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野口あけみの一般質問
2016年09月07日

保育士の待遇改善について


2、保育士の待遇改善について
 保育所待機児対策は引き続き本市の最重要課題です。今年度から3年間で1500人の定員増という方針を実現すべく、市有地や公園、国有地を取得して活用するなど、今、鋭意努力を続けておられるところです。待機児童解消にあたっては認可保育所建設と合わせて保育士確保も絶対条件。そのための、保育士の処遇改善も大問題となっています。
 2015年度の民間保育士の平均月収は22万円、年収では323万円で、全職種の平均給与より月約10万円も低いとされています。過去、10年近く、平均年収300万円台で推移していますが、認可保育所の主な収入源が、「公的な補助金」であるために民間法人の努力だけでは到底改善できません。公的責任によって改善が図られるべきものです。
 また、保育士の低賃金は、公立保育所民営化の動きとも無関係ではありません。この議場でも「公立保育所を民営化して運営費を削減せよ」との主張がしばしばなされましたが、その主張は民間保育所保育士の低賃金を前提としたものでした。そんな声が大きいもとで民間保育士の待遇改善が、進むはずありません。
 ともあれ、現在、世論は保育士の待遇改善を求めています。世論に押され、厚労省は対策をとるといっていますが、いまだ具体化されていません。この機会に思い切った対策が、国にも自治体にも求められます。
 さて、本市では昭和55年(1980年)度から平成17年(2005年)度までの25年間、市独自で民間保育所に対して給与改善のための助成金制度を実施していました。定員の弾力化が進むにつれ、効果も薄まり、民間の自立的な経営ということが強調されて、この制度は廃止になったと当局は説明していますが、この制度は、国家公務員行政職に準じた「民間保育所給与準則」を市が定め、民間保育所が採用することを前提に、その人件費と国の運営費に占める人件費との差額を助成するもので、最終年度には22園の民間保育所中10園に対し、6,575万円支給されています。民間保育所保育士の給与は低くて当たり前とせず、国家公務員並みを目指そうとした当時の考えは注目すべきものです。
 今、各自治体では保育士の処遇改善に動き出しています。7月26日付産経新聞に、全国16都府県62市区町へのアンケート結果が掲載されています。このアンケートは、昨年4月1日現在、待機児童が100人を超える市区町に対し行われたもので、39%にあたる24市区町が保育士の給与上乗せや家賃補助など独自の処遇改善を実施しているとのことです。千葉県船橋市では、給与に月約3万2000円上乗せ、静岡市も同様に月約2万5000円、保育士の家賃を月2万円上限に補助しているつくば市など7市区で家賃補助制度があるとのこと。明石市では、潜在保育士の就職時に最大10万円の支給などが紹介されています。このほかにも調べますと、京都では2015年度から1人当たり月平均2万円の補助金支給、川崎市では市独自の従来からある処遇改善費を平均1万7100円に7500円アップ。家賃補助では、世田谷区や大田区が上限8万2000円までなどなど、いくつもの事例がありました。本市でも何らかの処遇改善策を早急に行うべきです。質問です。

質問1、1500人定員増に対して保育士は少なくとも200人は確保しなければならないと市は説明していますが、保育士確保のためのこの間の国、県、市の取り組みについてお答えください。
質問2、処遇改善(給与改善)について市として具体策に取り組むべきですが、いかがでしょうか。