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杉山たかのりの一般質問
2016年09月07日

UR借上げ市営住宅問題について


クリックで大きな写真を表示2、UR借上げ市営住宅問題について
 UR借り上げ市営住宅問題について質問します。
 UR借上げ市営住宅は、5棟中、シティハイツ西宮北口が市とURとの借り上げ期限をすでに迎え、継続入居を求める7世帯を市側が提訴し、係争中となっています。残る4棟については2017年度中に借上げ期限をそれぞれ迎えることとなっています。
 西宮市の方針は、URから借り上げた住宅は、期限で返還し、入居者については、全市の市営住宅の空き家に、あっせん募集によって住み替えを求めるというものです。例外的に障害や要介護度が重度の場合、期限後5年間の猶予の中で転居させるというものです。いずれにしても、最終的には全世帯を転居させることになります。
 これは、全世帯継続入居、あるいは何らかの条件をつけて一部継続入居の方針をとっている阪神淡路大震災による県下の他自治体に比べて、最悪の方針となっています。
 この間の議会での議論を通じて、私は西宮市の対応は「無策」の一言に尽きると思います。
 改めて、何点か指摘をしたいと思います。
 1点目です。我が党議員団がこの問題を初めて本会議一般質問で取り上げたのは、2010年12月10日です。市当局が借上げ住宅の募集停止を実施したのが2011年1月ですから、質問の21日後。シティハイツ西宮北口の借上げ期限がすでに5年を切った時期になります。私は、市当局が、借り上げ住宅についての真剣な検討がされてこなかったからだと思います。
 2点目です。ルネシティ西宮津門の市とURとの契約は、5年、その後、毎年更新することができ、20年間を。つまり、割高なURへの借上げ家賃のことを真剣に検討すれば、比較的近くに新築の市営住宅を建設して、コミュニティ毎移転をすることができました。ルネシティは3棟の団地で、2号棟が借上げ住宅ですから、買い上げは困難であり、入居者が比較的若いうちに受け皿住宅を確保し転居する対策を検討すべきだったでしょう。
 3点目です。この数年、甲子園九番町、石在、春風と市営住宅の建て替えと統廃合が進められていますが、廃止予定の住宅の入居者には受け皿住宅を確保して、コミュニティ毎の移転が行われています。
 資料@をご覧頂くと、統廃合住宅の入居者の転居先と、借り上げ住宅の入居者の転居先が全く違うことがわかります。統廃合計画の転居が計画的に行われた一方で、借り上げ住宅の転居が無計画的に行われています。
 先日建設常任委員会で市営住宅管理整備計画の見直しについて所管事務報告されていますが、今後の統廃合計画は、入居者の意向に沿って、建て替え場所も検討されるなどの市の考え方が示されました。
 借り上げ住宅は5棟400世帯もの居住者の移転をともなうもので、しかるべき転居計画を立てるべきだったでしょう。
 20年間という借上げ期間があったのに、まさに無策と言わざるを得ません。
 本会議場での市当局の答弁は、行政は様々な施策を行い、精一杯やっている。それにおうじない入居者の方が問題だと言わんばかりの主張になっています。反省も教訓も聞こえてきません。
 以上、指摘した点について質問します。

質問
@現在、提訴中となっていますが、そもそも市民を訴えるに至ったことは大問題だと思います。借り上げ住宅問題について、現時点で、検証はしたのか。何が問題だったのか、どのような対策をとっていればよかったのかなど、教訓を導き出しているのでしょうか。お聞きします。
A我が党議員団が一般質問をした2010年12月の時点で、十分にこの借り上げ住宅について対策を含めて真剣な施策としての検討が行われていなかったのではないかと、つねづね感じています。実際にどうだったのですか。
Bルネシティ西宮津門は、借り上げ契約の中身が、借り上げ期間は5年で、その後1年ごとに借り上げ期間を延長し、20年間まで借り上げることができるということになっています。高い借り上げ料を払うよりは、受け皿住宅を建設して、早めに移転するという方策を取ることは出来たと思います。そのことを検討したのでしょうか。
Cこの間、甲子園九番町、石在町、甲子園春風町住宅の改築と、南部市営住宅の統廃合を進めてきました。借り上げ住宅は、5棟、447世帯の入居者の住宅をどうするのかという問題です。返還するというのであれば、統廃合計画のような具体的な転居計画を検討したのでしょうか。

 市営住宅の来年度1年間の家賃決定のために市営住宅入居者に対して、収入申告の提出を求める文書が8月1日付けで届けられています。資料裏ページ、資料Aをご覧下さい。今年は借り上げ住宅入居者に対しては、他の入居者とは違う文書が届けられています。どこがちがうのかというと、赤い線を引いている部分。資料Aには「ルネシティ西宮津門2号棟の入居者様へ」と記されていますが、通常「入居者の皆さまへ」と記載されています。4棟の借り上げ住宅の住宅名を書いています。「来年度(平成29年4月から平成30年3月)の家賃が決定されます。」を来年度(平成29年4月〜平成29年11月)、つまり借上げ期限を記しています。
 先ほど申し上げましたが、市当局の借上げ住宅の基本方針は、住宅はURに返還し、期限内に市営住宅の住み替えに協力して欲しいというもので、市営住宅の入居者であり続けることとなっています。
 ところが、現借上げ住宅入居者に対しては、期限を区切った家賃決定をする、期限後は市営住宅入居者としては扱わないかのような文書を送っています。市の方針から見ても違っているし、収入申告書という個人情報の取り扱いという点でも、借上げ期限を過ぎると市は使えなくなるんじゃないかと思います。
 なぜ、こんな不備のある文書をつくったのでしょうか。結局、借上げ住宅入居者憎しということが先走り、事務手続き上問題のあると思われる内容のチェックができなかったということではないでしょうか。

質問
@総務局長にお聞きします。住み替え斡旋で転居された方の期限後の家賃決定を行う際に、この文書で提出を求めた収入申告書を、勝手に使うことは個人情報の保護の観点から問題がありませんか。説明してください。
Aシティハイツ西宮北口への入居者に対しては、通常の収入申告書の提出を求める文書でしたが、なぜ今年は、通常の市営住宅入居者と違う文書にしたのか。住み替え斡旋による転居の協力を求めるという借り上げ住宅の方針を市は変更したのですか。変更していないのなら、なぜこのような入居者に協力を求めるのではなく、「脅し」ともとれる文書にしたのですか。

 以上で、壇上からの質問を終わります。答弁により、再質問、意見要望を自席より述べさせていただきます。ご清聴ありがとうございました。