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まつお正秀の一般質問
2015年12月03日

UR借り上げ住宅問題について


 ただいまより日本共産党西宮市会議員団を代表して、私まつお正秀が一般質問を行います。傍聴の皆さんご苦労様です。

 一つ目のテーマはUR借り上げ住宅問題についてです。今年の1月17日、阪神淡路大震災から20年を迎え、この日を前後して多くのマスコミがこの震災を取り上げました。阪神大震災後は、年を追うごとにその風化を危惧する声があった中で、東日本大震災と福島原発事故が起き、以後、あらためて防災のあり方や要援護者対策なども含めた住民避難のあり方、そしてまちづくりのあり方などが全国で問われ、今なおその模索が続いているところではないかと思います。そうした報道の中でも、自治体が民間から借り上げた公営住宅の期限がこの9月末から順次迎えることから、このことを焦点に特集をした番組も多くありました。特に、この1月時点では8か月後に期限を迎える市内の借り上げ住宅住民等を取材した番組もいくつかあった中で、テレビ東京系の番組を偏向報道だとして、今村市長は今後取材拒否も辞さない、取材を受けるときにビデオ撮影するという方針を発表して物議をかもしたのは皆さんもご記憶に新しいと思います。後(のち)にマスコミをはじめ有識者などからの批判もあり、一部文言の修正はされましたが基本の考え方は変わらないとしたことから、議会でも取材時のビデオ撮影をやめることを求める決議が全会一致で採択されたのは周知の所です。ところが、今村市長はこの決議を無視し、取材時のビデオ撮影は今も続けられています。また、この10月に入って市長は定例会見以外には記者会見を行なわず、ホームページ上で考え方を示すとしましたが、新聞ではその理由としてUR借り上げ住宅問題が念頭にある、と報じています。市長がマスコミ方針で、「論議を呼ぶ問題については」、とする背景には、借り上げ住宅問題において県下で最も冷たい方針である全員転居に固執していることが、この問題に対する取材から逃げざるを得なくなっているからにほかなりません。
 震災20年で多くのマスコミがこの借り上げ住宅問題を取り上げたのは、阪神大震災後に起きた孤独死などにおける教訓がコミュニティの問題であり、特にそれが高齢になるほど顕著になるということからだと思います。60代で入居した人たちも今では80歳代になり、こうした人たちに住み替えを求めることが、震災の教訓からもいかに酷なことであるかを報じたかったからではないかでしょうか。
 だからこそ伊丹市や宝塚市は希望者全員の継続入居、兵庫県では約4割、神戸市では約3割の世帯で、重度障害や重度要介護者のいる世帯のみならず、少なくとも85歳以上世帯を継続入居としているのです。また、二年後に期限を迎える尼崎市も、方針を決めかねていましたがつい先日、期限ぎりぎりまで住んでもらった上で対応方針を決めるとし、おそらく希望者は継続入居になるだろうといわれています。唯一西宮市だけが全員転居の冷たい方針のまま推移しており、県下でそのことが際立っているのです。
 神戸市でも本市と同じような住宅がさらに多くある中で、来年一月から順次期限を迎える住宅があることから、期限後の対応策の条例化が提案され、それに関するパブリックコメントが実施されました。その中には県下で開業する全ての弁護士が登録する兵庫県弁護士会からの意見書が提出され、その意見書は西宮市にも参考意見として送付されており、皆さんのお手元に資料として配布しており、表紙はそのまま、右は紙面の関係で全文の書体を変えたものです。その主な内容は希望者全員の継続入居を求めるものとなっています。
 また、兵庫県医師会の川島龍一会長もこの問題でのインタビューに答え、高齢者の転居のリスクを指摘されています。
 このような中、西宮市は今12月議会において、要配慮世帯でURから引き続き借り上げた入居者以外で残られている世帯に対し、住宅の明け渡しと家賃等の賠償を求める訴え提起議案を提出しています。震災後に改正された公営住宅法では借り上げ住宅制度が新たに追加されましたが、この法律では自治体は入居が決定した方たちに対して、この住宅の借り上げ満了時期、明け渡し期限の二つの通知を義務付けており、当局はその事前通知を行っていないことを認めています。また借り上げ住宅については、市が発行した復興に向けてパートVの縮小コピーがお手元にあると思いますが、恒久住宅の供給進むとあり、震災後から借り上げ住宅も恒久住宅として位置づけていたことがわかると思います。しかし、4年前の市営住宅整備管理計画において突然市営住宅の削減と併せて借り上げ住宅返還の方針が示されました。現在残っておられる世帯の多くが高齢者であり、西宮市は住み替え斡旋の住宅が近くて多い、あるいは重度障害や重度要介護者のおられる世帯は二つの住宅の予約をすることを前提に5年を限度の継続入居を認めており、丁寧な対応をしていると主張します。しかし、神戸市では昨年、二つの住宅の予約をすれば期限後5年を限度の継続入居を認めることにしました。西宮市が胸を張る要配慮世帯対応は、神戸市では継続入居世帯以外のすべての世帯についても5年を限度に猶予にしたのです。兵庫県も既に継続入居とした世帯以外でも、判定委員会で継続入居対象の拡大が進められており、西宮市が「丁寧な対応」をしているというのは全くの詭弁であり、この訴え提起議案は取り下げるべきものと考えます。
 今年の3月議会でわが党の佐藤みち子議員が、今回訴え提起されるような人たちが「何か悪いことをしたのですか」という質問を行い、松永副市長は「何も悪いことをされておりません」と答弁されています。ここに今の西宮市の問題点が象徴されているのではないかと思います。

そこで質問です。
 一点目、兵庫県弁護士会が希望者の継続入居を認めるよう求めています。県弁護士会の意見書の意味は重いと思いますが、市としてこれをどのようにとらえているか。
 二点目、市は既に転居に協力された方との公平性が保てないと主張していますが、URから買い取った復興災害住宅や、被災者でも通常の市営住宅に入居されている方たちとの公平性をどのように考えるかお聞かせください。
 三点目、兵庫県医師会会長が高齢者の転居の危険性について、持病の悪化やうつ症状、認知症の悪化を招く事などを指摘したコメントを出されています。このことについてどのように受け止めているか。