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野口あけみの代表質問
2017年02月28日

特別支援教育と西宮養護学校の建て替えについて


 肢体不自由の子どもたちのための市立西宮養護学校は1959年に創設、1961年には現在の甲子園春風町に移転され、以来、西宮の特別支援教育の核としての役割を果たしてきました。現在、建築後50数年を経過する中で、校舎の老朽化や教室不足はまったなしの課題となり、養護学校の全面建て替えが2013年9月議会上田議員の一般質問の中で初めて明確にされ、第4次総合計画の後期計画に位置付けらました。
 養護学校では、約4割の児童生徒が医療的なケアを必要とし、ほとんどの児童生徒は移動時に何らかの支援が必要な状態で、中にはストレッチャー型の車いすを常時使用する生徒もいるとのことです。2015年6月議会佐藤議員の質問では、建て替えについて保護者代表や校長、学識経験者の方々による基本計画検討委員会による議論をへて、課題を1、児童生徒の送迎車両の乗降場所の改善、2、緊急時の安全な避難手段の実現、3、体温調整が困難な児童生徒に配慮した屋内プールの設置、4、廊下幅の拡幅などと整理されたこと、現地での居ながら施工を検討したが、工事に伴う騒音や振動が児童生徒に及ぼす影響を懸念し断念、仮移転先の検討に入ること等が答弁されました。そして2016年4月、田近野町の尼崎養護学校跡地を仮移転先とし、現養護学校の諸々の課題を解決する基本計画が策定されました。
 私もすぐ近所に住まいをしていることもあり、この建て替え事業が成功することを願って、地域の住環境との調和を含め、近隣住民の皆さんとともに提案や意見交換をさせてもらっているところです。
 そのようななか、今議会に教育委員会からインクルーシブ教育システム構築のためとして特別支援教育審議会を設置することが提案されています。
 4点、質問します。

1、特別支援教育審議会設置の趣旨、目的を聞かせてください。
2、2007年(平成19年)4月に施行された改正学校教育法により、特別支援学校のみならず、通常の学級に在籍する発達障害のある子どもを含め、障害により特別な支援を必要とする子どもたちが在籍するすべての学校で特別支援教育を推進することが法律上も明確に規定されました。本市では、そのことを物理的に保障するエレベーターの設置が、ようやくすべての学校に1基設置されるめどがついたところですが、先日ある小学校の校長先生から、特別教室のある校舎にはエレベーターがなく、子どもとともに大きくなる車いすごと教師2人で担ぎ上げている、とのお話を伺いました。障がいのある子どもたちが学校生活を安心して送るためのさらなる施設設備の整備や支援が求められていると考えますが、いかがでしょうか。
3、昨年12月議会一般質問に対し、今後の養護学校建て替え事業では、保護者や近隣住民の意見も聞き、障害の重症化重複化に対応することと合わせ、周辺の住環境への影響も十分配慮すること、本市唯一の特別支援学校に求められている機能を実現していくことが答弁されました。  
そこで、改めて、特別支援教育を推進するうえでの、西宮養護学校の役割、位置づけをお聞かせください。
4、長年の父母のみなさんや教職員、また教育委員会など関係者のご尽力の中で、重複障がいの場合の国の教員配置基準である、児童生徒3人に1人の教員配置に加え、市費での介助員の配置や、1993年からは看護師が配置されるようになり、増員もされています。
しかし、特別支援教育が「子どもたちそれぞれの可能性を最大限に伸ばし、生活や学習上の困難を改善または克服するため、適切な指導及び必要な支援」を行うものというのなら、今の養護学校の実情から看護師にとどまらず、医師や理学療法士などの専門職の配置も必要ではないか。