HOMEへ
まつお正秀の反対討論
2016年03月28日

二つの特別会計について


 ただ今上程中の諸議案のうち、議案第97号2016年度西宮市国民健康保険特別会計予算、議案第98号2016年度西宮市食肉センター特別会計予算の両案について、日本共産党西宮市会議員団は反対致します。以下、理由を述べます。
 まず、国民健康保険特別会計予算ですが、今議会一般質問において上田さち子議員が、この八年間における決算状況の推移について資料を示して指摘したように、この間、保険料率抑制の目的で、一般会計から繰り入れを行っているにも関わらず、保険料が上がり続けていること。また、一方で医療給付費を過大に見積もってきたために、毎年多額の決算剰余となっていることが明らかとなりました。その結果剰余の二分の一以上が基金に積み立てられ、2008年度、平成20年度ですが、2億2000万円だった基金残額が、2015年度、今年度ですが12月補正では27億円にも膨れ上がっています。
 この経過から、毎年度の医療給付費総額の見積が余りにも過大であったことが保険料を引き上げ、せっかくの一般会計からの繰り入れの目的を充分果たせていないことが反対の大きな理由です。
 新年度の医療給付費総額も今年度当初比で2億円、0.6パーセント増の予算となっていますが、これらを精査し、被保険者の所得が減少していることなどにも配慮し、思い切った基金の活用で新年度の保険料率を引き下げるよう強く求めておきます。

 次に食肉センター特別会計予算です。予算は3億8600万円となっていますが、新年度もこの施設の運営のために市の一般会計から1億7400万円繰り入れが行われるとともに、古くなった大動物予冷室冷蔵設備入れ替えのために、約6300万円の市債を発行し、その後市が分割で支払いをしていく計画となっています。1500万円以上の整備費については市の起債で行うことになっており、これまで行われてきた分も含めた借金払いの公債費は、今年度の3500万円から新年度には4200万円に膨れ上がります。こうしてセンターにとって必要な機器の入れ替えや建物整備などを、今後も延々と市民の税金をつぎ込んでいくことの是非が問われています。この食肉センターは大手ハム会社などの限られた企業のため、またこの施設で加工された肉は全国に流通していくことからも西宮市民のために役立っているとは到底言い難い施設です。だからこそ、過去に識者なども交えた西宮市食肉センターあり方検討委員会が、今後の方向性について、施設の廃止、県への移管、民営化、の三つのうちからいずれかを選択すべきという提言をしているのです。従って、市が今後もこの施設に湯水のように税金を使い続けていくことになる食肉センター特別会計予算に反対し、二つの特別会計予算への討論といたします。