ただいまより、日本共産党西宮市会議員団を代表して、私、杉山たかのりが一般質問を行います。傍聴の皆さん、ご苦労様です。
1、中小企業振興条例について
まず、中小企業振興条例について質問します。
自治体にとって地域経済を活性化させることは重要な任務です。雇用の確保と市税の増収などにもつながります。
ところが安倍政権は、それに逆行するようなことを繰り返しています。
安倍首相が誇る経済政策、アベノミクスは、大企業が潤えば、したたり落ちるように国民にもそのおこぼれがあるという、いわゆるトリクルダウンという、すでに国際社会では破たんした論理による経済政策である。
アベノミクスで応援する大企業は空前の利益を上げている一方で、労働者の賃金や中小企業の利益にはまわらず、実質国内総生産GDPは大きく落ち込んでいます。さらに、もうかっている大企業には法人税を減税し、中小企業には外形標準課税による増税を押し付けようとしています。安倍内閣の3年間で実質賃金は5%も減少しています。社会保障の切り下げと負担増に加え、消費税8%増税が景気悪化に追い打ちをかけています。
このような状況で、来年4月には消費税10%への増税が、食料品の一部に税率据え置きのみで、強行されようとしています。これでは、経済も国民生活もこわすこととなります。中小企業を取り巻く状況は非常に厳しいと言わなければなりません。
今すべきは、大企業への支援ではなく、個人消費の増大につながる、実質賃金の引き上げ、中小企業への支援で、経済をたてなおすことです。
小規模企業振興基本法の制定により、法的にも小規模企業支援が自治体の責務と位置付けられたことにより、条例制定の広がり、支援策の展開が進んでいます。
昨年10月には兵庫県が議員提案により中小企業振興条例を制定されました。都道府県レベルでは、39道府県で同趣旨の条例が制定されています。
この間制定されている条例の特徴は、
@小規模企業振興基本法をふまえ、小規模企業、基本法では5人と規定されていますが、小規模企業について位置づけがなされている。
A小規模企業振興基本法にならい、小規模企業にかんする基本的施策を規定している。金融機関や大学等研究機関の役割が規定されるようになってきています。
B基本計画を策定するうえで、審議会等をおく条例がふえている
Cこれまでの企業誘致のような外来型ではなく、内発型や地域内経済循環の創出」など、めざすべき政策方向として内発型の発展を志向するものもでてきている
D制定後の条例の普及と活用について、取り組み状況を点検し次の施策に生かすサイクルを明確にしている例が増えてきている
など、これまでの理念条例ではなく、施策を総合的かつ計画的に推進するための、より具体的な施策について述べた条例になっているのが大きな特徴といえます。
兵庫県の条例も、前進面を一定踏まえたものとなっています。
新年度は、産業環境局から産業文化局へ、組織の再編とともに、策定中の西宮版総合戦略からも、市として、市内事業者の「稼ぐ力」を支援することが求められてきます。しかし、施政方針では、「産業」や「地域経済」などの言葉は全くなく、地域経済を内側から活性化させるような気概は感じられません。
名称は中小企業振興条例、産業振興条例などありますが、条例制定することによって、ぜひとも市として力を入れていただきたいものです。
質問
@小規模企業振興基本法が制定され、自治体制定の条例も、小規模企業が位置づけられています。西宮市は、小規模企業について、産業振興に、どう位置付けているのか。
A外から企業を呼び込むだけではなく、内発型・地域内経済循環の創出に支店を置いた具体的な施策が各地で取り組まれています。西宮市ではどう取り組んでいるのか。
B昨年10月議員提案で成立した兵庫県中小企業振興条例についての市当局の評価はどうか。
C県条例の制定を受け、早期に西宮市でも中小企業振興条例と同趣旨の条例を制定すべきではないか。