について改善すること。

    2. 介護保険料に対する国庫負担は20%と調整交付金の5%に分けられているが国に対して国庫負担金を30%に引き上げるよう求めること。2015年度は国の制度として保険料が減額されたがまったく不十分である。さらなる保険料の減額と利用料減免制度の創設を国に求めること。

    3. 青森市では第6期の保険料については一般財源を投入して据え置いている。また、全国で6市が一般財源を投入し介護保険料を引き下げている。高齢者にとって大変重い負担となっている介護保険料を、一般財源を投入して引き下げること。県に対しては県基金の活用も求めること。

    4. 市独自の保険料減免を行なっているが、対象はわずかである。基準を緩和するなど減免を拡充するとともに、その財源は一般会計から繰り入れをすること。

    5. 低所得者ほど1割負担が重たくサービスの利用控えがある。低所得者への利用料減免制度を創設すること。

    6. このたびの法改定では、一定所得以上とされた高齢者に利用料の2割負担が導入された。2割負担導入の撤回を国に求めること。

    7. 2015年8月から特養ホームや老健施設入居者の食費・住居費の自己負担分に対する低所得者軽減策である補足給付が見直され、所得は低くても単身で1千万円、夫婦で2千万円以上の預貯金があれば補足給付を受けられなくなる。尚、国会では預金通帳等の提出がなくても支給決定は可能であり、後で通帳が見つかったとしても加算の対象にはならない。と答弁している。国に撤回を求めること。

    8. 定期巡回・随時対応型訪問介護看護は在宅介護を支えるうえで要ともなるサービスだが、圧倒的に不足している。「施設から在宅」地域包括ケアなどが強調されるもとで、これら在宅サービスの拡充は不可欠である。国に対し、人材確保や保険料引き上げにつながらない形での介護報酬引き上げなどを求めること。

    9. 特別養護老人ホームの待機者は常に2000人を超え、深刻な事態である。法改定では特養ホームへの入所資格を要介護3以上に制限をし、見せかけの待機者減らしを進めている。さらなる増設をすすめること。

    10. 市内には介護付き有料老人ホームやサービス付高齢者専用賃貸住宅など高齢者を対象にした施設が増えている。適正なサービスが提供されるよう指導監督を強化するとともに、市民に対し的確な情報を提供すること。

    11. 地域包括支援センターの役割はいっそう重要になる。市独自で一般財源を投入し、センター増設や人員増等、充実させること。

    12. 介護現場では、賃金の低さから人材不足が続いている。国が責任をもって労働条件の改善をおこなうよう要望すること。


  2. 要支援者への通所介護、訪問介護については市町村が独自に実施する「新たな介護予防・日常生活支援総合事業」(以下、総合事業)として代替するサービスが行われることになる。厚労省は、要支援者は「軽度者」などと強調するがそうではなく、適切な介護や支援を受けることができなければ重度化し、尊厳をもった自立生活を送ることが困難になる。以下、総合事業について求める。

    1. 総合事業では、既存の事業所によるヘルパー派遣やデイサービスとともに、NPOなどによる掃除・洗濯、ボランティアによるごみ出し、サロンなどを実施することになる。市は2017年4月総合事業を開始し、1年間をかけて移行する予定としている。制度移行後も高齢者が安心して在宅生活を送ることができる体制を整備し現行水準を低下させないこと。

    2. 要支援者を一律に「専門的サービス」から排除すれば、心身の状況悪化、家族負担の増大など、在宅生活が困難になりかねない。厚労大臣は「必要とする人には既存の事業所による専門的サービスを提供する」「専門的サービスの対象となる要件を列挙する」と発言している。地域包括支援センターがその判断を行うことになるようだが、利用者の立場に立った判断を行うよう、市は適切な指導を行うこと。

    3. 要介護認定を受けずにチェックリストによる判定だけで総合事業の利用が可能になるという改定がなされるが、安易に要介護認定を回避し、チェックリストの判定のみで安上がりの総合事業に誘導するようなことがあってはならない。何らかの支援の必要を感じた高齢者が要介護認定を受けることは、すべての高齢者の権利であり、このことをあらゆる窓口で徹底すること。

    4. 総合事業を行う事業所等の人員、運営、単価などの基準は、国として一律の基準は定めず、市の裁量となる。事業委託単価は現在の介護報酬以下に設定するものとされているが、少なくとも現行サービス水準を下回らない適切なサービスが提供されるよう、人員、運営、単価などの基準を定めること。

    5. 総合事業は「地域支援事業」の予算の枠組みの中で実施され、国が設定した上限を超えてはならないとされている。このことによって制度から排除される高齢者が生まれる可能性がある。高齢者が必要なサービスを受ける権利を制限されることがないよう、上限を撤廃するなど国に対し、財政的保障を求と。また、市として「サービス単価を減らす、利用を制限する、利用者負担を増やす」などということがないよう財源を確保すること。


  3. 高齢者施策について

    1. 高齢期の社会的孤立や孤独死に加え、近年、徘徊する認知症高齢者の行方不明が社会問題化している。市では独居高齢者の見守りを民生委員が行っており、さらに地域の老人会、自治会等の力も借りて対策をとることが必要だが、地域の支えあいや見守りには限界がある。ましてや徘徊高齢者対策には広範な機関や市民の協力が必要である。先進市の例では、「徘徊者を見守る眼を増やすしかない」として、まちぐるみの取り組みを行い、特に認知症に関する子どもの教育にも力を注いでいる。これらの事例に学び、できることは取り入れること。

    2. 高齢者虐待相談窓口が設置され対応が進んできているが、今後も重要である。いっそう充実を図ること。

    3. 高齢者の外出支援策の一つに高齢者交通助成制度がある。市は突然、2015年3月5000円から3000円に減額しようとした。この制度について今年1年かけて見直しをしようとしているが、5000円を維持すること。

    4. 芦屋市や尼崎市で実施しているバス運賃半額助成制度(敬老パス制度)等、を検討すること。

    5. 県行革によって老人クラブへの補助金は削減されたが、復活を求めること。また、市の補助金は削減しないこと。

    6. ことぶき号については利用する老人クラブの負担が大きい、市の補助金を増やすこと。

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  5. 障がい者(児)施策について
    「障がい者が安心して暮らせる社会は、すべての人が生きやすい社会」この立場からの障がい者施策を以下の通り求めること。

    1. 障害者総合支援法で国は、応益負担の問題は解決済みとの立場だが、1割の定率負担は残され、低所得者は無料になったといっても、負担上限額は変わらない。「応益負担」制度を廃止し速やかに無料化することや、配偶者の収入認定はやめて本人所得のみの収入認定とすることなどを国に求めること。

    2. 就労支援のいっそうの拡充をはかること。精神、知的障がい者の市での雇用を継続すること。

    3. すでにいくつかの自治体で制定している「障害者権利条例」ならびに「障害者差別禁止条例」も制定するよう検討すること。その際には、各障がい者団体等の意見も聴きながら取り組みをすすめること。

    4. 事業所に対する報酬の日額払いを月額払いに戻し、正規職員の配置を中心とした雇用とし、また報酬の底上げを行うよう、国に求めること。


  6. 福祉タクシー制度は障がいのある人や高齢者の外出支援策として有効な施策であり、ますます充実が図られるべきものである。対象者の拡大や助成額の増額や行き先の拡大など、制度の改善をはかること。
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  8. 染殿町および津門川町の、総合福祉センター、福祉会館、旧わかば園などの健康福祉関連施設については、市が2015年9月に再配置構想について報告すると聞いている。現状でも福祉や健康活動に大きな役割を果たしている同ゾーンの再配置には住民の期待も大きい。住民の声もよく聞くこと。また、不足している駐車場についても整備すること。


  9. 生活保護について
    生活扶助基準額は「税と社会保障の一体改革」で2013年8月から最初の引き下げが行われ、2015年4月からは3回目の引き下げが行われている。厚労省が示した生活扶助額の典型的な引き下げ例では3年間で約1万2千円もの引き下げになる。2015年度はさらに住宅扶助と冬期加算の引き下げも行われる。これではとても生活できない。生活保護法が憲法第25条に規定する理念に基づくものであるという基本、原則は変わっていないと、厚労大臣も明言している。最低生活が必要な人が権利として適切に利用できるよう市として以下のことに取り組むこと。

    1. 生活困窮者自立支援法による就労支援は、保護の受給者・申請者を、最低賃金も適用されない事業に「とりあえず就労」させるというものである。「就労支援」の名で要保護者に圧力をかけ、「水際作戦」や強権的な保護の打ち切りをしないこと。

    2. 改定では扶養義務に関する規定が盛り込まれたが、「扶養は従来通り生活保護受給の要件ではない」「家族の問題に行政が踏み込んでいくことは相当慎重にしなければならない」と、これも国会で答弁している。この点を踏まえ、申請を躊躇させるような、従来以上の扶養義務照会を行わないこと。

    3. 国庫負担額の削減や給付削減攻撃を許さず、老齢加算の復活、生活扶助費、住宅扶助費など保護基準(最低生活費)の引き上げを国に求めること。

    4. 保護受給者は、国による生活扶助費等の削減で、ますます困難な生活を強いられている。また、近年の酷暑でエアコンの使用は不可欠だが、電気料金の負担から使用を躊躇している受給者も多い。市の一般財源による、夏季・冬季見舞金および水道料金の基本料金免除を復活すること。

    5. 生活上経済上の悩みを抱える市民が、安心して悩みを打ち明けられるよう心を寄せ、問題解決をはかっていくのが面接相談員、ケースワーカーの役割である。
      2015年度は24人もケースワーカーが不足している。2016年度については人員を増やすこと。また、質を高める研修をすすめること。

    6. 社会保障全般に精通している再任用職員も含めて職員の配置を大胆に行うこと。


  10. 市の援護資金貸付金は、市民が経済的困窮状態に陥った時に活用できる唯一の公的制度である。援護資金貸付については、貸付条件が厳しくなっているために件数が著しく少なくなっており、とても福祉施策とは言えない状況である。貸付条件を見直し、生活実態と見合うよう貸付額を増額し、保証人は求めないこと。また、自営業者などについては審査が複雑になっており時間がかかるケースが多い。審査を簡素化すること。


  11. 相当数に上る社会福祉法人への指導、監査は市の重要な業務である。必要な体制とスキルで厳格に行うこと。


  12. 内科、小児科の第1次救急医療をになう応急診療所は、順次診療時間も拡大され、市民の命を守っているが、特に子どもの救急への対応は、多くの子育て世代の要望である。休日、夜間(午後11時から朝方)の診療時間を拡大すること。


  13. 保健所庁舎については、このたび第2庁舎建設計画で現在の上下水道局庁舎に移転することが示された。市民の利便性を考慮することや西宮健康開発センターにある地域保険課も同一庁舎で執務できるようにすること。

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  15. 難病患者の見舞金について市長から廃止する提案が出されたが2015年度については従来通り支給されることになった。1年かけて見直すとのことだが、今後も維持すること。

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  17. 県の「受動喫煙防止条例」では飲食店等の「喫煙」「分煙」は努力義務にとどまっている。飲食店は分煙をしていない所もあるが禁煙を含めた指導を強化すること。


  18. 災害援護資金貸付金の国への償還免除要件は拡大された。しかし、行方不明者の取り扱いについては免除対象とされていない。これについても早急に免除対象とするよう国に求めること。