2017年度西宮市当初予算編成に対する申し入れ:市民局/* --項目挿入-- */?>
2016年09月14日
市民局
- 昨年秋から実施されているマイナンバー制度は、世界的にも導入した国で様々な問題が起こっており、イギリスではすでに廃止をしている。もともと日本でこの制度を求めてきたのは財界であり、社会保障の給付削減が狙いである。また、個人のプライバシー権の侵害になることも日本弁護士連合会も指摘をしている。市として、次のことに取り組むこと。
- この制度によって、国が国民を管理するというということになってしまう。
また、ランニングコストも含めて地方自治体の大きな負担が続いていくこととなる。マイナンバー制度は廃止するよう、国に求めること。
- マイナンバーの利用範囲の拡大に伴い、様々にひも付されたデータの個人情報流出と共に、犯罪の被害につながることが懸念されている。図書カードなどと一体化すれば日常的に持ち歩くこととなって、紛失の危険も増大する。利用範囲の拡大は行わないこと。
- 個人情報などのマイナンバーの記入が求められる申請などにおいては、マイナンバーの記入は強制ではないことを周知するとともに、マイナンバーカードの作成については任意であること徹底し、カードの作成が義務であるような誘導をしないこと。
- 地域の集会施設について
西宮市公共施設適正配置審議会から答申が出され、公民館、市民館、共同利用施設の統廃合の方向が打ち出された。市はこうした施設について、施設数や稼働率だけでなく、それぞれが持つ固有の機能とともに、組織の縦割りではなく横断的な検討をすることとしている。また、議会での質問においてもそれぞれの施設ごとの設置目的や利用状況の再確認にとどまらず、施設周辺に児童館や支所、サービスセンターなどの行政機能がどのように整備されているかという点にも着目し、地域内の施設連携の可能性も検討していくという答弁がなされている。したがって、以下のことに取り組み市民サービスを向上させること。
- 上記3施設については、それぞれの施設の歴史的経過も踏まえ、機械的な施設の切り捨てはしないこと。
- 共同利用施設については、安易に有料化をしないこと
- 上ヶ原や甲陽園地域は起伏も激しい上に市民集会施設が不足している。早急に増設すること。また、広田小学校区の国道171号線以北については、公共施設適正配置審議会からも集会施設がないという指摘がなされている。ただちにこの地域で新設すること。
- 地区市民館や共同利用施設は、身体障がい者トイレの設置や男女共同トイレの分別とともに、洋式化(温水洗浄便座)等、使いやすい施設に改善を進めること。また老朽化による大規模改修や建て替えも含め、全施設の改善計画を策定してすすめること。
- 地域集会所の設置要望は強いが、工事費の3分の1を自己資金として確保しなければならず、新設や改修が進みにくい。市の予算を増額し補助率を引き上げること。
- 市民館、共同利用施設の視聴覚設備については、最新のメディアに対応できるものを配備すること。
- 国民健康保険制度について
現在の国民健康保険制度は、高すぎる保険料により人権や命を脅かす事態になっている。その大きな要因は国庫負担の大幅削減など、国が果たすべき責任を縮小・放棄してきためである。その上、政府は2018年度から国保の広域化を推進しようとしているが、その狙いは自治体独自の減免や、保険料抑制のための一般会計からの繰り入れをやめさせることであり、公的責任をさらに縮小しようとすることにある。誰もが安心して医療にかかれる国民健康保険制度をめざし、市として以下のことに取り組むこと。
- この間、減らされている国民健康保険会計への国庫負担率を元に戻すよう国に強く働きかけるとともに、県にも独自助成を増額するよう求めること。
- 市は、市民の声を反映させ、2008年度から保険料軽減のために一般会計から2億5000万円の繰り入れを行ない、2012年度からは10億円の繰り入れを行なってきたが、2015年度からは減額され7億円となっている。一方で、基金は27億円にものぼっており、せっかくの繰り入れが保険料抑制のために使われていないことが明らかとなっている。また低所得者の保険料負担軽減のためとして、国は2015年度から1700億円支出し、西宮市には約3億円のお金がおりてきているが、実際には保険料引下げ及び減免拡充につながっていない。一般会計からの繰り入れを増額するとともに、基金の活用も行い、さらに1世帯あたり約1万円の引き下げを実現すること。
- 現在の保険料賦課計算では、滞納見込み分をあらかじめ納付見込み分に上乗せするため、保険料が割高になるしくみとなっている。滞納分は納付者の責任ではない。その分は一般会計からの繰り入れで補てんすること。
- 保険料の減免制度を以下のように拡充すること。
- 所得激減減免を前年所得金額の5割以下から7割以下とすること。
- 2008年度から低所得者の保険料について、所得の2割を超えた分の4分の1を減免することにしたが、所得の2割を超えた分については全額減免とすること。
- 家族の多い世帯の負担を減らすため、保険料の均等割の減免を行っている自治体もある。他市の事例も参考に本市でも実施すること。
- 窓口一部負担金の減免制度の基準が厳しすぎるため、2013年度の利用は1人、2014年度はゼロ、2015年度もゼロとなっている。利用しやすいよう条件を緩和し、医療機関を含めてさらに制度の周知徹底を図ること。
- 保険料滞納者は人間ドックの受診費用に対する助成対象から排除されているが、分納誓約履行者については助成対象とすること。また、分納成約者については,突然差し押さえの通知が送られるケースが増えている。年に一度は行なうとされている分納相談において、財産調査をすることもあることなど、ていねいな説明を行うこと。
- 相次ぐ医療制度の改悪によって市民の負担限度を超え、病院へ行くことができず手遅れで命を落とす人が増えている。世界の主要な国では窓口負担原則無料や少額の定額制となってきている。国の制度として、少なくとも75歳以上の高齢者と、中学校卒業までの子どもの医療費負担を無料化するよう強く求めること。また、県に対しても、同様のことを要求すること。
- 福祉医療費の助成制度については、この間、県の「行革」により重度障害者・乳幼児等・こども医療助成制度の「所得合算」による制限強化により福祉医療助成制度から外された市民が多数にのぼる。制限強化を撤回し、所得制限そのものをなくすよう県に強く求めること。
- 市が独自で実施している中学3年生までの子ども(乳幼児等)医療助成制度は、子育て世代に歓迎され高い評価がある。この際、福祉医療助成制度の枠からはずし、子育て支援策としておこなうこと。また、就学前までの所得制限撤廃(一部負担金あり)は2015年度行われたが、所得制限撤廃は市長の公約でもある。中学3年生まで所得制限をただちに撤廃するとともに、高校3年生まで所得制限なしでの医療費無料化を行うこと。
- 後期高齢者医療制度について
- 後期高齢者医療制度は2008年度から実施され、この4月で丸8年となった。この制度は初年度から低所得者に対する当初の軽減率を拡大せざるを得ないなど矛盾に満ちた制度であったが、政府はこの特例減免を廃止しようとしている。全国後期高齢者医療連合協議会や兵庫県広域連合からもこの制度の維持・継続の要望書が出され、西宮市議会も同様の意見書を可決している。現行制度を維持するよう国に強く求めること。
- 国は現役並み所得者以外について、窓口負担を1割から2割に段階的に増やす方向を示しているがとんでもないことである。国に中止するよう求めること。
- 「西宮市参画と協働の推進に関する条例」が制定されたが、実効ある制度とは言い難い。特に、意見提出手続き(パブリックコメント)に意見が少ない実態がある。パブリックコメントの趣旨や制度を広く市民に周知するとともに、さらにその仕組みもよく研究し、条例見直しを行うことも含め、参画がより進むよう方法や対象などを検討すること。
- 今年で戦後71年となった。戦争になれば地方自治体は戦争遂行のための下請け機関になっていく。その反省から、憲法92条で地方自治体の主体的役割が大きく位置づけられた。昨年強行可決された安保関連法は、日本が攻撃を受けていなくても自衛隊が海外で武力行使ができるようにしたものであり、紛れもない憲法違反であることから多くの憲法学者が異を唱えた。国に対して間違っていることには地方自治体も意見を言っていかねばならない。また、戦争を知らない世代が国民の8割を超えた現在、戦争体験や被爆体験を語り継いでいくことも重要となっている。平和行政として次のことに取り組むこと。
- 憲法を遵守するのが公務員の役割・義務である。悲惨な先の大戦の反省のもとに作られた憲法を時の政権が勝手に解釈を変えることは許されることではない。集団的自衛権行使について、市は国政において判断されるべき問題という立場であるが、反対の立場を表明している首長もいる。戦争につながることには国に反対の意思を表明すること。
- 西宮市は県下に先駆けて平和非核都市宣言をおこない、平和首長会議にも加盟して核兵器廃絶の取り組みを行っている。非核宣言をまだ行っていない兵庫県に対し非核宣言を行うよう求め、非核三原則の法制化を国に求めること。また、市として日本非核宣言自治体協議会に加入すること。
- 今年、被爆者が初めて呼びかけた「『核兵器禁止条約』の締結を求める国際署名は、核兵器廃絶のために実効性があるものである。すでに市長も署名し職員にも呼び掛けているが、様々な市のイベントなどで署名に取り組むこと。また、原水爆禁止西宮市協議会加入団体に対して、市としてともに取り組むように求め、集約についても市が責任を持って行うこと。
- 毎年開催されている市の原爆展は重要であるが、市民の来場が少ない場所での開催となっている。市役所のロビーなど、市民が多く集まる会場を設定して開催すること。また、昨年、今年と鳴尾新川で行われた灯ろう流しの一環としてのミニ原爆展は貴重な取り組みである、被爆の実相を伝えるこうした取り組みも拡大・強化すること。
- 西宮市では1945年5月から8月6日までの間、米軍から計5回の空襲で全市の18.4%にわたって被害を受けた。戦争体験者がどんどん少なくなっていく中でも、浜脇地域では空襲を経験した人が「語り部」として体験を語っているが、全市域でできるようにさらなる人材発掘を行うこと。
また、広島では被爆体験を語り継ぐ人を認定して育てている。西宮でも高齢化で被爆者がなくなる現状の中、戦争体験とともに被爆体験の語り部を育てるような取り組みを行なうとともに、悲惨な体験・実相などを映像や音声でも記録を残すこと。
- 平和資料館(川添町)は移転も含めて早期に拡張すること。展示内容については、日本の近現代史についての関心が大きく高まっている現状からも、戦争に至る経過、日本の加害の事実や戦時下での市民の不自由な暮らしなどが小・中学生にもわかるよう改善すること。また、ホームページで紹介されている平和資料館所蔵の「戦争と家族」の写真には、戦争で死ぬことを名誉とする風潮が悲惨な結果をもたらしたことなどの記述をあわせて行い、戦争の本質を知ってもらえるような内容とすること。
- 市役所前六湛寺公園の名称あるいは愛称を、”平和公園”とすること。
- 防犯カメラについては今年度、市の助成制度で設置する提案がされたが、議会から直営で設置すべきという修正提案を踏まえ、来年度から直営で行うこととなった。住民の意見・要望を十分聞いて積極的に設置を進めること。その際、カメラが設置されていることをわかりやすく明示し、プライバシーの保護にも留意すること。
- 男女共同参画センター(ウェーブ)は男女共同参画社会の実現に向けての学習や交流の場として定着しつつある。その運営について次の点については改善すること。
- 毎年取り組まれている「ウェーブいきいきフェスタ」は登録グループ等で構成する「いきいきフェスタ実行委員会」に委託実施されている。参加する講座や講演会も増え盛況を示しているが、その予算はあまりにも少ない。思い切った増額を行うこと。また、実行委員会の取り組みの主体性を損なわないこと。
- DVや児童虐待が増えており、相談内容も複雑多様化していることから市では相談員を増やしている。さらに体制を強化するとともに、複雑な問題に対応するには専門職の力量が必要であることから、当面市で対応できない業務あるいは曜日や時間帯については他で対応できる国や県部署の連絡先などを周知すること。
- 性的マイノリティーの人たちの人権と生活向上のために以下の項目に取り組むこと。
- 公的書類における不必要な性別欄を撤廃すること。
- 東京都渋谷区や宝塚市などで導入したような、同性カップルを「結婚に相当する関係」と認定する条例や施策を実現すること。