ただ今上程中の諸議案のうち、議案第31号、議案32号、議案第34号、議案第37号、議案第38号、及び議案第39号、以上6件について日本共産党西宮市会議員団は反対をします。
私からは、議案第31号西宮市個人番号カードを利用する事務を定める条例制定の件、議案32号西宮市個人番号を利用する事務等を定める条例制制定の件、議案第34号西宮市市税条例の一部を改正する条例制定の件、議案第37号西宮市住民基本台帳カードの利用に関する条例及び西宮市印鑑条例の一部を改正する条例制定の件、及び議案第39号西宮市医療費助成条例の一部を改正する条例制定の件、以上5件についての反対討論をします。
議案第31号は、マイナンバーカードの利用について条例を制定し、市独自利用の事務として証明書自動交付機での証明書交付、図書館の図書貸出券を定めるものです。
議案第32号は、個人番号を市独自利用する事務を定めるもので、医療費助成条例の規定に基づく医療費の助成に関する事務、私立幼稚園就園奨励助成金に関する事務など、10件の事務を定めるとともに、特定個人情報の庁内利用、教育委員会など異なる執行機関での特定個人情報の提供などを定めています。
議案第34号は、市税条例が定める諸手続きの記載事項に個人番号及び法人番号を追加。
議案第37号は、マイナンバー法に関連して、住民基本台帳カードの利用に関する条例を改正、証明書自動交付機等で印鑑登録証明雨書の交付を開始するための条例を改正するものです。
議案第39号は、福祉医療費助成制度として実施している老人医療や乳幼児医療など6つ制度にかかる事務について、個人番号等の独自利用事務における根拠規範をひとつにするために、高齢障害者医療について助成規定を医療費助成条例に規定する改正をするものです。
これらの議案はいずれも、マイナンバー制度に関連するもので、その部分について反対をするものです。以下、理由を述べます。
マイナンバーは、赤ちゃんからお年寄り、外国人も含め日本に住民票をもつ人全員に12桁の番号を割り振り、当面は1月から税申告や社会保障の手続きなどに利用させようという仕組みです。
1月利用開始をうたっているのに、番号を通知するカードの郵送が大幅に遅れたり、カードそのものが印刷されていない地域が発覚したり、国民の不信は募るばかりです。情報漏えいや国による住民監視の強化など制度の仕組み自体についての懸念もぬぐえません。安倍晋三政権はあくまでも1月からの開始をめざしています。しかし、開始の前提が大きく揺らいでいることは明らかです。
10月半ば以降、市区町村から番号を知らせる「通知カード」が簡易書留で郵送されていますが、その“出発”から混乱の連続です。政府は11月に配達完了としていたのに、12月半ば過ぎでも完了しません。受取人不在で手渡せないケースも続発し自治体に返送された通知カードは500万通にのぼり、まだ増えることは確実です。通知カードが大量に送り返されてきた自治体は対応に頭を悩ませています。
常任委員会の審査でも、西宮市の場合、通知カードの郵送はようやく12月10日に最終の郵送がされるとのことで、市役所には受け取りがされないと、1万68000通もの通知カードが返送されています。市役所2階のマイナンバー相談窓口は連日、マイナンバーカードの申請や通知カードの受け取りなどで、多数の市民が押し寄せ、混乱しています。
来庁者に対応している市民相談課の受付に聞きますと、マイナンバーカードを作らなければならないと思い込んでいる市民の方が多数来庁されているとのことです。また、通知カードの市役所での受け取りには1時間もかかるなどの混乱が生じています。
本来2月に配布する予定だった市発行のリーフは、混乱しているとの理由で、「西宮市からの大切なお知らせ いよいよ!マイナンバーが届きます」というものに変えて、前倒しで11月中に配布したほどです。
見切り発車でするべきではないと指摘をしましたが、この混乱ぶりをみても、見切り発車だったということは明らかだと思います。
住民全員へ番号通知が終わるめどもないにもかかわらず、安倍政権は1月からマイナンバーや顔写真を記載した「個人番号カード」を1000万人に交付する計画です。身分証明以外にほとんど使い道がなく、むしろ紛失すると個人情報が漏れるリスクがきわめて高いカードです。申請は任意で、強制ではありません。そんなカードの危険性はほとんど触れず普及ばかりに力を入れる政府の姿勢は、国民のプライバシーを危うくするものです。
今議会の議案には、市の独自利用ということで、図書貸出券としての利用などが示されています。中央図書館に問い合わせますと、現在13万人の利用のうち、住基カードでの利用は約6800人とのことで、通常の登録カードと併用されているそうです。紛失はないかとききますと、図書館外で財布ごと落とすという方が結構いるそうです。警察からもといあわせがあるそうです。
西宮市のホームページでは、通知カードが来たらマイナンバーカードを申請しましょうと、便利さの宣伝とともに、まるで義務のようにカードの申請を求めています。リスクが極めて高いカードを市が申請を推奨するようなことはするべきではないと思います。
今後、政府はマイナンバーの民間分野への利用拡大も狙っています。しかし、ひとつの個人番号を官民共通で広く使っている国はアメリカなど少数です。アメリカでは個人情報漏えいなどが大問題になっているのが実態です。そんな危険な道に踏み込んではなりません。
マイナンバー差し止め裁判が提訴されるなど、実際に番号を手にしてからも国民の不安は広がるばかりです。1月実施を延期して制度の危険性を検証・再点検し、廃止へ向け見直すことが必要です。
堺市では、68万人もの個人情報が流出したと本日の新聞でも報じられていますが、個人情報の流出をふせぐ手立てはありません。高いリスクは、制度をやめるしかありません。
以上のことから、日本共産党西宮市会議員団は、マイナンバー関連の議案第31号、議案32号、議案第34号、議案第37号、及び議案第39号の5議案について反対をいたします。