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杉山たかのりの反対討論
2015年09月16日

議案第16号「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用に関する法律の施行に伴う関係条例の整備に関する条例制定の件」への反対討論


クリックで大きな写真を表示 ただ今上程中の諸議案のうち、議案第16号「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用に関する法律の施行に伴う関係条例の整備に関する条例制定の件」について、日本共産党西宮市会議員団は反対をします。
以下、理由を述べます。

 この議案は、第1に、「西宮市個人情報保護条例」を改正するもので、特定個人情報は、個人の識別性が極めて高いことから、さらに厳密に個人情報保護措置を講ずるなどを行う。第2に、「手数料条例」を改正し、通知カード、個人番号カードの再交付の手数料を定める。
ものです。

 いずれも、その前提には、社会保障と税の共通番号制度、マイナンバー制度の実施に伴うものです。
 これは、すべての国民一人一人に特定の番号、個人番号を付番し、さまざまな機関や事務所などに散在する、様々な国民の個人情報を個人番号で名寄せ、参照することを可能とすることで、行政などが、それら個人情報を活用しようとする制度です。
 これを活用する側にとってはきわめて効率的なツールといえます。つまり、導入の最大の狙いは、国民一人一人の収入と財産を丸裸にし、税、保険料の徴収強化、社会保障の給付削減を押し付けていくことです。
しかし、一人一人の個人情報が名寄せ、集積されることであり、ひとたび流出したり、悪用されれば、甚大なプライバシー侵害やなりすましなどの犯罪等の危険性を飛躍的に高めることになります。
 日本年金機構から125万件もの情報流出が発覚し、政府の情報管理への不安が強まる中、当初予定していた基礎年金番号とマイナンバーの連結は最長1年5か月の延期となりました。しかし、年金機構を含め、公的機関などで万全の対策がつくられている状況ではなく、国民の不安は、計り知れません。
 政府、与党は、マイナンバーの利用範囲をさらに拡大する法案を成立させ、プライバシー性の極めて高い個人の預貯金や特定健診情報なども利用対象にしました。
 総務常任委員会では「国民にとってメリットがある」かのように言う委員もいましたが、メリットはほとんどなく、危険性の方がはるかに重大なのです。
 このような状況で 今年10月から番号通知が行われます。世帯ごとに簡易書留で通知カードが郵送されますが、市の試算では全世帯の11・5%、約25000世帯に通知が届かないとのことです。その中には、施設入所中の高齢者なども含まれており、全国では200万人、大きな問題と言えます。
 また、個人番号カードは来年1月から交付が開始されますが、顔写真入りの「個人番号カード」を希望者に発行し身分証明書として使えると、便利さを売り込んでいますが、他人に見せてはならないマイナンバーを持ち歩くことは、個人情報の保護にとってマイナスだという指摘が上がっています。
 ところが、政府は、消費税増税の負担軽減策として、マイナンバーカードを使った還付制度を財務省案として出してきています。任意のはずのマイナンバーカードを半ば強制的に交付させることになりかねません。現時点でのカード発行予定は、西宮市では月毎に、1万2000枚の交付しかできません。政府が消費税10%を予定している2017年4月には、48万市民全員にカードは交付できません。総務常任委員会では、「まだ決まっていないことを議論しても仕方ない」と、いう委員もいましたが、そもそも、こんなバカげたマイナンバー制度の導入を決め、さらにバカげた、消費税増税の還付制度を出してくるわけですから、制度の問題はただちに明らかにするべきです。決まってからの議論ではまったく遅いのです。 
 内閣府の最新の世論調査でも、マイナンバー制度の内容を知らない人が半数以上となっています。また、従業員や家族のマイナンバーを集め、罰金付きで厳格に管理することが求められている民間企業の対応も立ち遅れています。総務常任委員会でも、これから情報提供や啓発をするというのが市の対策です。
 国民の支持や理解が広がらない制度を急ぐ必要は、全くありません。延期しても国民に不利益となることもありません。
ただちに実施を中止するべきです。
 よって、議案第16号について、日本共産党西宮市会議員団は反対をします。