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上田さち子の一般質問
2016年09月08日

高すぎる国民健康保険料の引き下げを


 私はこれまで、高すぎる国民健康保険料について、被保険者の負担軽減をという観点から何回となく質問してまいりました。今年3月議会では、27億円にも積み立てられた財政安定化基金を活用して保険料の引下げを行うよう求めてきましたが、5月の2016年度の保険料率改定では、前年度据え置きで、保険料の引き下げは行われませんでした。今議会には2015年度の国民健康保険事業会計の決算が報告されましたが収支差引で1億2300万円の黒字を計上。引き下げる意思があれば充分対応できる財源があるにもかかわらず取り組まない市に対し失望を禁じえません。
 さて、この間の質問を通じて国や西宮市の国民健康保険事業に関する考え方が明らかになってきました。一つは、国保をめぐって、低所得者が多く加入する医療保険でありながら保険料が高すぎるという、制度の構造的矛盾を認めていることです。 
 二つには、だからこそ保険料抑制などの自治体の行為は必要との認識です。例えば、2018年度の国保広域化にあたり「保険料の平準化」の狙いがあるものの、市町村が独自の努力で保険料引き下げ・抑制を行なうための一般会計からの繰り入れや条例による保険料減免については、塩崎厚労大臣が「新制度スタート後も、市町村の公費繰り入れは制限されず、引き続き自治体でご判断いただく」との答弁を行なっていること。また今年6月議会における公明党松山議員の「一般会計からの繰り入れに関する質問」に対して市民局長は「本市においても、一般会計から保険料率抑制や減免のための繰り入れを行なってきた。この経過を踏まえ、平成30年度以降も被保険者の負担が急激に重くならないよう、負担の抑制を引き続き図りたい」と、市としても一般会計からの繰り入れを今後も行なうことを明らかにしています。
 三つには、高すぎる保険料の中でも、子どもの人数が増えれば保険料のうち1人ずつにかかる均等割額の負担が重くなる点での軽減措置です。国は、地方自治体からの軽減措置の導入要求に対し「検討」を約束。市も3月議会で「今後、子育て支援の観点から子どもの均等割の軽減」について国に積極的に要望していく旨の答弁を行ないました。
 以上の通り、国保料などの抑制の必要性を、あらゆる角度から繰り返し国も市も強調していますが、問題はこの具体化です。以下質問をします。

質問
(1)基金が27億円も積み立てられた背景に、医療給付費総額の過大見積もりの結果、多額の決算剰余となったことを、私はこれまで指摘してきました。2016年度の保険料率改訂は据え置きとなりましたが、3月議会で松永副市長が「改定にあたっては、医療費の精査、総所得の精査をきっちりした上で料率は決定されるべきものと考える」との答弁がありました。どのように精査され保険料率据え置きとの結果になったのか、その根拠を聞きます。
(2)現在の基金条例では「医療費にかかる給付額の急増等により生じる財源不足」や「保健事業」に充当する場合しか基金を取崩すことができないとして、27億円余の有効活用を市は拒み続けています。6月議会では、被保険者の負担軽減を図るための「基金の運用」を検討するとして基金条例改正について言及されました。あらためて、なぜ基金が27億円余も積み立てられることになったのかお聞きします。また、条例改正の必要性とその時期について市の考え方を伺います。
(3)子育て応援という観点から、子どもの均等割減免について質問します。近隣の川西市では、2013年度より「子育て世帯減免」を実施し、均等割と平等割の保険料でそれぞれ2割・5割・7割の法定軽減を受けていない世帯の子ども二人目以降の均等割額を半額に、法定2割軽減を受けている世帯にも、市独自でさらに均等割額を3割減、あわせて二人目以降の子どもの均等割額を半額にするなど、多子世帯の負担軽減策がとられています。例えば西宮に当てはめると第2子の均等割額・48480円が半額の24240円に引き下げられるということです。子育てするなら西宮と謳う自治体として、現在行なっている特別減免のメニューに「子育て世帯減免」を加え、保険料を抑制するべきと思いますがいかがでしょうか。