次に、名神湾岸連絡線について、質問します。
名神湾岸連絡線については、私自身、何度も取り上げて、不要事業であると、述べてきました。
7月13日、国土交通省近畿整備局による社会資本整備審議会、道路分科会、近畿地方小委員会が開かれ、名神湾岸連絡線の計画段階評価の意見聴取が行われ、具体的なルートが提示されています。名神高速道路西宮インターチェンジから阪神高速道路湾岸線西宮浜ランプの間を高架構造で接続する案と高架構造と地下構造による地下案の2案です。概ねの事業費は高架案で約600億円から700億円、地下案で約1200億円から1300億円となっています。
昨日、岩下議員の一般質問への答弁で、アンケート調査の結果の概要が説明されています。計画段階評価では、地域住民、事業所、道路利用者等へ実施していますが、広範囲の住民を対象にしたものとなっています。一般論として、便利さや安全性などに賛意はあるようですが、目の前に高架道路が建設される沿線住民の意見がどれぐらい反映できるのか、大変疑問です。
西宮市は、総合計画の見直しで、「名神湾岸連絡線の計画の具体化などを国に要請する」としているように、基本的には名神湾岸連絡線の建設に推進の立場をとっています。しかし、環境への影響、費用対効果など、総合的に判断するだけの材料も持っておらず、根拠もなく巨額の公共事業を推進するべきではないと思います。
計画段階評価では、「地域の課題や達成すべき目標、地域の意見等を踏まえ、複数案の比較・評価を行うとともに、事業の必要性及び事業内容の妥当性を検証するもの」としていますが、複数案といっても同一ルートを構造の違いで示しているだけで、複数案といえるような代物とはなっていません。
また、全体が便利なら良いのか。実際に建設される地域にとっては、高架道路が目の前に建設されれば、生活環境がどうなるのか。多額の事業費をかけるだけの値打ちがあるのか、など、様々な角度から検討、検証する必要があります。
例えば、2010年の交通量調査で名神西宮インターチェンジは一日37400台の交通量で、ナンバープレート調査では、臨海部との間を流動する交通量は約2300台。大型車の生活道路への流入を防げば、このような道路の必要性もなお薄れます。しかし、交通量調査も、5年ごとしかしていないため、最新の状況すらわからないのが実態です。道路建設ありきというのが実態ではないでしょうか。
質問
- 計画段階評価以降の手続きについて、市として、この計画の成否に関する総合的な判断は、どの段階で行うことができるのか。また、判断には何が必要か。
市民にとって計画に問題ありとなれば、反対することはあるのか。
- 計画段階評価では、地元市の意見聴取も今後あります。
私は、道路建設による当該地区の住環境への影響がどうなるのか、沿道を中心とした住民の意見がどうなのかが、最も大事だと思います。このことについて、市はどう把握しようとしているのか。
以上で、壇上での質問を終わります。答弁により、自席より。再質問、意見要望をのべます。ありがとうございました。