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庄本けんじの賛成討論
2015年09月16日

請願第6号「むつみ保育所・むつみ児童館・芦原保育所統合施設整備事業計画についての請願」について


 請願第6号「むつみ保育所・むつみ児童館・芦原保育所統合施設整備事業計画についての請願」について、日本共産党西宮市会議員団は、採択すべきものとの立場から、賛成討論をおこないます。

 請願の中心問題は、保育所の大規模化による保育の安全、保育の質が損なわれるという問題にあります。

 市がしめした計画は、定員90人の保育所と定員120人の保育所を合築して定員210人の保育所をつくろうというものです。200人を超える保育所となると、保育士の努力の限界を超えた諸問題を生み、重大事故や子どもの命に係わる危険が飛躍的に増大することになります。合築問題の中心は、まさに、ここにあります。

 請願者の陳述でも、むつみ保育所と芦原保育所の合築によって保育所が大規模化することによる不安が解消されていない、というものでした。

 また、委員会の審議でも明らかになったように、パブリックコメントや保育士へのアンケート結果でも、反対意見の中心は保育所の大規模化問題です。

 市は、この問題に正面からこたえなければなりません。

 ところが、西宮市の説明は、新しい保育所ができたらこんないいことがあるという、およそ、合築による大規模化とはまったく関係のない、メリットなるものを並べ、問題とされるべき保育所の規模拡大問題にこたえようとしていない、ということも、委員会審議の中で明らかにされました。

 たとえば、長時間保育ができる、ということも、メリットにあげられていますが、委員会審議での市当局の答弁は、実施を検討するというもので、実施できるかどうかわからないものまで、メリットなるものの中に入れ込み、それを宣伝することで、保育所の大規模化問題をごまかす形になっているのです。

 また、市は、基準を守るから大丈夫だとか、規模が大きくなってもブロック制をとるなどの工夫をするから大丈夫だと、関係者の疑問や不安に反論します。

 しかし、これは、保育の体制と物理的条件をまったく無視したものだといわなければなりません。

 保育所の保育体制は、交代勤務です。保育士は、受け持つクラスの子どもだけを保育するのではなく、クラス以外のすべての子どもの保育にあたらなければなりません。また、子どもを送迎する保護者、家族と毎日、面談することから、そのすべての保護者と家族を把握していなければなりません。そして、その把握というのは、家庭での子どもの様子を把握する、ということも含みます。

 おのずと適正規模ということが問題となります。請願趣旨でも、委員会審議の中でも指摘しているように、専門家は100人規模まで、より望ましい意規模は、40人から60人程度と、根拠を論じて指摘しています。

 市が開いた説明会では、保護者や保育士から提起される大規模化することへの疑問に答えられないでいます。あるときには、こたえに窮して、黙ってしまう、ということさえおきています。説明会が説明会になっていない、ということも、指摘されたところです。

 保育所の大規模化という問題は、保育の安全、保育の質に重大な問題を引き起こすということが明らかとなりました。また、市当局の説明が、保護者と保育士の納得を得る説明になっていない、ということも明らかとなりました。

 それを強引にすすめることは、絶対に許されることではありません。

 また、計画通り保育所の規模拡大を強行して、保育士が持つ力の限界を超えた状態をつくり、それを保育現場に押し付け、安全性の確保、保育の質の確保を、保育士に求めるとしたら、それは、まさに、本末転倒といわなければなりません。

 委員会審議の中では、パブリックコメントについて、それは賛否を問うものではない、という局長の答弁がありました。パブリックコメントの意義そのものを否定しかねない発言です。

 保育所の大規模化にたいする保護者や保育士の不安がまったく解消されていない、ということは明らかです。それでも、子どもの命にもかかわる疑義がまったく解消されず、関係者の納得を得ることなく、ことを進めることは許されません。

 議場のみなさん。保護者も保育士も、その多くの人が納得できず、反対していることを、強行しようとする市の暴走を食い止めることは、議会の責任に属することです。

 請願の署名数は、委員会開催前には4855となっています。議員のみなさんにあっては、請願にこめられた保護者と保育士、市民の願いにこたえ、採択していただくことを、強くお願いしまして、賛成討論といたします。