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まつお正秀の一般質問
2016年06月29日

UR借り上げ市営住宅問題について


 大きな二つ目は、UR借り上げ市営住宅問題についてです。
 この問題で我が党議員団は議会において、繰り返し希望者全員の継続入居を求めてきました。しかし市は、昨年9月末で市とURとの借り上げ期限がきたシティハイツ西宮北口住民7世帯に対し、昨年12月議会に住居の明け渡しと損害賠償を求める訴え提起議案を提出しました。ところが議会側は、市が住民の方たちとの話し合いを十分行っていないとして、全会一致で継続審査としました。このことに対して,市長は「市議会の判断については真摯に受け止めております」とコメントされているものの、議会が求めたことを全く理解していないとして、異例の議長声明が出されたことはみなさんもご承知のところです。
 継続審議ですからこの3月議会でも同じ議案が提出され、話し合いに進展がないとして、議会は賛成多数で訴え議案を可決しました。ただ、同時に代理人同士による協議を継続するよう市長に求める、付帯決議も採択されました。
 その後、代理人同士の協議は行われましたが、市側が転居ありきの姿勢のままであるがために、代理人同士の話し合いは一旦中断し、同時に市は議会で議決されたことから訴えの手続きを進め、この5月28日尼崎地裁に提訴しました。なんの落ち度もない住民を自治体が被告席に立たせるというかつてない出来事が行われたのです。市長は会見で、「提訴が目的ではない、明け渡しに応じていただけるよう協議を続けたい」と述べていますが、あくまで転居が前提で,市側がそこから歩み寄る余地がないというのは、議会の意思を踏みにじるものでもあります。2月の閉会中建設常任委員会で、当時の岩田参事が、訴え議案が可決されれば裁判所に出すが、だからといって和解の道が消えたわけではない。市と相手方とで話がまとまれば裁判を止められる」と答弁しています。しかし現場では市の職員が、入居者の人に最高裁までとことんやりますと言って転居を促しているという声も聞こえてきます。
 全員転居の方針が住民の実態と大きく乖離し間違っていると思いますが、今回の質問ではそのことに対する市の認識と、住宅によっては7年前から公募停止をして以来、家賃も入ってこず、国からの交付税や補助金もはいってこないまま市税投入が続いているという二つの角度から質問を行います。
 まず、一つ目の角度は、市の方針である全員転居がいかに誤った対応であるかという点についてです。
 私は昨年の12月議会でもこの問題を取り上げ、県医師会長の発言を引用し、高齢者の転居が及ぼす健康に対する影響や危険性についての指摘を行いました。その時にシティハイツから近くの市営住宅に移られた91歳の方が転居前、転居後とで入院を繰り返されている事を紹介しました。私が質問を行ったのは12月3日でしたが、この方が病院で亡くなったのは12月1日で、私が質問した日にはなくなっていたということです。今のままの方針を取り続ければ、こんなことが今後いくつも起きる可能性があることから、方針を見直すべきだという点から、次の質問を行います。


 一点目、市は転居されてから一ヶ月をめどに訪問して状況を聞くようにしているとしています。この間の訪問件数や、転居された方達から寄せられた声などの特徴について伺います。
 二点目は、要配慮世帯に該当しなくても転居できないと思われる人に私は数人出会いましたが、市はそのような人は存在しないという認識か、伺います。
 この件の二つ目の角度はカラ家賃の問題です。
 市は当初、URから447戸を借り上げて市営住宅としてきましたが、4月時点で市が言うところの現在入居者は128戸となっています。現在5つの住宅のうち住戸住棟借りのルネシティ津門以外はURと市は団地借りで20年間契約となっており、ルネシティ津門は住戸住棟借りということで、五年後からは一年ごとに双方、あるいはどちらかからの申し入れがなければ自動更新され、それが続いていましたが、一昨年から市が返還交渉を行い、空家については返還が進められています。その条件は大変URに有利な内容になっていますが、棟借りのことを考えれば経費の節減になっています。しかし、その他の住宅では公募停止をした空き家について、市がURに対する家賃を全額支出して活用もされてきませんでした。合理的効率的行政運営を主張する今村市長の考えと大きく乖離しているのではないかと思います。質問ですが、
 一点目、市として公募停止した理由を伺います。
 二点目、ルネシティ以外の残る期限がまだの三つの住宅について、今後繰り返しURと交渉を行い、期限前の個別返還を求める考えはないか。