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まつお正秀の反対討論
2015年12月15日

西宮市国民健康保険条例の一部改正について


 ただ今上程中の議案第38号、西宮市国民健康保険条例の一部を改正する条例の件について、日本共産党西宮市会議員団は反対します。以下、理由を述べます。
 今回の条例改正は、国の国民健康保険法施行令の改正に伴い、保険料における基礎賦課分で1万円、後期高齢者支援金分等で1万円、介護納付金分で2万円、合計4万円の限度額引き上げ、81万円を85万円にするものです。
 1961年、国民皆保険制度の一環として、それまで無保険だった小規模事業経営者や従業員、農林水産業従事者などの救済を主な目的として国民健康保険制度が発足しました。しかしその6割以上を占めていた自営業者や農業従事者などが、今では10%台に大幅に減少し、一方、当初6%程度だった無職の人たちが今では5割近くにまで増加しています。
 こうした構造的な問題を抱えながらも、医療費を加入者で按分して保険料を割り出す仕組みが変わらないため、長寿高齢化や医療の高度化などの影響もあり、年々保険料が上がり続け、一般会計からくり入れで保険料抑制する自治体が大半となっています。さらに、1984年の国民健康保険法改悪によって、医療費の抑制とともに国保会計に対する国保の総収入に占める国庫支出が約50%近くあったものが年々減らされ、今では約24%となっています。
 こうした中で低所得者の保険料抑制のためとして、国は賦課限度額の引き上げを続けており、今回の条例は国の政令改正に合わせ、市が一年遅れで実施するための条例改正であると説明されています。
 確かに今回の条例改正で7割近い方の保険料が1円から10404円の範囲で引き下がることになります。しかし所得でおよそ600万円を超える世帯では4万円を限度に引き上がり、およそ高額所得者とは言えない世帯で保険料が跳ね上がることとなります。さらに今年度の政令改正で連続して4万円の引き上げとなる方向であり、本市も再来年度、今回に続きさらなる4万円の限度額引き上げを行う予定と聞いているところです。
 国民健康保険制度の根本的問題をそのままにしたまま、国言いなりで国保加入者の中で相対的に負担割合を変えるだけに近い、このような賦課限度額引き上げを日本共産党議員団として認めるわけにいきません。税負担や社会保障負担のあり方の見直しや国の補助を元に戻すことも含め、抜本的解決の施策を国に行うよう求め、反対討論と致します。