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佐藤みち子の一般質問
2015年12月07日

児童相談所の設置について


 私は、中核市である西宮市に児童相談所を設置すべきと過去2回本会議の一般質問で取り上げましたが、市は「児童相談所は財政負担が大きく広域的な対応が必要であることから県による設置運営が望ましい」と、まったくやる気のない答弁でした。
 そもそも児童相談所は、養護、保健、心身障害、非行、育成相談等、子どもの多岐にわたる問題について相談を受け付ける施設です。その中でも児童虐待の相談が突出して増え続けており児童相談所については多くの人が、児童虐待の問題を扱う専門施設だと認識しており虐待の解決を求めています。
 また、近年は脳研究者による脳の研究も進み、「子どもの時代に受ける虐待は脳の正常な発達を遅らせ取り返しのつかない傷をのこしかねない。身体の表面についている傷よりも根は深く、子どもたちの将来に大きな影響をあたえる可能性がある。長期的な虐待は、子どもの脳をつくり変え、さまざまな反社会的な行動を起こすようになっていく。虐待は連鎖する。そのために虐待を早期に発見し手厚い養育環境を整えることが重要になってくる」と指摘しています。
 さて、2014年10月、全国207か所の児童相談所で2014年度に対応した児童虐待の件数が、前年度比1万5,129件(20.4%増)の8万8,931件に上ると新聞報道されました。1990年の調査開始以来、24年連続で過去最多を更新しました。件数の増加は、厚生労働省が2013年8月に出した通知で、虐待の被害児童に兄弟姉妹がいる場合、その兄弟姉妹も心理的虐待を受けていると見なして対応するよう求めたことが要因です。また、子どもの前で配偶者暴力(DV)を振るう「面前DV」による心理的虐待について、警察からの相談や通告が増えたことも要因です。
 市では、児童母子支援課が児童虐待の相談に対応しています。過去3年間の虐待件数は2012度723件、2013年度770件、2014年度826件と全国と同様年々増えています。相談体制は12月1日より、家庭児童相談員が9人になりますが、それでも一人あたりの相談件数は100人〜150人の人数になります。
 市では虐待の通報があればまず調査をし県の児童相談所と連携して立ち入り調査をします。親と子どもを離す方が良いと判断すれば子どもを一時保護所から、施設へ措置という流れになります。
 中核市の横須賀市と金沢市はすでに児童相談所を設置しています。横須賀市は児童相談所を市で設置していることについては@切れ目のない相談を迅速に行うことができるA措置権を持った児童相談所を開設することは、虐待などの早期発見とその後のサポーターの面で大変意義がある。と述べています。
 このような点からもぜひ西宮市でも児童相談所を設置すべきと思います。市の見解をお聞きします。