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野口あけみの代表質問
2017年02月28日

高齢者施策の拡充を


 市長は施政方針の冒頭、活気ある文教住宅都市を継承していくために2つの課題に対応すると表明されました。1つは、「子どもたちが大人になった時に帰ってきたくなるまち」にするです。子育て世代にとって西宮が住みやすいまちであれば、その子どもたちが大人になって西宮市に帰ってくる。そうなれば、高齢者に安心と活気を与え、高齢者が子育て世帯と子どもをサポートする環境が実現すると市長は言います。
 2点目は地域力の向上です。福祉ニーズの増大が続いているが、市役所だけでは対応しきれない、あらゆる福祉施策は、地域で活動しているボランティアの力なくしては実現不可能だと。その地域ボランティアは高齢化し減少してきている。だから定年退職後の世代や子育て世代の参加を促したいと。
 地域の力、ボランティアの力に敬意を示し、それをさらに強めたいとするのは当然です。ただ、福祉ニーズに市役所の持つリソースだけで対応しきることはすでに困難、と言ってしまうのはいかがなものでしょう。市役所でできないから地域で と、行政の肩代わりをさせようというのは責任逃れであり、いただけません。
 だからと言って市長の言う2つの課題を否定するつもりはありません。しかし、どこか違和感があります。それは、子育て世代を「主」とし、高齢者を「従」としている点です。施策に対する熱の入れようにも、同様なものを感じます。
 施政方針で述べられた子育て世帯に向けた事業は、教育分野でいじめ相談の体制強化や学校施設整備など7項目、子育て支援策で待機児童解消、子どもの貧困対策など9項目、合わせて16項目を挙げています。その内容は、保育士の処遇改善をはじめまったく不十分であり、市長マニュフェストにある子ども医療助成の所得制限撤廃や保育料引下げは一度少し実施しましたが、これ以上はしないつもりでしょうか、あげられていない点でも納得いくものではありません。
 一方、「子育て世帯と子どもをサポート」することが期待され、現時点で地域ボランティアの主な担い手である「高齢者」に対する具体的な施策は、すっぽりと抜け落ちています。施政方針の中では第4章のなかの 地域包括ケア体制の推進、生活支援コーディネーターの増員、認知症の初期集中支援 という1項目のみです。
 貧困の広がりと格差は、とりわけ高齢者の中にも深刻です。また、健康状態や家族状況など、ここでは「多様」と言っていいと思いますが、高齢者の状況は様々です。2017年度政府予算案では社会保障費の自然増が1400億円削減されますが、狙い撃ちされているのが高齢者です。度重なる年金カットでは、2017年度も0・1%削減です。70歳以上の医療費自己負担上限の引き上げが8月から実施されます。また、75歳以上の後期高齢者医療保険の保険料の特例軽減が新年度から段階的になくなることとなりました。また、県行革により老人医療助成制度の対象者が著しく縮小されます。介護保険でも、佐藤議員から質問を予定していますが、改悪に次ぐ改悪です。
 そこで4点、質問します。

1、後期高齢者医療保険の保険料軽減特例の見直しの内容、本市での対象者、影響額はどれほどか。
2、子育て世代に対する施策と高齢者施策に対する施策はあまりにもバランスを欠いているのではないでしょうか。子育て世代を大切にすることと合わせて、地域力を支えている高齢者、社会保障削減のターゲットになっている高齢者に対し、もっと敬意をもち、支援すべきです。高齢者施策を拡充すべきと考えるがどうか。
3、市の高齢者施策では、特に元気な一般高齢者を対象にした福祉施策は高齢者交通助成事業以外めぼしいものは見当たりません。市が実施している一般高齢者福祉施策にはどのようなものがあるか。
4、党議員団はその一つとして、芦屋市や尼崎市で実施しているようなバス運賃半額助成制度(敬老パス制度)の創設を求めてきましたが、福祉局の考えを改めてお聞きしたいと思います。