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佐藤みち子の一般質問
2017年03月02日

高齢者にとって介護保険は安心できる制度になっているか


 介護保険が2000年にスタートして16年が経ちましたが、介護が必要な高齢者にとって安心の介護は実現しているのでしょうか。「介護心中」「介護殺人」、家族が要介護状態になったために仕事をやめる「介護離職」は年間10万人、特別養護老人ホームの入所待ちは全国で52万人、「介護難民」があふれています。市でも20か所の特別養護老人ホームに2016年9月現在1568人が入所しています。入所資格が要介護3以上になり待機者が1594人、法改正後約500人減少していますが申し込みすらできない約500人の人たちはどうしているのでしょうか。
 また、介護事業所は介護労働者が集まらず人手不足で「介護崩壊」の危機が迫っていると言われています。2017年度の国の予算案では介護職の処遇改善に2000億円の予算が組まれていますが、介護福祉士、社会福祉士に限られ、在宅介護を支えるヘルパーの賃上げはなさそうです。ひどいことです。
 すでに、2015年4月から「医療・介護総合福祉法」に基づく介護保険の改悪がはじまり、介護保険は制度開始後、大改悪が実施されました。制度以来、利用料は1割負担が原則でしたが一定所得以上の人は2割負担にされました。
 2017年度は国の社会保障費は医療・介護等の「自然増」が1400億円も削減され、その痛みが高齢者に押し付けられます。医療では、70歳以上の医療費の自己負担上限の引き上げ、75歳以上の後期高齢者保険料の特例軽減が段階的に廃止され値上げされます。また、介護では、高額介護サービス費の「一般区分」の月額負担限度額を月37.200円から44.400円に引き上げます。利用料は単身で年収383万円以上、2人以上の世帯で520万円以上の収入がある人は2018年8月から月額2割から3割へ引き上げます。
 今後も要介護1・2の生活援助の保険外しや利用料は原則2割負担等も検討されているところです。年金は、2017年度は物価変動に対応して0.1%削減。2018年度以降は年金カット法の適用で一層削減されます。年金は下がり、医療や介護の負担増で今後の生活が不安と多くの高齢者から嘆きの声が上がっています。

 そこで質問します。
 国は2015年度に続き2017年度も高齢者に負担を押しつけ生活を脅かしている。医療や介護の負担増は高齢者にとっては「早く死ね」といわんばかりで、ますます不安の介護になっていく。これらは改正ではなく改悪だと思うが、このことについて市の見解を聞く。